永遠の純愛
「逢いたくて逢いたくて、たまらない。
淋しくて淋しくて、眠れない。」
TVでお馴染みの料理愛好家
平野レミさんは、
天真爛漫で賑やか、
底抜けに明るい印象がある。
でも、一昨年逝去された夫、
イラストレーターの和田誠さんのことに
番組で触れるたびに、乙女になり、
ストレートな純愛をお話しになる。
素敵な女性だと思う。
和田誠さんが病床の人となり、
夫が好きなものをと、
平野さんは料理をこさえた。
そこで彼女は、はたと気付いたという。
料理を作ることって、
こんなにも幸せだったんだと。
いわば料理の専門家である、彼女の純真。
僕は勝手に想う。
きっと夢中で手料理に没頭したのだ。
愛する人が少しでも元気になるよう、
少しでも早く回復できるよう。
もしかしたら、
もう逢えなくなるかもしれない、
遠くに旅立ってしまうかもしれない、
愛しい人へ。
50年近い結婚生活、この仲睦まじさ。
人を想う心の深さ。永遠に残る。
夫亡き後、夜になると彼を想い、
「逢いたくて逢いたくて、たまらない。
淋しくて淋しくて、眠れない。」
そんな彼女の切ない心のうちを
聞いた友人が言ったという。
「そんなふうに思えるのは、
あなたがとても幸せだったからよ。」
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