モリアオガエルの産卵を初めて見るまで 最終話
いよいよモリアオガエルの産卵を見れると思うとワクワク。とにかく観察開始!
オスが2匹くっついた時点で産卵が始まった。メスがおしっこを出してそれを後ろ足でかき混ぜ始めると、オスも一緒になって後ろ足を動かし始めた。最初はねばねばした感じ。それがちょっとずつ泡立っていく。
まさに 「THE モリアオガエルの卵」を今私は目の前で見ている!
そうしてる間にも、オスが次々に枝から枝へジャンプしてメスの背中に、横っ腹に、お腹に、ってまんべんなくしがみついていく。中にはオスの上にさらにかぶさったりなんかして、もうまるでリアル“歌川国芳の寄せ絵”。
これだけオスがひっついてると、メスめっちゃ重いんじゃないのか!?茎をつかむ腕は大丈夫なんだろか!腕の力に限界がきてオスメス共々池にボチャンってことはないのか!?心配になってくる!
私の想像とは裏腹に、メスは顔色一つ変えず。
泡がだんだん増えてきたなぁと思っていると、メスが産卵し始めた。黄色の丸い粒が泡の中に見える。まだふわふわの丸い卵塊とまではいかないがちょっとずつ泡がまとまってきている。
それをぼーっと見ながら何かに似てる何かに似てる・・・思い出した!!「ねるねるねるね」に似てるんだ。いやぁ、思い出せてすっきり。
どうやらずっと足でこねこね混ぜ混ぜしているわけでもないらしい。じっと動かない時間が度々ある。それが終わるとまた皆が足でかき混ぜ始めるのだ。そして、その時だけ口々に鳴き始める。
なので、ちょっと他の枝などを見に離れてても、鳴き声でまた再開したのがわかるので見に戻れる。
それにしてもオスのスクラムを組んだこの状態、見ていると誰の手やねん!とつっこみたくなるくらいごちゃ混ぜ感。メスの目に誰かの手が乗っかって片目が閉じてるし、オスの鼻を別のオスの手が塞いでたりもする。
野生の営みに人間が触れてはいけない、もし触ったら驚いて産卵途中にみんな散り散りに逃げてしまうかも。と思いつつ、どうしても気になったのでつい、触ってしまった。ごめんなさい。メスの目に乗っている手をどけたくて。
でも、まっっっったく!動かなかった。微動だにしない。カッチカチ!もう完全にオスとメスとでひとつの塊になっている。手なんか柔らかいからすぐに動かせると思っていただけに驚いた。そしてもう一度触ってごめんなさい。鼻を抑えられているオス、片目の上に手を置かれているメス。このまま続けていくのだろう。
私は結局、初めての産卵を見たけど最後までは見届けなかった。
だからこのカエルたちが産卵を終えた後どうなったかは知らない。その観察は来年に持ち越しだ。
モリアオガエルの観察日記はここまでです。長々読んでくださった方ありがとうございました!