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【インプット】最高の結果を出すKPI実践ノート
【この本をインプットする目的】
・クライアントに「KPIを考えるように」を提示し、先方でKPIを作成してもらいたい
その為に体系的で分かりやすいKPIの説明資料を他社事例なども交え作りたい。
【この本を読んだ後に思いたい感想】
なるほどこのように伝えたら先方はKPIの設計がイメージ付きやすいだろう
→提案資料に横展させたい
【読んだうえでの感想】
CSFを考える上で一度ユーザーの動きを図示させた方がイメージつきやすいと思った
その上でボトルネックだとおもうところのデータ出しをやってあげてCSFを決めていけば進みやすいのかなと思った
ユーザーの動きを図示させて類似業界のMAX値と比較し、乖離している分を伸びしろと見定めてどこまでポテンシャルが伸ばせるか見極めるのは今後もやっていった方が良い
KPIを変えるか否かに関して、KPIはCSFと密接に関係していてCSFが達成していた場合は弱点が補われているので次のCSFを探す→結果KPIが変わるというのは腹落ちした。
KPIマネジメント実践表を基にチャレンジしてみる
●:章単位
★:章の中のアジェンダ単位
■:アジェンダの中のサブカテゴリ単位
★KPIの定義をおさらい
KPI(Key Performance Indicator)の3つの頭文字をとったもの
Key PerformanceとIndicatorの2つに分けると意味が分かりやすい
①Key Performance=事業成功の鍵
②Indicator=数値あるいは数値目標
「事業成功の鍵」が何なのか明確にし、「数値目標」として設定するのがKPI
この事業成功の鍵はCSF(=KSF)とも呼ぶ
●重要な主役は4つ
KPIマネジメントするのにKPIとCSFに加えてGoalとKGIがある
Goalは「事業のゴール」KGIは「事業のゴール数値目標」
一般的には期末や3年後の「利益〇億円」などの目標が設定される
主役としてはGoal、KGI、KPI、CSFの4つが主役
事業の最終ゴールの数値目標であるKGIを達成する為の鍵がCSFであり
それを数値目標にしたものがKPIという関係になる
●なぜこんな当たり前の事書いているのか
KPIマネジメントとはKPI数値からKGIの見込みを予測し、対策を講じる事
KPI数値がよければ問題ないが、悪ければ対策を講じる必要がある。
その為にはKPIはKGIの「先行指標」である必要がある
●先行指標とは?
事前に分かる指標
1年後の期末時点の利益がKGIである場合、期初数か月目のKPI数値で、
期末時点の利益が予測できる。早く分かれば分かるほど対策に充てる時間を生み出せる
■KPIは「信号」なので「1つ」でなければならない
KPIは交差点の信号に例えるとイメージしやすい
交差点に入る前に赤信号か変わらないと交通事故になるかもしれない。
KPIも同じ、事前に分かる必要がある。
■一番弱い箇所を強化するのがKPIマネジメント
KPIマネジメントは制約条件理論に基づいて実施していく
制約条件理論はビジネス活動の最も弱い箇所に着目し、そこを強化するという考え方。
弱い箇所が強くなれば、次に弱いところを強化し、順々に弱い箇所をなくしていく
その時に一番弱い箇所こそがCSFである
交差点の信号は誰もが知っているルールであるように
KPIマネジメントも本来みな共通して知るべきルールである
★Day1 MC4確認のためのワークショップ
4つの主役を確認するワークショップを行う
●やってみるとわかる「Goal」「KGI」の不統一
KPIマネジメントの主役はGoal、KGI、CSF、KPIの4つ
主役が4つのなのでMC4(Mani Character 4の略)と呼んでいる
これをワークショップする
①個人ワーク
②グループ共有
③グループ対話
④確定
⑤全体共有
⑥全体対話
⑦確定
MC4の最初の2つである「Goal」と「KGI」は旅行でいうところの
目的地や予算や日程などにあたる。ここがずれていると参加者は目的地に到着できない
■Goalの構成要素
期間、対象、内容の3つから構成
期間→3か年、今期、半期、四半期、今月
対象→全社、事業、自組織
内容→売上、利益(営業利益、経常利益、税前利益、税後利益)
★Day2 KPIマネジメントのステップ
著者が企業から相談受ける場合は、「業績拡大」あるいは「新規事業立ち上げ」というケースがよくある
この相談がKPIマネジメントを導入することになるケースがある。
↓
業績拡大や新規事業立ち上げのワークショップの冒頭に参加者へ以下の質問をします。
「あなたは、ある事業の成長シナリオを描くことになりました。どのような手順でシナリオを作りますか?」
このようなステップが考えられる
①現状把握
②解釈
③介入
↓
①現状把握=見立てる
②解釈=仕立てる
③介入=動かす
●①現状把握=見立てる
対象事業のビジネスプロセスの中で最も弱い箇所=強化すべき箇所を特定する
これはMCFのCSFを特定する作業。
●②解釈=仕立てる
①で見つけたCSFを「どうやって」「どれくらい強化」するのかというのが解釈
●③介入=動かす
介入とは現場に動いてもらうです。「介入」という言葉を使っているのは現場の視点を持つためです。
現場は現場最適で日々活動している中で新しいことをしてもらうことは「介入される感覚」だと思った方が良い
■3つのステップを進める上での注意点
意識すべきはそれぞれのステップを検討している時に
「次のステップを考慮しない」ということ
「現状把握」している時に「解釈」をしない
「現状把握」しながらつい「できるorできない」を考えだしCSFを探す際に
選択肢を広げきれないことがある。
あるいは「解釈」している時に、現場への「介入」を意識しない。
現場の「できる」「できない」に引っ張られすぎて、同じく選択肢が狭くなっていくケースがある。
■3つのステップの前後にするべきことは「振り返り」
⓪Goalを確認=KGI Goalの「G」
①現状把握(見立てる)=CSF ①+②Preの「P」
②解釈(仕立てる)=KPI
③介入(現場を動かす)③Onの「O」
④振り返り ④Postの「P」
でG-POPと呼ぶ
MC4のうち、みな見つけるのが難しいのがCSFである
★CSFの見つけ方と事例
制約条件理論(TOC=Theory of Constraints)で説明すると理解できるようになる
こいつはKPIマネジメントにも、プロジェクトマネジメントでも使える
予算管理や時間管理でも役立つ応用範囲の広い理論
理解するのにあたり2つのたとえ話をする
●CSFのたとえ話2選
①ネックレスの話
②工場の組み立てラインの話
Q1.ネックレスを引っ張るとどこが切れるのか?
正解は一番弱いところ(留め金のところとかペンダントトップの部分と回答する人もいる)
一番弱いところを直したら次引っ張ったらどこが切れるか
→次に弱いところ
そして順番に弱いところを発見し全ての箇所で強くなればネックレスは強くなる
これが最もシンプルに制約条件理論を理解する為のメタファー(たとえ話)です。
このメタファーから3つの法則が見て取れる
①CSFは強化するとネックレスは強くなる
②CSFは移動する
③CSFは順番に強化し続けるとネックレスは切れなくなる
Q2組み立てラインの1時間あたりの生産能力は何台か?
組み立て機械A:50台/1h
組み立て機械B:20台/1h
組み立て機械C:40台/1h
答えは20台。いかに組み立て機械AとCが1hあたりの生産能力が高かったとしても
組み立て機械Bが1hで20台なので結果として20台しか製造できない
この場合、組立機械Bが「制約条件」になり、全体の生産性を決定していく
つまりBが最も弱いところであり、CSFにあたる。
■Q2で組立ラインの生産性を1hあたり35台にするためにはどうしたらよいか?
もし組立機械Bを1hあたり20→35に増やしたければ旧型のBが倉庫に眠っているなら
平行かどうすれば+15が目指せるかもしれない
ただそうなると新旧のBを扱うオペレータをどう配置すればよいか考える必要が出てくる
自分が工場長だったらどの選択を取るか
①新規採用する
②組立機械Bの作業員に頑張ってもらう
③組立機械A、Cの作業員から異動してもらう
→前提条件は色々あるが、③が妥当解と言える
・なぜ③か
一般的に生産ラインは組み立て機械の生産能力に合わせて人員を配置している
つまりAが50、Cが40ということ35に対して余剰人員を配置している可能性がある
①は採用コストも人件費もかかる。②はBの担当者への負担が重い
■たとえ話から何がいいたいか?
ここで言いたいのは、一番生産能力の低いところを特定する、これがCSFにあたる
そしてGoalから逆算すればKPIを計算できる
今回であれば、必要な作業員などがそれにあたる。それを制約条件でない部分(AとC)が支援している
ネックレスのメタファーも同様に切れやすいと想像する。その部分がCSF
●制約条件が減ると業績があがる
組織の弱いところをチェックするにはどうしたらよいか?
弱い組織の定義は
新メンバーがいる組織(新人、異動、転職)。情報が限られている組織(契約社員、派遣、業務委託)
このような場合、それ以外が守れば組織全体が強くなる。制約条件が減れば生産性が高まる
弱さを見せあえる組織は強く、イケていない組織は周囲が弱いこと、困っている事を話すと「自分たちでガンバレ!」といったりいじめるところ
●CSFの具体的な見つけ方
CSFを見つける為の具体的な方法を説明
①ビジネスプロセスの図示
②そのプロセスの中でどこが弱いのかを見つける=CSF
文章にすると、この2つ
このプロセスを複雑に最初から図示する必要はない。
目的はCSFを見つけることなのでビジネスプロセスの大きな流れの中で
弱い箇所を見つけてその箇所だけさらに精緻に分析すればよい
●サブスクリプションモデルの例
※図11参照
最初にめちゃざっくりどのようにユーザーが行動するのかを書く
次に売り上げやコストを式として表現し、それを元に仮説を立てて、データを確認しする
サブスクビジネスの売上は
売上=会員数×継続月数×月会費
と表現できる
会員数は「入会ー退会数」の差分。継続月数は「退会数」を減らすことで大きくできる
コスト側も式にできる
コスト=集客費+人件費+システム費+店舗費+他
↓
売上の各項目は増加させたいが、コスト側の各項目は減少させたい。二律背反(にりつはいはん)問題が起きる
新規会員数を増やす為には集客費を増やさないといけない。コストの中では集客費は数少ない変動費なので
利益が難しい場合は減少させたい
売上ーコストが利益だからこの中でどの項目が自分たちで変化させられる「変数」つまり「変動費」なのか考えます。
「会員制ビジネス」では退会数を減らすことが鉄則。「会員数」は「入会数」ー「退会数」の差分
継続月数は「退会数」を減らすことで大きく影響する
「退会」データと「入会」データでどのような属性が該当するのか現状把握するのと
現場のハイパフォーマーとミドルパフォーマー(これで見ると多分めっちゃコンテンツ見たりする人or普通くらいの人)
で比較すると良き
●最重要ではなく、プロセスが弱いと表現する理由
CSFが分かった後に、現場に「介入」する際のポイントを記載
著者は以前はCSFを「最重要プロセス」と呼んでいたが、
最重要という言葉のニュアンスから他が重要じゃないと感じる人が多いことに気づいたそう
そこで最近は重要と表現するより「弱い」だと納得しやすかったらしい
★ケーススタディから学ぶKPIマネジメント事例集
●事例①成約課金型ビジネス
同社アドバイザーが個人顧客と企業顧客をマッチングさせる
個人顧客と企業顧客とで商談が成立した場合、企業顧客から広告料をもらう。
売上はマッチング後、平均して半年後に計上
■現状把握「CSF」の特定
時系列でみると「集客」→「相談」→「企業紹介」→「個別商談」→「契約」となる
どこを変化させられるかが肝
個人相談のところは個人顧客と企業顧客が文字通り商談する為、間接的な支援しかできない
直接関与できるのは「集客」「相談」「企業紹介」の3つ
■「集客」を増やした場合
現在の「集客」から「契約」までのCVRが低いなら「相談」に対応するアドバイザーの人員増加も必要
利益も圧迫しかねないからなし
■「相談」を増やせばよいか
一般的には「集客」を増やさないと「相談はふえない」
「集客」は一般的に口コミふやしたり広告打ったりと本部でやるのが主流だが
一度「相談」の予約が入ったがキャンセルした人に再度連絡することは現場でやることができる
これは可能性がある
■企業紹介を増やすのがよいか
アドバイザーの「紹介力」にも依存するため教育・研修など費用が掛かるかもしれない
しかし、「企業紹介」は「相談」したものの「紹介」までできなかった人に再アプローチをかけれるため
一度相談している方ですしアプローチしやすい
→「企業紹介」が最も効果的だと予測がつく
■シュミレーションを数値に
「企業紹介」→「個別相談」のCVRの上限値を探る
ベストプラクティス(=見本となる事例)とTTP(徹底的にパクる)が良い
「個人顧客」と「企業顧客」をマッチングさせるビジネスなら「人材紹介」「人材派遣」「保険紹介」「結婚式場予約」が類似
類似業界の限界値からマックス値を想定する
現在の数値と限界値の重なるポイントを理論値として置く
■介入現場に動いてもらう為には
Goalとして掲げるものが大きすぎると現場はわくわくしない。
数字を現場にとってなじみのある言葉や単位に置き換えてコミュニケーションをとることが重要
●事例⑤自動車販売会社
外車を輸入するインポーター
自動車を製造する会社と販売するディーラーの間で日本の市場の業績を最大化することが事業目的
同業他社であるインポーターの顧客を分析したところ
同社と同業他社の顧客は同じ程度の年収
なのに同社の車の平均単価は同業他社と比べると2割以上やすい。このデータから単価を大幅に向上させる可能性がある
↓
同社が同業他社と同レベルの来るの平均単価にでき、台数も維持できれば売上は大幅に向上する
Pre1 現状把握CSF特定
同社の車販売の価格が安い理由は複数の要因があった
安心・安全が会社のイメージで最高の安全装備が装着されている。
しかしグレードが低いモデルでは安全整備がオプションになっていた。
結果競合他社と比べて値引き販売を強いられていた
グレードが低いモデルを値引きして販売するしかも同社自慢の最高の安全装備がついていない
→ブランドイメージが毀損してしまう
↓
ここでインポーターとして商品を変える権限はない。メーカーじゃないし
↓
だからたとえば
低いグレードのモデルを販売しない
あるいは低グレードのモデルも必ず最高の安全装備のオプションを付加して販売する
など選択肢もある。
↓
同社ユーザー100人の内6人が1年で同社製品を買い替えてくれる
自動車は売り切り商品が一般的。顧客接点が少ないと容易にブランドスイッチが起きる
↓
ヒントは「自動車の高機能化」使いこなせるユーザーも少なくありません。
使いこなせないことで貯まる小さな不満を早期につぶしておけば同社の満足度が高くなるはず
↓
点検数を増やす
待ち時間に小さな不満をヒアリングし解消する
↓
ローンの支払いを終えたタイミングで営業すると、通常の営業と比較して成約率が高い
→でも現金で購入するもしくは銀行ローンで購入する顧客は買い替えタイミングが読めない
↓
現場のエンジニアに説明+リース期間中の補填を充実させたリースプログラムを作成
★KPIマネジメントの体制と進め方
●管理会計としてのKPIマネジメント
「会計」とは「財務会計」と「管理会計」の2つがある
「財務会計」は、企業外部の利害関係者への情報提供を目的としている(PLとかBS)
「管理会計」は、決まりが無く自由に作成してよい。経営者の意思決定を目的にしている
●KPIマネジメントは経営者にとって羅針盤
このまま経営を行っていたら、企業外部の利害関係者に訳した財務目標の数値を達成できるかどうかが知りたい。
KPIマネジメントの1つの側面は、「経営者が判断をするもの」という要素
●KPIマネジメントは全従業員のもの
全従業員がKPI数値を常に意識できる状況を作る
★KPIマネジメント実践シート
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