東平さんの朝比奈玉露
日本三大玉露の産地の一つ、静岡県の朝比奈。
誇りをもち、朝比奈玉露を作り続けている生産者の方々にインタビューをすることで、より多くの人に朝比奈玉露とその魅力を知っていただきたいです!
生産者紹介
インタビューお一人目は、前島 東平さんです。
朝比奈玉露に対する誇りとこだわりをもち、多くの品評会で上位の実績があります。その玉露は、それぞれの品種の良さを引き出したバランスの良いブレンドが特徴です。
東平さんは、
「のどが渇けば煎茶でも心が渇けば玉露なり」
という言葉を師匠より贈られてから、これを大切になさっています。
東平さんと玉露の関わり
東平さんが朝比奈玉露に携わるようになったのは、中学卒業後。ご兄弟が幼くして亡くなられたことから跡取りとなり、ご両親も早くにお茶づくりから退かれため、自然と跡を継がれた東平さん。その後数多くの賞を受賞するほどのご活躍に至るまで、お父様の影響は大きいといいます。また、お茶をもむ技術は叔父であり”手揉み名人”と呼ばれた前島 栄太郎さんから仕込まれたそうです。
20歳を過ぎてから品評会にお茶を出し始め、26歳で一等を受賞。それからは、第一回から三回までの世界緑茶コンテスト最高金賞受賞や全国茶品評会農林大臣省受賞など、その技術を広く認められています。
東平さんは「おだっくい」
お茶づくりを始めてから今まで熱意を持って向き合い続けるのには、お父様から「おだっくいになれ」と言われたことが大きいといいます。「おだっくい」とは、いい事をして褒められると嬉しくなり、もっとやりたくなること。
品評会で賞を取ることでもっとやりたくなる。そんな原動力でますます玉露づくりに精を出し、多くの人に認められる美味しい玉露に辿り着きました。
「美味しいものを作るのは当たり前、
もっとみんなを惹きつける、喜ばせるものを」
その一心から東平さんの茶園には、「もてなし処 東平玉露茶ばら」があります。そこで、東平さんは訪ねにくる人たちにお茶をおもてなししているそうです。
東平さんのこだわり
美味しいお茶を作ることが基本。
お客さんに喜ばれる三原則に次の項目を掲げています。
旨いお茶づくり
安心安全茶作り
茶畑の確認
それぞれ詳しく絵巻に書かれているのですが、特に品種について取り上げようと思います。
<お茶の品種>
日本茶には、紅茶でいうアッサム・ダージリン・アールグレイのように品種があります。日本茶はどれも同じチャノキから育つため、煎茶や玉露、抹茶などの間で重複する品種も多いです。
※それぞれのお茶によって、適している品種は変わります。
例えば、東平さんが育てている品種とその比率は
やぶきた:10%・さえみどり:40%・ごこう:20%・おくみどり:30%
です。
ここで美味しいお茶を作るのに重要となるのは、それぞれのお茶の適期が異なることです。
さえみどりは早生(わせ)と呼ばれる比較的早い時期に収穫される品種、おくみどりは晩生(おくて)という遅い時期に収穫されるなど、適期に違いがあります。
それぞれ収穫時期がずれることで、忙しい新茶シーズンでも一番美味しい適期に収穫することができるのです。
ちなみに、玉露にはさえみどりが一番適しているため多く育てているそうです。
東平さんのやりがい
買ってくれる人や、縁があった方からの「続けてほしい」という声が一番の力になると仰る東平さん。
自分のためじゃなくて、誰かのためになることを全力でやることが幸せだと言い、いいことが重なるとそれを定めだと感じるそうです。
見返りを求めず、みんなのためになることを一生懸命やることに価値を感じ、楽しく働く。
その姿勢にもお父様からの教えが伺えました。
最後に
インタビューを通じて、すごく活き活きと自分の信念を持って向き合われている姿が印象的でした。
今や日本国内のみならず、世界中から東平さんの作る玉露は愛されています。海外の方も多く東平さんの元を訪れているそう。
(※現在、玉露の振る舞いは行っていません。)
そんな朝比奈まで足を運んでくれる人をもてなし、さらに多くの人に朝比奈玉露の魅力を伝えています。「東平玉露」とも呼ばれる、東平さんのこだわりの玉露をぜひ皆さんにも飲んでいただきたいです!