モリアオガエルの産卵を初めて見るまで その4
モリアオガエルの大フィーバーに興奮しつつ、手に入れた知識その3を思い出していた。
「産卵直前のメスは池の水を飲んでお腹がパンパンに膨らんでいる」本当か?卵と水でパンパン?
池に慌てて戻ると、さっきまで1匹もカエルの姿を見なかった池にいつの間にか何匹もモリアオガエルが浸かっている。い、いつの間に―――!?
さっき森の木から飛び降りていたモリアオガエルたちもどんどん池に入っていく。中には池のそばの木に登りだす者までいる。
カエルが木の幹に捕まりながらどんどん上に登っていく姿ってなかなか新鮮。ガサガサした木の皮に、あの柔らかいお腹が擦れて痛くないのか勝手に心配する。
池に一番近いこの木に登るってことはきっと産卵目的だ!
メスを探せば産卵を見れるに違いない。 ということでメスを探すことにした。
だけど、ぱっと見た感じオスばっかりな気が。メスってたしかオスより遥かにデカくてすぐ分かるらしいけど・・・。
鳴き声も予習してきたのに全く区別がつかない!
ひとまずウジャウジャいてるモリアオガエルを懐中電灯で一匹ずつ照らしながらオスメスの確認。この子はお腹がちょっとぽっちゃりしてるかも…メス?お、こいつ体デカい!でも痩せてるわ。オスかな…。君は潜ってるけど水飲んでるの?
そんなことを繰り返したが、結局はっきりメスだとわかる個体は見つからなかった。
仕方がない。卵は水面の上にある枝葉に産むわけだし、池に張り出した枝に来るのを待ってみるか。
カエルの大合唱を聴きながら、木に登るモリアオガエルの姿をひたすらジ―――――――――ッと見続ける時間が始まった。