4歳からのネントレと睡眠負債の返済
うちは「3歳まで子供にYoutubeを見せ続けた結果」の記事のとおり、赤ちゃんのときはネントレなんてできるような状況ではありませんでした。そのため、4歳をすぎても普通に添い寝をしていました。
添い寝をやめたのは、子供の睡眠負債問題を知ったことがきっかけです。慌ててネントレを始めたとき,子供は4歳2ヶ月になっていました。
ネントレとは
妊娠中に育児本で読んだネントレ(寝んねトレーニング)は、0歳から赤ちゃん一人で寝られるようにする、といったことでした。ネントレの何が良いかというと、母親は夜ゆっくり寝られるようになり、育児のストレスからも解放される、といった主にママのためのことで、欧米では昔から行われてきた手法ということでした。
欧米か!?
「いやいやー欧米のカルチャーを、何でもかんでも日本に適応しようとするのはだねぇ…」と思ったのですが、考えてみれば自分が購入していた育児グッズなどは、欧米のもののほうが多く、アイディア商品も欧米のものが多いことに気づきました。もしかして、日本は育児においては後進国である可能性もあるのかなと思いました。「母親の苦労こそが愛情!」みたいな根性論的な部分はまだ多くありますしね。
ネントレの具体的な進め方
生後4〜6ヶ月で始める
毎晩同じ時間に寝室に移動し、絵本を1冊読んだら寝かせる
親は部屋から出て、子供が泣いても10分くらい放置する
10分以上泣き止まなったら部屋に入るが、トントンはしても抱っこはしない
出産前に読んだときは、「ふーん、面倒見なくていいの?育児って楽そうだなぁ」くらいの感想だったのですが、出産してみてその感想は一転します。
赤ちゃんのネントレは絶対に無理
産んでからは、片時も目を離せない、口に何か入れてないか確認したり、トイレにいくのもダッシュ、お風呂でも自分の身体は洗えない(4年くらいまともに洗っていない)、寝ているときも呼吸が心配で確認するくらいで、バタバタしていてネントレをすっかり忘れていました。というか、規定の時期にネントレができるご家庭はどのくらいあるのでしょうか。
生後4〜6ヶ月で始める?
私は母乳が出ず、粉ミルク100%(完ミというやつです)でした。とにかく飲む回数も量も多かったのです。育児記録によると、6ヶ月で体重は7kgで1日8回、8ヶ月でも1日6回も飲んでいました。深夜に2回以上欲しがるし、ミルクを吐く可能性もあるし、添い寝していないとそういった異常に気付けないのではないかと心配していました。ちなみにミルクは1歳すぎまで飲んでいました。
毎晩同じ時間に寝室に移動し、絵本を1冊読んだら寝かせる?
うちは決まった時間に寝るというのが全然できませんでした。無理やり同じ時間に寝室に連れていったとしても、そこから30分、1時間、2時間と遊ぶ日も多くありました。
親は部屋から出て、子供が泣いても10分くらい放置する?
うちは今どきの高気密高断熱住宅なので、家の中の声や音は外に漏れていないはずですが、泣いたまま10分も放置していたら、近所からヒソヒソされるのではないかと不安に思ってしまい、そんなことはできませんでした。放置するのがかわいそうだというのもありました。
10分以上泣き止まなったら部屋に入るが、トントンはしても抱っこはしない?
優しい声がけくらいで泣き止むような子供ではありませんでした。抱っこして、室内を散歩、階段を登り降りしないと泣き止まないので、これは絶対に無理でした。
…というわけでネントレできなかった
ネントレを規定の時期で始められず、その後もとてもネントレをできるような状況ではなかったので、4歳過ぎまでネントレはできませんでした。そもそも一人で寝かせるなんてかわいそうという思いもあり添い寝をしていたわけです。
添い寝もキツイ
子供の寝相で自分が起きてしまう
ダブルの布団だったので、狭くはなかったはずなのですが、子供の身体も大きくなってきて、背も100cmを越え、体重も20kgになり、身体が上下回転していることはしょっちゅうでした。急に子供に顔面を蹴られるなど不意打ちが多く、私はたびたび起きてしまいました。
足元にある子供の顔面が気になる
自分の足元に子供の顔があるときは、それを動かすと起きてしまうのではないかと思ってそのままにしていました。しかし、そのせいで自分が子供の頭を蹴らないように気をつけてしまい、熟睡できなくなっていました。
掛け布団が気になって起きてしまう
子供の寝相が悪かったので、掛け布団がかかっていないか、お腹が出ていないかが気になって、あまり熟睡できませんでした。
子供もなんだか寝づらそう
私がダブルの布団の端っこで寝ているのに、子供は反対側の端っこを枕にして、身体はフローリングで寝ていることもしょっちゅうでした。私が固めの布団がよかったのですが、4歳くらいになると窒息することもないので、子供の身体にはもう少し柔らかい布団のほうがよいのかなと思いました。
おねしょもしなくなった
寝る前におしっこができなかった(気づいたら寝てた系)とき以外は、3歳6ヶ月くらいでおねしょもしなくなり、私が隣で寝てる必要もなくなっていました。
子供の睡眠負債の問題
2024年になって、旦那が急に「睡眠負債って知ってる?子供の脳に問題らしいよ」と言ってきました。気になって検索してみたところ、非常にまずいことを知りました。
そもそも睡眠負債とは
子供の睡眠負債は何が問題なのか
子供が睡眠不足になると、メンタルヘルスが悪くなり、問題行動が多くなり、認知能力が低くなるのだそうです。世界の中でも日本は子供の睡眠時間が少なく、問題になっているようなのです。
日本の子供の睡眠時間が短い理由
日本の子供の睡眠時間が短い理由が「就寝時刻が遅い親と一緒に寝ていること」が要因になっているようです。欧米は子供は一人で寝ているから(=赤ちゃんのときにネントレ済みだから)、睡眠時間が長いそうなのです。欧米のネントレの奥の深さを知りました。
睡眠負債は脳に影響が出る
睡眠不足だと、脳の記憶の司る海馬の大きさに明らかな影響が出るようです。脳のほかの部分の発達にも影響が出ることがわかっているようです。この話はyoutubeでまとまっています。
睡眠の質が悪そう
子供の寝相が悪かったり、寝づらそうにしているので、睡眠時間が9時間ほどあったとしても、睡眠の質は悪そうです。もしかしたら、6時間相当くらいになっているかもしれません。
なお、この学者さんによると、3〜5歳児は10〜13時間は必要らしいので、圧倒的に足りていません。
添い寝をやめなければならない
これはもう早急に子供の睡眠環境を整え、子供の睡眠不足をなくすためにネントレをし、一人で寝てもらわなければなりません。その日から準備を始めました。
4歳からネントレできるの?
さあ一人で寝てもらおうと思ったのですが、育児本のネントレは赤ちゃん用なので、同じやり方では通用するはずがありません。自分で考えるしかありません。
4歳児のためのネントレ手法は
4歳児は赤ちゃん時代には持っていなかった言語能力という武器を身につけています。それを活かして「言葉で思い込みを変える」ことによってネントレができるのではないかと思いました。
4歳児のネントレに必要な言語能力
言葉がだいぶ遅かったうちの子も、3歳4ヶ月になる頃には意思疎通できるくらいお話ができるようになりました。4歳になると、言葉の発音は怪しいものがありますが、会話は完璧に成立していました。このくらいになれば言葉で一人で寝ることも理解させられるはずです。
4歳児のネントレのための分析
youtubeを見せ続けて育児に失敗した経験を持つ私は、ネントレこそは失敗しないように、慎重に分析しました。
現在の思い込み
母子で一緒に寝なくてはいけない
ネントレのチャンスを失ってしまって取り返せない
子供を一人で寝させるのはかわいそう
思い込みによって生じている問題
子供の寝相が悪くて,自分が起きてしまう
隣にいるのでいろいろ気になって熟睡できない
子供も寝づらそうにしている
思い込みをこう変えたい
もう危なくないので一人でも寝られる
4歳用のネントレをすればいい
自分専用の子供部屋ができることはうれしいこと
お布団からベッドへの昇格である
一人で寝られるのは偉いこと
というわけで、子供部屋を作り、専用のベッドを置き、子供をおだてることで、4歳児のネントレがうまく行くような気がしてきました。
子供部屋の準備から提供まで
自分のお部屋をおそうじ
今まで私と子供で寝ていた四畳半の部屋を寝室として与えることにしました。この部屋は家の中で一番奥で、人が通ったりせず、話し声も聞こえないので静かなのです。
今まで敷いていたダブル布団を撤去して大掃除です。「この部屋、じぶんの部屋になるんだよ〜」「お部屋できるんだね!すごい」といって、床の拭き掃除やらなにやら全部手伝わせました。自分の部屋なんだと実感させるためです。
好きなベッドと寝具で囲む
IKEAやニトリのような、部屋をコーディネートしてあるようなところに連れていき、ベッドと寝具を選ばせました。4歳だとまだカタログや画面でイメージするのは難しいようでした。うちはニトリで決まりました。マットレスは店員さんに相談して、小学生くらいまでは安いものでも良さそうなので、ちょうどよい柔らかさを選んでもらいました。中学生くらいでまた買い替える予定です。
親の都合で置いていたものを撤去
一緒に寝ていた部屋なので、子供用の薬や冷えピタシート、ヴェポラップ、エチケット袋、スマホの充電器などを置いていたのですが、それらは撤去しました。ベッドとぬいぐるみだけの完全に子供専用の寝室にしました。遊ばれると困るので、おもちゃは置いていません。
使命感を与える
これまでおもちゃ箱に入れていたぬいぐるみをベッドに並べて、「この子たちと一緒に寝てあげてね」「ねんねさせてね」と使命を与えます。うちは一人っ子なので、目下のもの(ぬいぐるみ)の世話をするという体で、お姉さん気分になってもらいました。
自分で寝ることを意識できるように
時計を意識させる
保育園の教育のおかげで、4歳までに時計が少し読めるようになっていました。リビングに大きい掛け時計を設置し、短い針が8に来たり、長い針が12に来たとかはわかるので、その時間を指定して寝るように指示をします。
寝室まで競争する
時間が来たら、一緒に子供部屋に行くようにしています。うちの子は負けず嫌いなので「どっちが先に着くか競争だ〜〜」と言えば、階段を駆け上がるのです。
優しい声がけをしながら消灯
「今日はママと寝る!」と言わせないために、全力で女神のような優しい表情をします。ここで緊張感や焦燥感を顔に出してはいけません。「もうねんねだね〜」と言って優しく掛け布団を掛けます。
そして「ぬいぐるみさんたち寒そうだよ」というと、子供はぬいぐるみに掛け布団をかけます。「みんなと一緒に寝ようね、じゃあね、おやすみ」と言って消灯して、静かに部屋から出ます。ドアを閉じるまで笑みを浮かべて…
4歳児のネントレの結果
3ヶ月くらい経ちますが、この方法で100%寝てくれています。1回も「ママと寝る!」とか騒いでいません。多分成功しました。ぬいぐるみは少しずつ増えてきていますが…
私への効果
私は一人でダブル布団で大の字で寝られるようになり、睡眠の質が独身時代並に良くなりました。寝落ちするまでスマホいじりなんて何年ぶりでしょう!
子供への効果
子供のほうですが、寝相がよくなって、寝た直後の体勢のままで朝まで寝ています。ベッドから落ちることもなく、身体が上下回転することもなくなりました。ニトリのマットレスの柔らかさが合っているのだと思います。ただ、少しさみしさはあるようで、たまに朝6時くらいに起きて、私の部屋にやってきて7時くらいまで二度寝することが最初の2週間くらいはありました。
睡眠負債の返済
21時くらいには就寝しているので7時まで寝たとして、10時間は睡眠時間は確保できています(保育園ではあまり昼寝していません)。ただし、これまでに溜まった負債を返済するには20時くらいには就寝し、11時間くらいは寝てもらいたいです。そのためにはどうすればよいでしょうか。
食事を眠りに全振りする
眠りに良い食べ物を食事に取り入れることにしました。保育園のご飯で80%くらいの栄養は取れているらしいので、家での食事は眠りに全振りしても問題ないはずです。
朝食はトリプトファン重視
睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、日中にセロトニンという神経伝達物質が作られることが必要なようです。セロトニンを作るには必須アミノ酸のトリプトファンが必要らしいです。つまり、朝にトリプトファンを多く含む食べ物を摂取すれば、ホルモンの働きで寝られるということです。100gあたりのトリプトファンも調べました。
豆腐の味噌汁
(豆腐98mg、味噌140mg)チーズトースト
(プロセスチーズ58mg、チェダーチーズ48mg、パン90mg)ゴマ入り鮭おにぎり
(ゴマ360mg、鮭250mg、鮭+炭水化物で相乗効果)牛乳(牛乳41mg)
バナナヨーグルト(バナナ15mg、ヨーグルト41mg)
子供は体重1kgあたり1日4.8mg必要らしいので、20kgの我が子は100mg摂れば良いということです。牛乳200mlだけでも足りそうです。既に足りているかもしれません…
夕食は消化時間の短さ重視
寝る4時間前までには夕食を終わらせないといけないらしいのですが、保育園から帰ってきたら18時になります。ということは22時まで寝られないということなので寝不足になってしまいます。
そのため、夕食は消化重視にすることにしました。ちなみに消化時間ですが、肉や魚は4~5時間程度、油を使ったもの、揚げ物も消化時間は長いようです。朝食メニューみたいになるけど気にしません。
ごはん(やわらかめに炊く)
お味噌汁(繊維質が少ない具)
卵料理(半熟卵は1時間半)
大豆料理(納豆は30分くらい)
鶏肉料理(脂身が少ないもの)
夕食の時間を早くする
夕食の準備で食べ始めるのが19時になってしまうこともあるので、出勤のときは前日に作っておいたり、テレワークのときは仕事中…いえ昼に作ってしまうなど、工夫をしなければならないと思います。
お風呂にダラダラ入らない
うちはお風呂でパズルをやったりするので、1時間くらい入っていることもあります。30分くらいで出るようにしなくてはなりません。
睡眠負債を24回払いで完済したい
あと2年で小学生なので、24回払いで4年間で溜まった睡眠負債を返済して、脳の調子がよくなった状態で小学校に入学してほしいです。昔は「趣味は寝ること」なんて言ったら先生に怒られたものですが、今は切実に「趣味は寝ること」になってほしいです。