マガジンのカバー画像

意識「他界」系

100
犯人は伝説上の怪物? 謎の通り魔殺人事件の真相は、とある禁書が関わり出したことによって予期せぬ大惨事に…伝奇ホラー。
運営しているクリエイター

#伝奇アクション

意識「他界」系 その31

意識「他界」系 その31

結婚して20年の女房に何の文句も無い。ただ、自分の性癖をストレートにぶつけるのことは「今更過ぎて」出来なかった。そんな時出会ったのがシングルマザーの長谷川良枝だった。46歳の杉山敏夫からみれば、34歳の良枝は充分に若く、大人しい伴侶とは正反対に性に対して貪欲だった。

「今度さぁ、軽いSMプレイやってみない?」行きつけのスナックで知り合って男女の仲になって1か月。普通のプレイでは物足りなくなってい

もっとみる
意識「他界」系 その30

意識「他界」系 その30

最初から違和感だらけの部屋だった。脱ぎ散らかした衣類やゴミの散乱する廊下。それを抜けて通されたリビングも足の踏み場がないほど散らかっていた。唯一片付いていた茶色いソファベッドの上には、ピンク色のバイブレーターが無造作に置いてあった。それを見られても部屋の住人、細貝法子は気にしていない様子だった。

「どうぞ、ベランダ使ってください」女にそう言われ、窓の下に干してある洗濯物を暖簾のように手で避け、左

もっとみる
意識「他界」系 その25

意識「他界」系 その25

結局のところ、喧嘩の勝敗は場数の差で決まる。場数を踏めば踏むほど、相手・状況・自分のコンディションを瞬時に判断し、ベストな動きが出来る。

竜崎は一瞬で間合いを詰めると、手加減の無い下段蹴りをその太った女に見舞った。女は掴んでいたヤンキーを放り捨てると、竜崎の方に向き直った。左回りに首をゆっくり回してから両腕を突き出し突進してきた。

気合いもろとも竜崎は、前に出していた左手を後ろに勢いよく引いた

もっとみる