モリアオガエルの産卵を初めて見るまで その6
モリアオガエルの姿はすっかり見慣れたので、とにかく産卵狙いで行くことに決めた。
手に入れた知識その4によると「夜中から明け方に3~5時間かけて産卵する」ので、夜12時~朝3時くらいまでの間に行けばおそらく見逃すことはあるまい。この前みたいにずっと待ってたのにモリアオガエル帰っちまうのかよー!となったら残念過ぎるし。眠いし。仕事にひびくし。長居せずして確実に見ようという自分なりの作戦。
そうして待望の雨上がりの夜、決行した。
池に着くとモリアオガエルが大勢集まってお祭り騒ぎだ。私は池の前にゴザ(レジャーシートって言うのか)を敷いて座って待つことにした。
相変わらずの大合唱、木に登るモリアオガエル、遠くではアオバズク・・・。なかなかいいもんだな~と思いながらぼ―っと見ていたその時。
ボチャンッ!
ぎゃ――っっっ!! 何かが池に落ちてきた!
ライトで水面を照らすと蛇がぬらぬらと泳いでいる。どうやら枝にいた蛇が池に落ちたらしい。その正体はヤマカガシ。マムシの100倍の毒を持ってるやつ。←大げさだったっぽい。
まさかモリアオガエルを食べに来た!?たくさんカエルいてますけど、今日のところはモリアオガエルのメスだけはやめてくださいましっ!!
とりあえず岸に泳ぎついたヤマカガシを追う。
近づいてみると、時すでに遅し!1匹モリアオガエルくわえてる・・・。犠牲となったモリアオガエルの目に、地面をつかむ手に、蹴る足に、まだ生きたい!っていう生命を感じる。ぅおお。残酷。どうしよう。
子供のころならたぶんすぐにカエルを助けていただろう。でも大人になった今は「蛇にも命がある。野生とは、弱肉強食とはこういうものだ。」とグッとこらえ、モリアオガエルと目が合わない位置からずっと見守ることにした。
結果、モリアオガエルはゆっくり飲み込まれていった。そしてメスではなかった。ような気がする。正直、まだこの時点でもオスとメスの見分けがついていないのであった。