🍛開発レポート『スパイスをブレンドする』

みなさん、スパイスは好きですか？

突然の質問失礼しました。
ゆっくり おいしいね むたいなの左近です。

私はカレーとスパイスが大好きなのですが、好きすぎるあまり、自社の商品として“ポジティブになれて癒されるカレー”を作ることになりました。
現在鋭意開発中で、noteで開発レポートをまとめています。

幸せになるカレー開発レポート🍛｜ゆっくり おいしい ねむたいな｜note

＜漢方・薬膳＞＜栄養学＞＜スパイス・ハーブ＞の視点からテーマに沿った食材選びをはじめ、前回は＜栄養学＞の視点で食材を選びましたが、今回はカレーの核となる＜スパイス・ハーブ＞の視点からオリジナルブレンドのカレー粉を作ります。

🍛スパイスの作用

ひとことにスパイスと言っても、それぞれが持つ効果や作用は異なります。
ざっくりまとめると、辛味作用、着色作用などの一次（直接）効果と、矯臭・脱臭作用などの二次（複合）効果があります。
わかりやすい主要な作用を4つピックアップしてみました。

【一次効果】
(1)賦香作用：香りづけの作用
オールスパイス、シナモン、バジル、パセリ、クミン、カルダモンなど

(2)辛味作用：辛味を感じる作用
ブラックペッパー、レッドペッパー、マスタード、ホースラディッシュ（ワサビ）、山椒、生姜、カイエンペッパーなど

(3)着色作用：スパイスの色がつく
ターメリック、サフラン、パプリカなど

【二次効果】
(1)矯臭・脱臭作用
ガーリック、クローブ、オニオン、タイム、セージ、コリアンダーなど

いくつかの作用を複数持っているスパイスもあります。
上記の作用をもとに、カレーを構築するスパイスについてまとめます。

🍛カレーを構築する主なスパイス

私自身、スパイスを日常的に使うようになったのはここ2年くらいでして。「スパイスって種類が多過ぎる！使いこなすのは難しそう...」と2年前までは思っていました。難しいな〜と思いながらも調べたり作ったりしていく内に実はカレーを構成する土台のスパイスは意外とシンプルな組み合わせだということを知りました。

先ほどのスパイスが持つ作用と合わせて説明すると、下記の5つがカレーを構築するスパイスです。

コリアンダー、クミン、パプリカ、ターメリック、カイエンペッパー（チリペッパー）

この土台のスパイスをベースに、食材に合わせてスパイスやハーブをプラスすることで、より複雑な香りのカレーができます。

自炊でスパイスを使うまでは、どのスパイスが何の食材に合うのか想像するのが難しかったのですが、実際にスパイスを使い、どのような香りと味がして、どのような性質があるのかを知ると、自然と「この食材にはこのスパイスが合うな」「この料理にほんの少しスパイスを足してみよう」と思いつきで使うようになりました。

△最近購入したスパイス△

🍛香り成分と効能

スパイスやハーブの香り成分は、簡単に説明すると、植物が持つ油に含まれます。オレンジの皮に含まれるリモネンもそうですが、これを精油と呼びます。

なので、スパイスは油に溶けやすいものが多いです。（ターメリックなど水性で水にもよく溶けるものもあります）
カレーを作る時に油でスパイスを炒めるのも、スパイスの香り（精油）を調理油にうつすためです。チャイティーもシナモンなどのスパイスが使われますが、油分を含む牛乳と一緒に加熱することで、スパイスの香りがより感じられます。

そして、香りにはリラックスや興奮などを促進させる効果もあります。いわゆるアロマテラピーです。

アロマテラピーの観点で、“ポジティブになれて癒されるカレー”に合うリフレッシュとリラックスに効果があるハーブを2つピックアップしました。

バジル、セージ、タイム、パセリ

🍛ゆっくりおいしいねむたいなブレンド

リフレッシュできる香りをメインにハーブを追加しましたが、さらに全体のバランスを取る&香りと風味をプラスするために、下記のスパイスを加えることにしました。

フェンネル：爽やかでカレーらしい風味がプラスされる
フェヌグリーク：メープルのような甘い香りがする

フェンネル、フェヌグリークも追加したとこで最終的に下記のスパイスを使ったオリジナルカレー粉が誕生しました。

▼カレーの土台
コリアンダー、クミン、パプリカ、ターメリック、カイエンペッパー

▼香り/効能
バジル、セージ、タイム、パセリ

▼バランス
フェンネル、フェヌグリーク

🍛パウダースパイスとホールスパイス

スパイスには、粉末状になっているパウダースパイスと粉末状になっていないホールスパイスがあります。

この2つの使い分けと、調理工程のどのタイミングでスパイスを入れるかによって、食べる時に感じる香りの順番が異なります。

ホールスパイスは、カレーを調理工程の早い段階で油と一緒に炒め、油に香りをじっくり移します。
パウダースパイスは、調理工程の後半に加えるて炒めることが多いです。

現状は下記のような種類のスパイス・ハーブを使用しています。

▼ホールスパイス（はじめに投入）
クミン、フェンネル

▼パウダースパイス（中盤で投入）
パプリカ、ターメリック、カイエンペッパー、フェヌグリーク、セージ、パセリ、タイム
（セージ、パセリ、タイムはブレンダーで粉末状に）

▼フレッシュハーブ（仕上げに投入）
バジル

スパイス・ハーブの配分は調理を繰り返しながら調整していきます。
ハーブの爽やかさを感じる、少し複雑な香りのカレーなので、調整にかなり時間をかけました。

次回は、実際にゆっくりおいしいねむたいなカレーにリラックス効果があるのか、脳波を計測し、コンビニのレトルトカレーと比較します！