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忘れる力、心の強さを養う。

勝負に負けても、
それを反省し次に繋げ、
決して引きずらない。
敗北や失敗を「忘れる」能力。

人生経験豊かな元名経営者(82)と、
勢いに乗る若き勝負師(19)。
63歳差の友人同士の思考論を読んだ。

伊藤忠商事の元経営トップで
中国大使も勤めた丹羽宇一郎さんと
将棋三冠の藤井聡太さんの対談集
「考えて、考えて、考える」(講談社)。

藤井さんは、負けを引きずらない。
その夜はたっぷり(8時間近く)寝て、
気持ちを切り替え、翌朝反省するという。

要はその日の感情ではなく、
冷静になった翌日の理性で考え、
肥やしにして、敗北感を手放していく。

この「忘れる力」こそが
快進撃を続けられる秘訣なのだろう。

悔しさやこだわりを引きずらないで
心の強さを養うことは
僕らの仕事や私生活でも大切。

きっと悔しさを無理に
忘れようとするのではなく、
心静かに、引き受けているのだと思う。
だから忘れ、捨てられる。

そしてまた、勝ったことも忘れる。
ときは移ろひ、全て、いにしえに。
過去の栄光で飯は食えぬ。
大切なのは次に繋げる今。
今このとき、どう生きるか。
そんなことを本書で
お二人から教わった。


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