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窓辺からの眺め

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窓辺からの眺め#20

窓辺からの眺め#20

体育祭が近づいてきて、その日のためにどんな練習をしようか、何をやろうかと考えるとドキドキが止まらない。みんなと一緒になって何かを達成するために一生懸命なる、その瞬間が楽しみだ。体育祭の楽しみは、ただ競争するだけじゃない。全校生徒が一つになって何かを成し遂げる、それこそが最高の瞬間なんだ。

そして、私にとって体育祭は自分自身を見つめ直す機会でもある。この瞬間だけは、何も考えずに全力で走れる。自分自

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窓辺からの眺め#19

窓辺からの眺め#19

それが何だか、彼と話すたびに心の中に生まれる違和感。彼の視線の焦点がどこかずれているような、言葉に力がないような、でもそれが何なのかを、彼女自身が明確に説明することはできない。それはただ、彼の中に何かが変わり始めていることを彼女は感じている。

自分自身に問いかける。美月は何がしたいのだろう、何を感じているのだろう。普通に会話をすること、普通に笑い合うこと、それらが当たり前のようにできていた日々が

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窓辺からの眺め#18

窓辺からの眺め#18

土砂降りになってくれればサッカーは出来なくなるし校内でのトレーニングだったり体育館でのフットサルをしたりと諦めがつくのだけれどもこうポツポツ降りだど雨に濡れながらの練習になるのはちょっと面倒。いや、ちょっとと思っているけれどもそんなことなくて結構。こんなはっきりしないのはどんなことでも嫌なもんかな。

不思議なものだ、晴れた日も雨の日も、風が強い日も静かな日も、彼女の存在が意識の隅にある。それは友

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窓辺からの眺め#17 〜 梅雨 〜

窓辺からの眺め#17 〜 梅雨 〜

雨の続く季節が日本にはあるのは仕方ないにしてもこのようにファッションにまで影響してくるこの季節がなぜあるのかと毎年嫌になる。特別自分がオシャレでもないのは分かっているけれども身だしなみとしてはきちんとしているつもり。

髪のセットがうまくいかないとかじゃなくっていつもより髪を解くのに時間がかかったり少し膨れたりする程度ではあるんだけどもそれがなかなか面倒。その面倒な感じが最近の自分をさらにイライラ

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窓辺からの眺め#16

窓辺からの眺め#16

美月はその夜、眠りにつく前にスマホの画面を見つめながら大翔の名前をタップした。一緒に過ごす時間が増えて、クラスメイトとしてだけでなく、もっと個人的な存在として彼を意識するようになったからだ。でも、メッセージの何を書けばいいのか、どのように伝えたらいいのか分からない。

そんなことを思いながら画面に指を這わせて、「こんばんは」とだけ打ち込んでみた。でも、その言葉が短すぎる気がしてすぐに消した。そして

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窓辺からの眺め#15

窓辺からの眺め#15

二年生にもなると学校内の懐かしいとか意外とここ行ったことないなとかそんな場所がある。教室だったり校庭だったり部室だったり。でも、16年以上美月として生きているけれどもこれは懐かしいって気分ではないかな。

初めましてと言う感じであってあの気持ちよりも強いとか類似しているものが少ない。いや、ない。 嫉妬、好き、嫌い、あそこをこうして欲しい、もっと話したい、いろいろな感情がごちゃまぜになっているのがわ

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窓辺からの眺め#14

窓辺からの眺め#14

少し前までは大翔は気さくに話しかけてくれていた。ううん、今でも変わらず声をかけてくれているんだけれども楽しく話しかけてくれているんだけども考え込んでいるのかどうも上の空な時を遠目で見た時に感じる。そんなにあの・・えっとそう美月さんとちょっと話しては一瞬物思いに耽るのか一瞬だけ存在感が薄くなって違う世界のことを考えているような大翔になっている。

私は大翔を好きなんだと気が付いてからはいつも通りに接

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窓辺からの眺め#13

窓辺からの眺め#13

大翔は自宅の前まで来ると一息ついた。まだまだ誰にも話していない自分の気持ちについて、一人で考える時間が必要だと感じていた。そんな中、彼のスマホが振動し、通知音が鳴った。メッセージは紗綾からだった。「大翔、最近どう?なんか変じゃない?」紗綾は学校での大翔の様子が普段と少し違うことを察知していたようだった。

そのメッセージを見て、大翔は少しだけ胸が締め付けられる感じがした。やっぱり、自分の変化は周囲

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窓辺からの眺め#12

窓辺からの眺め#12

あんな緊張されたんだから嫌われているんだろうなと落ち込んだ。そう自覚している自分に少しだけ驚きを隠せない。最近モヤモヤしてる何かがあるなと思っていたがはっきり分かった。何かの気持ちを美月に持っていると。

でも、その気持ちに名前がまだ付いていない。

どうしたらいいかわからないけどサッカーに影響があるのもよくないなと思う。そんな事思いながらサッカーボールを何気なく蹴りつつ夕日の下帰っている。

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窓辺からの眺め#11

夜が更けて部屋の明かりだけが静かな部屋を照らす。明日も学校がある。しかし、ベッドに横になっても、眠りが訪れる気配はない。頭の中で一つの名前が繰り返し呼ばれている。「大翔」。名前を一つずつ口に出すたびに、その人物の存在が現実のものとして強く感じられて、心臓がきゅっと締め付けられるような感覚に襲われる。

そんな彼の存在が、毎日の生活を一変させていく。それまでの日常が何か色褪せたように感じられ、彼との

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窓辺からの眺め#10

窓辺からの眺め#10

美月は部活に向かう大翔の後ろ姿を見つめていた。彼女の目には寂しさもあったが、それとは少し違う、名前のつけようのない感情が宿っていた。自分も帰ろうと階段を降りて行くと、まだ笑い声を上げている大翔と鉢合わせした。男同士の楽しげな会話に、美月の心はほんのりと刺激され、苦々しさを感じた。そしてその瞬間、自分がどれだけ緊張しているかに気付き、その矛盾に思わず苦笑いした。大翔の悪いところを挙げるとすれば、それ

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窓辺からの眺め#9

窓辺からの眺め#9

「大翔~部活行こうぜー。」尚也の声が聞こえる。俺は反応するのにワンテンポ遅れてしまった。何となく表情を作るのも難しいくらい、何だか気持ちが他の何かに引っ張られている感じがする。体調が悪いわけでもないのに、普段であれば何も考えずにできるはずのことにもどこか頭を使ってしまっているような、そんな感じだ。

「大会も近くなって来たから気合入れないとな」と無理に笑顔を作って尚也に返事をすると、部室に向かった

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窓辺からの眺め#8

窓辺からの眺め#8

俺の心情は穏やかではなかった。平然と振舞っていたけど、見破られていないか心配になるほど、自分の心の中は通常運転じゃなくフルスロットルな鼓動を感じていたからだ。幸い、美月は俺の表情をじっと見つめてないから、きっと気づいてないだろう。そう思いたい。

最近になって、美月が俺の心にどんな影響を与えているのかに気づき始めていた。以前はただのクラスメイトだった彼女が、いつの間にか俺の心の中で大きな存在になっ

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窓辺からの眺め#7

窓辺からの眺め#7

休み時間に入り、教室は賑やかな雑談で一杯になった。美月は自分の世界に浸りつつも、頭の片隅では大翔のことを思っていた。そんなとき、目の前に突如として転がってきたのは緑のサッカーボール。美月はびっくりしてボールを見つめ、それから自然と視線を上げると大翔がそこにいた。

「おっと、ごめん、美月。ちょっとボール、返してくれるか?」大翔は少し照れくさそうに微笑みながら言った。美月は心臓がバクバクと高鳴るのを

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