「Steve Jobs」by ウォルター・アイザックソン
ようやく文庫本2冊の伝記を読み終えた。中身が濃ゆくて、思った以上に時間がかかったが、本当に良く書けた本だと思う。この前読んだ翻訳者の井口耕二さんの本で、この本の翻訳に関する苦労の状況を理解していたので、より面白く読めた気がする。
この本は、スティーブ自身が許可を与えて、約3年間多くの関係者に取材すると共に数々の証言を得て事実関係を検証しているので、しっかりした内容の伝記となっている。またこの本は、スティーブが病気になったことをきっかけに執筆の依頼を受け、そしてこの本が完成するとほぼ同時に、本人が亡くなっているという意味でも意義深い本だと言える。
自分自身は、スティーブがアップルから追い出された辺りの状況はあまり記憶がないことから、当時アップル乃至スティーブについて、あまり関心がなかったのかもしれない。ただ、昔東京で融資関係の仕事をしている時、アップルジャパンあての融資は止めた方が良いのではないか?というような話を社内でしていた記憶がある。それだけ、アップルの業績は最悪で、いつ潰れてもおかしくないというような時期だったと思う。
その後、スティーブがアップルに帰ってきてから発売されたiMacは、カラフルで可愛くて、それまでのパソコンのイメージと全く違うものが出てきて、驚いた覚えがある。その後、iPod、iPhone、iPadと次々と画期的な製品が発売される度に、買ってきた。製品の洗練されたデザインとすぐれた機能の融合は本当にすばらしいものがあると思う。ただ、値段的には決して安くない。よって、アップル製のPCはこれまで一度も買えていない。
今更ながらのスティーブ・ジョブズの伝記ではあるが、過去の振り返りもでき、本当に面白かった。評価は、5/5です。