シェア
かながわん
2016年10月16日 10:40
「華子、今年の誕生日プレゼントは何がいいんだ?」「うーん、またペットが欲しいかな?」「どんなのがいいんだい?」「ホスト風情のクセに粋がってるのがいて、コイツを服従させたら楽しそうなんだ、へへ」「おいおい、またかい。華子は好きだな、オラオラ系を苛めるのが」「オラオラ系でイケメンホストがいたら、そりゃアタシが食べちゃうでしょ、色んな意味で」「そういえば、去年の男はどうした?」
2016年10月16日 10:14
セクキャバ行った時に「ホストの知り合いがいる」っていう女のコがいたので紹介してもらい、取材と称して会ってみた。翔さん、翼クン、蓮司クンの3人と新宿のマックで落ち合う。普段接点がない人たちと会ったことで気圧されたワタシは、不思議な話を聞くきっかけがないまま、黙って3人の会話を聞いていた。しばらくはどうでもいい話だったが、モテ自慢が始まってから急に面白くなった。翼クンと蓮司クンがそれぞれ貰
2016年10月4日 17:00
M子さんは会社でも評判の美人だったが、美人過ぎるのも考えもので苦労が絶えなかった。爬虫類顔の脂ぎった中年部長にしつこく言い寄られ、いなすのに毎日神経を擦り減らしていた。再三の誘いにも全く靡(なび)かない彼女に業を煮やした部長は、可愛さ余って憎さ何とやらで、ある時、大したミスでもないのにM子さんをデスクの前に呼び出して大声で説教をし出した。フロアにいた50人近くの社員が、動きを止めて見守る中
2016年10月2日 14:11
Tさんには長年付き合った彼女がいた。結局、家柄の違いやらで泣く泣く別れて5年ほど経った頃の事。会社帰りの、自宅最寄りの駅。「反対側のホームに、彼女そっくりな人を見掛けたんです」一瞬声を掛けようかとも思ったが、咄嗟には上手く声が出なかった。そうこうするうちに反対側のホームに電車が来て、その女の人は見えなくなってしまった。「彼女は地元で銀行マンと結婚したって聞いていたし。こんな所にいるはず
2016年10月1日 18:22
「あれは未だに謎だよな」同窓会で何十年ぶりかに会ったケンケンが言うのを、周りの連中も頷きながら聞いている。小学生の頃、団地の空き地で野球をやるのが日課だった。あの日は雲一つなく、気持ち悪いぐらい青が強い空だった。水谷クンが打った黄色いゴムボールが高々と上がった。セカンドのケンケンが「オーライ」と構える。・・・・・ボールはいつまでたっても落ちて来なかった。青空の一点に張り
2016年9月28日 00:10
これはワタシの話。埼玉で商売をやっている親戚がいて、子供の頃、頻繁に家族で遊びに行った。母の兄にあたる叔父さんは3階建ての自社ビルを持つほど成功していて、1階がお店兼リビングで、2階から上が住まい。何よりも屋上があったことが珍しく、遊びに行くとワタシは必ず屋上に行ったものだ。叔父さんは兎に角、熱帯魚が好きだった。子供がいない分、魚に愛情を注いでいるんだと自虐的に笑って話していた。家のい
2016年9月22日 11:33
Kさんはベテランのサーファー。白髪交じりのオールバックのチョイ悪親父である。「不思議な話? そうねぇ、サーフィン始めたばかりの頃、妙なことが一回あったかな」バランスを崩して後ろに倒れたら、何かヌルッとしたものに乗っかり、そのまま浜まで着いたという。「巨大なエイなのかもしれないけど。未だに何なのかは分からないんだよね」マンタがたまたま神奈川の海岸にいたんだろうか…地球温暖化?
2016年9月11日 12:16
「会いたいです。お金はいりません。血液関節切除脱脂綿裂傷骨膜体温死腔眼球ブローカ野痰脾臓吃逆粘膜遊走潜血大便水晶体メバロン酸欠損傍皮質歯茎膿盆脳漿HDF輸血嗜眠多形紅斑疝痛腸弛緩髄液腰椎穿刺オストミー霧視椅座位組織粥腫嗜好解剖腫瘤凝固脊髄浮腫眼振ケリー鉗子摂取咽頭肉肉肉肉にく全て愛します愛します愛します愛します愛します愛します愛します愛します…」
2016年9月11日 10:23
Dさんは妻子ある40代の男性。ふとした遊び心で出会い系のサイトにはまった時のことを話し出した。「出会う気もないし、冷やかし程度で始めたんですけどね」明らかにサクラと思われる、若くて可愛いコたちからのメール攻勢に最初はテンションも上がったが、どれも金目当ての援助交際目的と分かると興覚めしたという。「少ない小遣いで会えるわけもないし、病気も怖いですし」それでも惰性でプロフィール写真を見
2016年9月8日 08:13
ワタシが不思議な話は無いかと尋ねると、アルバイトのNさんが「微妙な話でもいいんですか?」とポツリポツリと話し始めた。中学の時Nさんは水泳部に所属していたのだが、W君という変わった男子部員がいた。そのW君、水泳部なのにカナヅチだったのだ。最初は先輩たちが泳げるように指導していたが、一向に泳げるようにならない。大会が近付いたりなんだかんだで、だんだんと誰もW君に構わなくなってしまった。
2016年9月4日 07:16
私には特殊能力がある。ルールが改正される前に限定はするが、軟式テニス部だった人と会った時、前衛か後衛か100%当てることが出来る。背の高さ、動きなども参考にはするが、基本的には会った瞬間に分かる。今まで外したことが無い。多分、中学高校と6年間やっていたからだろうが。そのことを少し自慢げに話していると、Eさんという三十路の女性が話に割り込んできた。「私の知り合いには、顔見ただけで乗っ
2016年9月2日 20:37
「社長がとにかく嫌な奴だったんで」A君はしかめっ面を大袈裟に作った。シロアリ駆除の会社で飛び込みの営業をやっていたが、ノルマが相当にきつくて、入った社員も半年もつ者の方が少なかった。「契約を取れなかった人間は朝礼でネチネチとイビられるんですよ、給料泥棒だとか人間の屑だとか…ホント、お前が駆除されろって毎日思ってました」仕事も極めてブラックだった。老人を騙して高額な床下換気扇を取り付けた
2016年8月7日 13:48
悪友のSが酔った勢いで語った話。「うちの家、そこそこ庭が広いこともあってさ、婆ちゃんがずっと家庭菜園やってたんだけど」ある年、採れるニンジンがほとんど二股で、まるで男性の下半身みたいなのばかりだったことがあったそうだ。別にどこかに出荷するわけでもなく、家で食べるからいいのだが、婆ちゃんはもちろん、他の家族も気味悪がった。「そんな中、俺だけは心当たりがあってさ」当時Sは高校生。恥
2016年8月4日 08:28
「小学校低学年の頃だったかな、周りと上手く合わせられなくて・・・」Mさんは友達も作れず浮いた存在だったと話す。当時クラスに陰気な男の子がいて、仕方なく彼とつるんでいた。「名前は確か古川だったかな、とにかくお地蔵さんみたいな顔の奴だった」子供なのに落ち着いた、低い声で話す子供だったという。 ある日、古川に「家に来ないか」と誘われた。古い団地。親はいなかった。部屋に入ってMさんはビ