見出し画像

ちょっとMyself

「人間というのは
自分のことはわからないんだよ、
あんまり。そのかわり
他人のことはわかるんですよ、
第三者の眼から見てるから。」

「男の作法」(池波正太郎、新潮文庫)

自分の潜在能力などについて
自分ではわからないことは多々ある。
自分ならではの思い込みもあり
客観性に欠けてしまう。

「自分のことは
自分が一番よく分かってるから
放っておいて頂戴!」などとも言う。
自分の抱える事情を
人様は知る由もないだろうから
余計な事は言わないでくれと。

どちらも真実、ある意味、五分五分。

五分五分と言えば、
池波正太郎先生は同書の中でこういう。

「(直木賞受賞となるかどうか)
いつも五分五分、入るかも知れないし
落ちるかもしれない、
その率は五分五分であると
僕はいつも思っているから。
戦争に出て行って戦死するかもしれない、
あるいは生き残って帰って来るかも
しれない、その率は五分五分なんだ。」

「男の作法」(池波正太郎、新潮文庫)

そういう五分五分の人生観だから
例えば何かの賞に落ちたからといって
特段、ガックリはしないと。
そして池波先生はこう言う。


「理屈というものでは絶対、
人間の世の中というのは渡れないんだ。
なぜかというと、人間そのものが
理論的に成立しているものじゃ
ないんだから。」

「男の作法」(池波正太郎、新潮文庫)

げだし名言。
凡そ40年前に書かれたものだが
いつの世の真実でもあると僕は思う。

自尊心や自己顕示欲、自己嫌悪。
自分勝手過ぎると火傷する。
さりとて自分を卑下し過ぎると
大切な機会を失し、
誰かの期待に応えられない。

自分をどう解釈するか。
物事、出来事と同様に、
その実、自分も「無」、無色透明。

いくら齢を重ねても、
常に程良く自分を信じ、諦めない。
僅かながらでも希望や理想を
ココロのポケットに携えていたい。
幾つになっても理想を追い続ける。
それを止める事は、誰にも出来ない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?