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女性誌のクリスマス商戦。

「働く私のモチベは『ジュエリー』に向かってる」


とある日。
美容院の中で、タブレットを使って色々な雑誌の表紙を見ていたらこんな一言が目についた。

「働くモチベ」が「ジュエリー」

あぁ、なんて力強い話なのだろう。

一体何の雑誌かと言えば、「oggi」である。

確かに、私の知人の30代女性(独身)も2桁万円の時計か、3桁万円の時計か…とスマホで写真を見比べながらキャッキャしていた。


それにしても。
私が独身だった頃の女性誌とは雲泥の差である。


12月号と言えば


20代前半の頃、CanCamを買っていた。
その当時の12月号の「ジュエリー特集」と言えば「おねだりジュエリー」と書かれていた記憶がある。

ネットを必死に探してみたら表紙画像が見つかった。←必死になるな(笑)

2023年12月号

右下の方に小さく書いてある事にお気づきだろうか?

「HappyXmas おねだりリスト」

こちらのインタビューページに24年の表紙画像も掲載されているけど、24年も「おねだりリスト」と書かれている。

一番大きな特集も

2023年が「めちゃモテ デートスタイル」
2024年が「冬の本命 デートスタイル」


ファッション誌と言いつつも、ファッションもジュエリーも「恋愛」があってこそ成り立つ様な世界観がある。


因みに、2024年12月のCanCamを検索してみたら特集は
「欲しいのは今日から6ヵ月着られる服」となっており、コスパ重視路線だった。


価値観の洗脳?


今なら、雑誌の特集を見ても「消費行動を喚起させるのが雑誌の仕事だよね」位にしか思わない。

でも、2003年~2005年位の「エビちゃん現象」時代のCanCamを改めて思い出してみると「価値観」を植え付けられていた様な気がしてきた。

当時の人気企画に「エビちゃんOL 7着で着回し 1ヵ月コーデ」みたいなモノがあった。

この「1ヵ月コーデ」に登場するOLの生活は大体メチャクチャだ。

・年齢は23歳とか24歳位。
・彼氏あり。
・「彼氏が残業続きで会えない」とか「彼が他の女性と歩いていた」とか「職場の先輩にデートに誘われた」とか、何かしらの恋愛トラブルがある。
・ほぼ毎日定時で退勤して、ショッピング・映画・デート・食事などを謳歌している。

そもそも23歳とか24歳では、入社1~2年目なのでそこまで収入が高くなさそうなのに、毎日の様にお金を使っている。

そして毎日定時退勤して、そこまで大きな仕事をする事もなさそうなのに
「今日は大事なプレゼン、気合を入れてパンツスタイル!」等と、急に「大事な仕事」を任されていたりする。

流石に当時の私も「20代前半で1人でプレゼンを担当する女性ってどんな人?」と、毎回突っ込んでいた(笑)

必ず1ヵ月に1回位「仕事も頑張ってる」というシーンが出てくるのだ。

それでも、30日とか31日とか月末になると
「彼氏と旅行へ出発!」とか「プロポーズされた」等、「彼氏ありき」の予定で締めくくられていた。


最近、少子化が話題である。

少子化のニュースには必ず「未婚化」「晩婚化」等が書かれている。
確かに、価値観は多様化しているし実際にその通りだと思う。

そもそも「恋愛が面倒」とか異性と付き合う事に対して前向きではない声も沢山聞こえてくる。

でも、もしも今世の中に出回っている雑誌やSNSが2003年のCanCamの様に
彼氏がいてこそ成り立つ世界観」を発し続けたら、何か変化が起きるかも?

それとも、そういう世界観を出す事が拒絶を生む??


いずれにしても。
昭和の時代に「女性はクリスマスケーキ」と呼ばれていた事にドン引きした様に、令和の20代から見ると平成の「彼氏ありき」な価値観もドン引きされる対象なのだろう。

旧世代だな(笑)

〈あとがき〉
そもそもoggiは30代の働く女性向けの雑誌なので、路線が違う事は当然なのですが💦
2003年12月号を調べてみたら「ジュエリー」は表紙には特に書かれておらず「通勤服特集」でした。
(全体的にサッパリして地味な印象の表紙だった)

雑誌が売れなくなったと言われるようになって久しいですが、未だに大量のファッション誌が書店には並んでいて、驚きます。
一体誰が買うんだろう?
それにしても、あの頃のCanCamは凄かったな。
職場の独身男性もCanCamを買ってエビちゃんを切り抜いてデスクに飾っていた思い出(笑)

今日も有難うございました。




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