【私の感想 #5】推しのライブに行ってやっぱり泣いた話。
このご時世に音楽なんて、ライブに行くなんて。
そんなことを思う人がいるのは百も承知で、私はライブに行った時の感想を、感情の赴くままに書き綴ります。
……という名目の、例によって推しの布教です(断言)。でも、きちんとライブで感じた事は書いていきますので、「え、良さそう!」と思ったらぜひ聴いてみてください。
ということで、10月3日(日)、18:00〜19:30まで行われた、a crowd of rebellionのライブに行ってきました。
今回は、「ZENITH」および「DISTRESS」という新曲が出たことに伴うリリースツアーでした。そして、実はベースの高井さんという方が抜けて、5人から4人体制になっての初ツアーでした(ベースはサポートで元ゴゼヨの中尾佳介さんが入られました。イケメン……)。
更に、新曲「DISTRESS」は事前にファンにサビ部分の歌唱パートを録音で送ってもらい、それを実際に曲に入れるという試みをしていました。私も送りました。
このご時世、声を出してライブに参加できないからこその挑戦でした。
そんな中で始まったライブ。
「ReNNE(introduction)」という、ピアノ旋律に始まりポップロックへ上がっていくイントロでテンションが上がり、全員が登場。
初っ端から、新曲「ZENITH」の披露と相成りました。
サムネからお分かりの通り、デュエル・マスターズというカードゲームのキャラクター、「火の守護者グレン」のテーマソングとして作られました。デュエマはバリバリa crowd of rebellionの世代どストライクでして、すごく嬉しいと思いながら作曲されていたそうです。
そして、新体制始まってからの一曲目ということもあり、その時の思いが偶然キャラクターと重なって、歌詞にもしっかり入れ込んでいました。
狂炎
We’re endless
終われない
鮮やかな黒い絶望
Dye heart
「ゼロから始めよう」
Here, Silence.
正しくゼロから再スタート。そんな彼らの覚悟を、歌を通して感じることができました。
続けて、昔のアルバムより「Black Philosophy Bomb」、そして和風なカオティックメタル「She'll never forgive to be insulted.」というアップナンバーを立て続けに投下。さらには、「盛り上がってねえなあ!」と宮田さんも煽る煽る。それにファンも声ではなく手をあげて応える。いやあ、初手からブチ上げてました。
ここで換気タイムと称した休憩。「ルールを守って、その中で楽しめ!」と、しっかり感染対策を呼びかけつつ、爽やかなインタールードが始まります。
「夏の終わりにピッタリな……いや、夏終わってるか」といういつものゆるゆるトークと共に、爽やかさ全開のナンバー「Smells Like Unknown」を披露。
そして曲が終わると共に、急激に音楽が掠れていき、超カオスな「||:α→Ω:||」(アルファオメガ。だから読めねえって)をぶち込みます。忙しい!!でも楽しい!!
それが終われば、観客を乗せてまたメタル曲、「Raccoon Dead」へ。
私のめちゃくちゃ好きな曲で、歌詞のリズム感も抜群。「子曰、巧言令色、鮮矣仁」という漢文の一節が入る歌詞は、まあ、この曲くらいでしょう……。
それが終わると、一転バラードセクションへ。このバンドは激しいばかりでなく、大切に言葉を選んだ歌詞に想いを乗せて、優しい旋律で心を蕩してくれます。
バラード一つ目は、亡き犬との訣別と懐古、追悼を歌い上げた「Crocus」(クロッカス)。「切望」という花言葉を持つ花を題にしたこの曲、真に迫る追悼と愛慕を感じられて、聴くたび泣いちゃうんですよね……(今回も泣いた)。
もう一つは、最新アルバム『Zealot City』から。恋人と別れて悲しみ、それを恐らくは抱いたまま新しい一歩を踏み始める「UP TO ME」です。
君と逸れた場所から
僕は歩き始める
雨上がり空色付いて街の音が動き出す
こういう歌詞の言葉の選び方が、私がこのバンドを好きな理由の一つです。素敵なんです……!
その後、ドラムの近藤さん以外が一旦舞台裏に退き、ドラムソロがスタート。カオスメタルからバラードまで幅広い曲のビートを支えるドラム技術は、まさに圧巻の一言。最後にはギターもベースも入り、セッションスタート!盛り上がらないわけがありませんでした!
いやあ、カッコよかった……!
そして、ライブ後半戦の宣言があってから、これも最新アルバムから「hAngedmAn_A」が演奏されます。ホラーチックなメタルで、「様々なものを環境破壊や戦争でぶち壊している俺ら人間こそがウイルスだ」ということを、過激な歌詞で歌っています。ちなみにこの歌は、「人間はクソだ」という思いのもと作られたと言われてました。じゃないとこんな歌詞にならないよ……。
そしてこの段階から、明らかにシャウトボーカルの宮田さんの声のキレが増していました。キレッキレにブチ切れてました。喉にポリープできて摘出手術し復活してからというもの、さらにシャウトに磨きがかかってるの、本当に凄いと感じさせられます……。
続けて、SNS社会の誹謗中傷や「人間をコンテンツとして扱ってる」ことを歌い上げた「Anemone」。こういう人間の汚い部分も真正面から歌っているのは、言葉を大切にして想いをきちんと届けるリベリオンだからこそ為せる技だと思います。
ここでまた換気タイムとして休憩。前方列で体調不良からか座り込んでしまったお客さんを見て、「大丈夫?」とボーカルの宮田さんと小林さん声をかけていました。それから周りの人がペットボトルを渡していたり――と、こういう場面も。こうしたところに立ち会うと、「ああ、やっぱり変わらないな」と私は思います。
ロックライブって、客同士が激しくぶつかり合うんです。が、靴紐が解けて危険な状態の人がいれば、すぐさま誰も入れないよう空間をあけて紐を結ばせたり、倒れた人がいたらちゃんと運んであげたりと、周りへの配慮が沢山あります。こうしたものが無くならずに残っているのは、正直嬉しかったです。(勿論、状況が状況なので今は激しく動くことはできませんが……!)
そして、雑談というか、なぜか唐突にメンバー紹介が始まります。もうライブ終わるっちゅーの。とにかくトークは毎回緩いです。はい。そういうリベリオンが私は大好きです。
換気が終了したので、ここからは怒涛の激しい曲パート。これもだいぶ前のアルバム『Calendula』から「This World is Unreasonable.」、そして最新アルバムから「無罪者」が立て続けに披露されます。ここまでで結構激しい曲多かったのに容赦がありません。
そして、「未来へ、前へ進んでいこう」というMCから「Nex:us」(ネクサス)を絶唱。
あゝ 繰り返す絶望に花束を贈ろう
(何時だって歪んで泣いて)
あゝ 立ち竦むんだ I wan't forget.
今でもまだ Let me hear your voice.
踏みとどまってしまう状況であっても、それでも、前へ。そういう想いを真っ直ぐに歌い上げてくれたので、もう私は泣きそうになってます。
それは私だけでなく、ボーカルの宮田さんもでありまして。私の目から見てももう泣きそうなくらい顔がくしゃくしゃでした。そんな中で、思わず漏らしたこのMCは、今日の私の心を揺らしてくれました、
今俺たちはこうやって、「頑張っていこう」とか皆に言ってきたし、これまでのこのツアーでも言ってきたけど、正直、折れそうになる時がある。他のバンドも同じだと思う。踏みとどまっているんだと思う。でも、こうして各地でツアー回って、皆が待っていてくれて、こうやって楽しんでる様子見るとさ、俺らも元気もらえるんだ。立ち直ってるんだ。
今の状況は、正直バンドにとっては逆風でしかありません。ロックライブなんて人が集まって暴れて声を出して、と感染するリスクしかないし、であればやらない方が良いに決まっている、という意見がまだまだ多くあるからです。宮田さんも言われてましたが、「正直、このツアーやるか、結構悩みました」と。そのくらい『本当にやるべきなのか』を考えられています。
それでも、音楽に支えられている私たちがいて、想いを直に伝えてもらえるライブがあって、そういう「遊び場」を喪ってほしくなくて――といった様々な思いとともに、感染対策も万全にしてライブを開かれてます。
実際このライブも、消毒液は入り口に設置、検温や、入場時のアンケート回答(住所や名前、整理券番号などを書くもの)、アクリルシート越しの接客に、シールで区画した場所での観覧、スタッフ全員マスクの着用など、とにかく徹底してました。
それでも、批判は殺到するもので。だからバンドは心が折れそうになることも多いと思います。
だから、観客である私達もそれに応え、発信しつつ、日常生活もきちんと過ごしていかなければならないのだ、と思っています。積み上げて成果を出し続けていくのはとても難しく険しいです。
それを思っていただけに、この言葉は心の底から響いて、泣きました(本日2回目)。というか私から見て、リベリオンの皆がもう泣きそうでした。それにまた泣いてしまって。
そんな中、最後の曲として新曲「DISTRESS」。ファンの声が織り込まれたサビに、宮田さんの魂の叫びとも言えるシャウトに、息ぴったりの演奏に、心震わされていました。
そしてライブは終了――と思いきや、恒例のアンコール。アンコールを受けて深々とお礼をして再びメンバー登場。
「どうしよっかあ、アンコール」という小林さんの言葉から芝居が始まり。
宮田さん「楽しいやつにしようか」
小林さん「てことは、激しい曲でしょ? 激しい曲=楽しい曲なんだから」
宮田さん「いや違うけど」
なんてやり取りがありながら、激しい曲=楽しい曲ということにしておいて、最後に2曲。
1曲目は、観客と共にそれぞれ腕でアルファベットを作りながら、「O.B.M.A.」。最早リベリオンのライブでは鉄板とも言える曲ですが、メタル→ポップ→メタル→ポップ→メタルというめちゃくちゃな展開の曲です。間違いなく楽しい。そして激しい。
そして、トドメは未来へ向けた意志を歌った、リベリオンの代表曲「M1917」。私のリベリオンはこの曲から始まったので、個人的に感慨深い曲です。
そして、「今に留まるな、未来へ向かっていこう!」「またこの曲を一緒に歌える日が来るといいよな! その時まで、俺らは諦めねえから!」という曲途中のMCも、また心を揺さぶってきました。
こうして、1時間半に及ぶライブは終了。
とても濃く、現在の苦悩と未来への意志を聴くことが出来たライブでしたし、だからこそ「私もまだまだ頑張らなきゃ」と思い直したライブでもありました。
***
ライブは、ただ音楽を聴きにいくだけではありません。日常の鬱屈を晴らすハレの場だと思いますし、生の人間の生の思いを受け止めて、決意を新たにする場所だとも思います。
だからこそ私は、ルールの中で楽しんで、場を守る必要があると思っています。
それを堂々と守って前へ進もうとするリベリオンは、やっぱり私の中でカッコいいバンドです。
これからもついて行きますので、またカッコいいライブや曲、それからゆるゆるなトークを見に行ったり、聴いたりしていきます。
ありがとうございました。
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