お金の正体について考える
「お金」とは一体何か、考えたことはありますか?
人を幸せにしてくれるもの、ただの交換の媒体物、権力の証…人によって捉え方は様々です。本日は現代社会を生きていくうえで不可欠になった「お金」について僕の視点からの考えをお話ししていきたいと思います。
1.「お金」の役割
そもそもお金はいつからこの社会にあるのでしょうか?それはかなり前に遡り、世が物々交換で成り立っていた時代になります。モノとモノを直接交換するのでは保存も効かないし持ち歩きも不便ということで、貝殻が交換の媒体物になったのがお金のルーツだと言われています。
お金が何のために存在するのか、というと
1、交換機能 2.価値保存機能 3.価値尺度機能
このような役割があると言われています。3に関しては値段をつけることによって大体の価値が分かるようになる、といったところです。大昔から、僕たちのご先祖様が考えて作り出していってくれたモノなんですね。
つまりお金とは何か?という質問に最もシンプルに答えるとすれば上のような回答をすると、とりあえず理論上は正解であるといえます。では、実在する「お金」について考えていきたいと思います。
2.「お金」は硬貨や紙幣だけではない
まず現代社会で「お金」と聞いて、普段私たちが持ち歩いている現金、つまり日本銀行が発行する硬貨と紙幣を想像する人は少くないと思います。
では、一つ質問しましょう。スイカなど、交通系電子マネー。これはお金でしょうか。同様に、スマホ決済で代表的であるラインペイやPayPayなどは利用されている方も多いのではないでしょうか。これらはお金なのでしょうか?
結論、これは「お金」だと僕は捉えています。
理由は現金ではないものの、それと同等の価値を有していると僕が認識しているからです。例えばあなたが現金1万円を持っているとして、PayPay2万円分と交換してと言われると喜んで交換しますよね?それはPayPayというものが現金と同等の価値があるものだとあなたの中で認識されているからです。
ところが、スマホなど持たないお年寄りからすると交換を拒む人もいるのではないでしょうか?それはそのお年寄りからはPayPayは現金相当の価値があると認識されていないからです。
つまり、お金というものを定義しているのはモノではなく、互いに交換の媒体物として認識しているかどうかという、人の意識です。日本銀行が発行する通貨は、僕たちが昔から知っていて共通認識がある為に誰から見ても「お金」に見えるわけです。
良くわからずに「これをお金にしてやろう」という気持ちで作り出した、何の形も持たないデータを「なんとなくお金になりそうだなぁ」と良く分からない人が良く分からずに流通させ、それがある一定の信頼まで成り立ったもの、それがビットコインなどを代表とする仮想通貨なわけです。実態が無くても人が認識さえすれば何でも「お金」に成り得るのです。
「お金」というものの本質に迫るとすれば、現金こそがお金、という発想から抜け出すことが必要になってくるのかと思います。
3.「お金」は必要だがそのもの自体に縛られるな
最低限の生活をしていくうえで「お金」は必要です。たまに「お金はこれ以上必要ない」などと言っている人を見かけますが、僕はそういう人を「ああ、この人は自分のことしか考えられない人なんだろうなぁ」という目で見てしまいます(年収が既に数千万単位あるなら別です)。例えば家族が病気に晒されたり、介護が必要になったらどうでしょう。子供の夢の大きさも親の収入に比例します。「お金」で人の命が守れたり、自分の周囲の人を喜ばせることが出来るのです。
とここまでお金が大切であることを強調しました。確かに人が幸せな生活を送るうえで「お金」が必要になってきます。しかし、ここで分かっておいて欲しいことが一つあります。それは、
「お金」自体に価値はない
ということです。先ほどの章でも触れましたが「お金」なんてものは所詮、人の共通認識で成り立っているものなので、実態はただの紙切れと金属の塊です。
お金はモノや経験に変えてこそ初めて価値が生まれます。
僕は二十代の時に先輩経営者の方によく「貯金なんかするな」と教えていただきました。入ってきたお金は経験に投資して、自分の器を広げ、成長する為に使えと教えてもらいました。実際今から考えても、20代で貯金貯金、と我慢を重ねて生きていては幅広い経験は出来なかったと思います。加えて、この話を聞いている人の中には借金を嫌がる人もいるかと思います。誤解を恐れず言いますが、僕はドンドンすればいいと思っている人です。ただし、それが単なる消費ではなく将来に対する投資であればですが。お金を借りれば本来なら出来ないような経験が、先に出来るわけですからこんなにオイシイことはないかと思います。
将来何かあった時のために貯金が重要という意見の人もいます。しかしその考え方で行くと、入ってくる収入自体を増やしたほうが将来使えるお金も増えると思います。例えば月給20-30万円の人なら毎月自分の好きなことを我慢して5万の貯金が精いっぱいではないでしょうか(それでもだいぶ頑張っているほうですね)。毎月5万なら年間60万。何かあった時と言っても額が知れています。それよりも自分の視野を広げる為の旅行や様々なノウハウを手に入れるために使えば、将来的に数百万、数千万単位で自分に返ってきます。とにかく20代の期間をもっと大切にしてほしいと思います。
あなたの預金口座の金額は現時点で何の実態もないただのデータであり、下ろしてもただの紙切れです。今すぐ何か価値のあるものに使ってみてはいかがでしょうか。その後の糧となる価値のある経験を積んだり、将来的には「お金」も増やすことができる器を身に着けることが出来るかもしれません。
4.「お金」を稼ぐ方法より、「お金」を稼ぐ理由に拘る
誰もが「お金」を稼ぐためにすること、これが仕事です。仕事をする理由は、誰が何と言おうとたった一つ。「お金」を稼ぐためです。僕は仕事が好きという人はこの世の中に存在しないと思っています。いるとしたら、それは自分のことを良く分かっていない人です。そんな人が早く気づくべきなのは、
あなたは美容師という仕事が好きなわけではなく人を綺麗にして喜んでもらうことが好きだということです。
あなたは居酒屋を仕事にしたいわけではなく本当は美味しい食材を安く振舞って、人に喜んでもらうことが好きだということです。
あなたは似合わないお客さんに適当なことを言って服を売るよりも、本当に似合う人をオシャレにして喜んでもらうのが好きだということです。
これらは皆、別で収入があれば週に3回くらいの勤務で働きたいし、余計な営業活動などしたくないのではないでしょうか。本当にやりたいことはお金を払ってでもしたいことです。
僕の知り合いの方で月に一日しか開いていないカフェを経営している方がいます。まだ30前半でお若い方です。その一日は全て予約制で、めちゃくちゃ美味しいものを安く提供してくれています。その方はパティシエ出身なのですが、20代のときに別で収入を仕組み化させているのでそのカフェで儲けなくてもいいわけです。最近は「おむすびケーキ」などでも話題になっていますが、本当に面白い生き方をしている人です。
このようにあなたが拘るべきは「お金」を稼ぐ理由(=生き方)なのです。
知らず知らずのうちに、あなたはどうやって「お金」を稼ぐか(=仕事)に拘った生き方になっているのです。
5、「お金」の正体
今現在、殆どの人がしている生き方はこうです。
まず仕事を選ぶ。自分に興味があるか、合っているか、おもしろいか。そして仕事が決まると漏れなく自分が自由に使える時間や「お金」の枠が決まる。その決められた枠の中で「出来ること」をして生きていく。
例えば一般的なサラリーマンでいくと、年収400万で住める家に住み、年収400万で買える車に乗り、年収400万で出来る習い事を子供にさせ、土日休みで行ける旅行先に行き、土日休みで会える友達に会う。
残業が理由で友人との約束を断る、休みが取れなくて家族との時間が過ごせない。これはもはや友人や家族、やりたいことよりもお金稼ぎが優先の人生です。無意識のうちに「やりたいこと」を選んでいるようで、「出来ること」を選択している訳です。
あなたが一番大切にしたいものは何ですか?
これを考えてから、将来そうなる為に必要な「お金」の稼ぎ方(=仕事)をすればいいのです。結論「お金」の正体は、自分の人生を豊かにさせる為の一つの手段です。何度も言いますがそのもの自体になんの価値もありません。
一万円札も一円玉も重さは同じ1グラムです。
ぜひ「お金」に対する理解を深め、
「これでいい」という生き方ではなく「これがいい」という生き方を手に入れてみてはいかがでしょうか。
今日はこの辺にしたいと思います。
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