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情熱

時間を忘れるほど夢中になったり、後先考えず何でも出来たあの頃
それはもう遠い昔のように感じて、生きている今が惨めになる位だ

でもどの私でも共通で「死にたい」という気持ちは強く持っている

ある時は誰かに、またある時は趣味に、そして自分に
あれほど自由に確かな情熱を持って生きていた筈なのに

何にも期待せずとも、私は何処へでも行けた
泣こうが喚こうが、あの空気の匂いは感じていた
喧騒に呑まれても、この足で歩けた

乗り越え受け止めてきた過去を、何時から蔑ろにしていたんだろう

今から必死に生きて、何が残る?
そこに気力や情熱を注げる程の確実な未来は保証されていないのに

そう思っても同時に必死に生きてみたいとも思う
その先を少しだけ見たいから

独り寂しく死んでいくという事実に恐れをなしたのか

身体がズルズルと溶けていく醜い様を
貴方達に読ませている罪を赦して欲しい

本当は空っぽで、目の前にある記号に拘り、唯一それで繋がった気で居るだけではないだろうか?

私は 私は
何時だって誰にだって勿論自分にだって
無力だと思い続けてきた

誰かの力にもなれない自分に対して絶望した
自分が誰かの力になれると信じた自分を嘲笑った
思い上がりも甚だしい

何度も何度も、手が止まった
だって、気力も伝えたかったことも、それに対する情熱も
今は無い気がする

どうせぶつかり合いだ
誰にも届いていないのだろう
そうやって自分を憐れむ悲劇のヒロインだ

ねぇ、聴いたことがある?
目を背けずに見たことがある?
自分自身を、周りの人を
衝動を抑えるための月明かり
窓から見えた私の血
何をせずとも朝が来る無情さ
青い空と雲の隙間にある虚しさ
輪の中に居る孤独
誰にも言えない感情
桜が綺麗に舞う頃に感じる鈍い痛み
瓶に詰め込んだ私の血
綺麗な結晶と寝ずに過ごした日
何処へでも行ってほしかった自分
いつでも餌は其処にあるのに
嗚呼、私だったら良かったのにと
そして残された重みを知らず
放棄しようとする様

ねぇ、何処へ行く?
手当たり次第に背負って
私は 何処へ

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