マインドフルネスと猫のいる生活 18
17で父の脳梗塞に触れましたが、別にぶっ倒れて救急車、というわけではなかったのです。ある朝、言葉が少しおかしいことに気づいて、「とにかく医者に行こう」と言ったのですが、本人は大丈夫と譲りませんでした。
しかし、午後になって益々言語が不明瞭になりました。ろれつが回らないというより、単語が出てこないようで、会話が成り立たないのです。もう、強制的にかかりつけの診療所に連れて行きました。89歳ですから、何があってもおかしくない。
父は、待合室で雑誌を読もうとしていたのですが、内容がまったく頭に入って来ない、とつぶやきました。
簡単な問診の後、脳梗塞を疑った主治医さんが、あちこちの病院に連絡を取ってくれました。しかし、折しもコロナ第二波真っただ中。なかなか検査してくれるところが見つかりません。救急を呼ぼうかと思っていたところ、ようやく受け入れてくれる病院が見つかりました。
タクシーで駆け付け、緊急検査。結果はやはり脳梗塞。その場で入院が決まりました。とはいえ、感染予防のため、面会は謝絶です。
医者によると、言語中枢を司る部分の血管が詰まっていて、年齢的にも手術はできないので、点滴で処置するとのことでした。
比較的軽症とはいえ、今後どうなるかは分かりません。退院したとしても、リハビリが必要になるだろうし、もう以前のように会話を交わすことは難しいだろうといわれました。面会謝絶ですから、リアルタイムで様子を確認することもままなりません。
それでわたしが何をしたかと言えば、二匹目のネコを飼いました。写真のレイちゃん(♀十か月)です。
以前から、ミーちゃん一匹だと寂しそうだって思ってましたし、二匹のネコが家の中でばたばたしていた方が愉快で、父のリハビリにも好影響を与えるのではないかと思ったのです。
いたずら盛りの大型ネコ(二匹とも4キロ以上あります)と、脳梗塞の父親、耳が遠くなり、膝痛からあまり歩けなくなった88歳の母を抱え、大変ではあったのですが、不思議と心は穏やかでした。死ぬ思いをした病気と闘っていた時と同じです。どうも人間というのは、危機を迎えると、自然とマインドフルな精神状態になるようです。
不幸中の幸いと言いましょうか、父はさしたる後遺症がないまま退院できました。三週間近く入院していましたが、後半は脳梗塞というより、腸炎の治療を受けていたようです。父は、腹が痛くなったのは、まず過ぎる病院食のせいだ、と憤っておりました。その証拠に、家に帰ってきたら、腹痛がピタリと止んだそうです。
体力は衰えましたが、身の回りの世話は一人で充分できる父に、特段のケアは必要ありません。家に戻った父は、レイちゃんを見て、「美人だな~」と眉尻を下げました。
ほっと胸を撫で下ろすと、不思議なもので、ふたたびわたしの「うつ」が再発しました。
危機に陥った状態(自分または身内の病気等)
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ある種の開き直りのおかげか、うつが消え、脳内麻薬が流れているような、穏やかでマインドフルな精神状態になる。強い心。
通常の状態
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慢性的なうつ。悩んでもしょうがない、あらゆる不安に苛まれる。まったく集中できないマインドレスな精神状態。弱い心。
これ、まるでアホみたいですね。
そんな時、マインドフルネスに出会いました。( *´艸`)