おっちゃん

家族から「おっちゃん」と呼ばれています。所有資格は、中小企業診断士、全国通訳案内士(英語)、公認内部監査人(CIA)

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最近の記事

「蜜蜂と遠雷」by 恩田 陸

今週簡単な手術を受けるため入院したので、前から読まなくちゃと思っていたこの本を入院中読み終えた。いつもの積読なので、読んだのは文庫本ではなく、単行本の方。本の帯には、第156回直木賞受賞作、2017年本屋大賞ノミネート作と書いてあるので、私が買ったのは直木賞受賞後、本屋大賞受賞前ということになる。 単行本は2段組みで500ページある大作ではあるが、各登場人物のエピソードとピアノコンペティションの進行内容がうまく織りあって、読者をぐいぐい引っ張っていく感じで、やはり直木賞と本

    • 「積ん読の本」by 石井千湖

      12人の作家や編集者等の方々の積ん読に関する考え方や実際の積ん読状態を写真で紹介した本である。 自分も積ん読の本もいっぱいあるし、読んだ本の置き場に本当に困っている状況で、今も自分の部屋の本箱は当然として、床にも本がいっぱい積まれている。これらの本をどうしたらいいのかと真剣に悩んでいて、少しでも参考になるかと思い、この本を買ってみた。 2年くらい前に、部屋を片付ける必要が出てきて、思い切ってブックオフのネット販売を申し込んでみた、箱が十数箱になって確か6万円程度になった気

      • 「透明な螺旋」by 東野圭吾

        ガリレオシリーズで、物理学者の湯川学と警視庁の草薙警部が活躍するミステリーで、最新の文庫本である。 東野圭吾は数多くの小説を出しているが、どの作品もあまり外れはなく、サクッと読めるものが多いと思う。 湯川先生は養子で、実際産んだ母親が今回登場するというのが新しい展開だったかもしれない。 物語は当然結末を迎えるが、真実は何だったのだろうと少し思わせるような感じもあった。 いつも通りの東野作品で楽しめた。評価は、5/5にしておきます。少し甘め。

        • 「俺たちの箱根駅伝」by 池井戸潤

          自分は、毎年正月の2日、3日は箱根駅伝を楽しく見ているので、この小説で描かれるそれぞれの区間はテレビで見る情景を思い出しながら、読んだ。 池井戸潤さんはさすがにストリーテラーだなあと思う。上下2巻あっという間に読み終えた。 小説の中身を書くとネタバレになるのでやめておくが、ドキドキワクワクしながら読んで、終わり方もスッキリするものだった。 評価は、5/5です。

          「トッカン 特別国税徴収官」by 高殿 円

          以前同じ作者のデパートの外商を扱った「上流階級 富久丸百貨店外商部」4部作を読んで、作者のファンになったこともあり、今回国税の徴収官を扱った「トッカン」4部作を購入した。 今日までに、「トッカン 特別国税徴収官」「トッカン VS 勤労商工会」「トッカン the 3rd おばけなんていないさ」の3冊を読み終えたので、感想を書いておく。 主人公は、特別国税徴収官の補助を行っている新人の女性徴収官で、上司に何か言われると「ぐー...」と言い淀むことから「ぐー子」と呼ばれている。

          「トッカン 特別国税徴収官」by 高殿 円

          「美食の教養」by 浜田岳文

          フーディーである著者が、127か国・地域を食べ歩いて書いたグルメに関する入門書である。 著者自身は、様々な有名レストランで食事をしているが、独身でほとんどレストラン周りにお金をつぎ込んでいるが、それ以外は非常に倹約生活をしていて、決して金持ちではないと言っている。 本の内容は、実体験からくる知識と経験に裏打ちされた内容であるが、自慢めいたことはなく、むしろ淡々と書いているところが共感できた。 目次の一部を紹介する。 第1章 人生を豊かにする美食の思考法 第2章 美味しさ

          「美食の教養」by 浜田岳文

          「本物のコンサルを選ぶ技術」by 堀 紘一&津田久資

          元ボストン・コンサルティングの堀氏とその弟子の津田氏の共著で、良いコンサルタントの見抜き方について書いた本。 本の構成は、堀氏ができるコンサルタントについての考え方及びクライアント側のあるべき姿について自分の考えを述べた後、津田氏がそれを理論的に補足するという形式で書かれている。 最近就職でもコンサルティング会社は人気だし、ITを中心とする総合系のコンサル会社は大量採用をしているため、従来に比べてコンサルタントも玉石混淆になって、費用はかかっても期待外れの結果の場合も多く

          「本物のコンサルを選ぶ技術」by 堀 紘一&津田久資

          「エイゴは、辛いよ。」by 大矢俊雄

          著者は元財務相・金融庁の官僚で、本書は、財務省広報誌「ファイナンス」に寄せた原稿をベースに抜本的に再構成すると共に、大幅に加筆修正をしたとのことである。 著者が英語で苦労したエピソードや国際会議でのコツ等を紹介する内容となっている。併せて、仕事で役に立つ英語の単語やフレーズの使い方などが書かれている。 全体として読み易いが、英語を使うことや海外で働いた経験の自分としては、もう少しパンチが欲しかったなあという感想を持った。英語力向上という意味では、先ほど紹介した鎌田先生の「

          「エイゴは、辛いよ。」by 大矢俊雄

          「理系的英語習得術」by 鎌田浩毅

          京大教授の鎌田先生の本はこれまで何冊が読んでいるが、今回改めて英語の学習法に関するこの本を読んだ。ご自身が学者として論文の執筆や海外の学会でのプレゼン等で英語の重要性を十分認識し、努力して英語力をアップしてこられたので、この本で書かれていることには説得力がある。 例えば、単語に関して、「どんなに忙しくても、何があっても、英単語に触れるようにする。電車の待ち時間など、たとえ数分であっても、毎日かならず英単語を「見る」のである。もし、本当に時間が取れない日は、単語集の表紙を触る

          「理系的英語習得術」by 鎌田浩毅

          「キャンティ物語」by 野地秩嘉

          六本木の伝説的なイタリアレストラン「キャンティ」のオーナーである川添浩史・梶子夫妻とキャンティに集まる文化人や芸能人を描いたノンフィクション物語である。 どうしてこの本を読もうと思ったかというと、先日鈴木保奈美さんの番組に出演した麻布競馬場さんがこの本が大好きと言ってたのと、キャンティの名前は昔聞いたことがあったので興味が沸いたため。 この本の内容は、戦前から始まるが、メインは戦後の1960年にキャンティが開店してからで、キャンティに文化人達が集まる状況と、オーナーの川添

          「キャンティ物語」by 野地秩嘉

          「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」by 麻布競馬場

          作者の本が、今年の第171回直木賞の候補作になったが、ちょっとふざけたペンネームだなあと思っていた。先日、鈴木保奈美MCのテレビ番組が東京タワーに関する小説を特集していた時に麻布競馬場さんが出演していて、この本についてご自身がコメントしていたので、今回文庫本を買って読んでみた。 この本は短編集で、1つ1つの小説はツイッターに140字づつ投稿したものから出来上がっている。全ての小説は、地方から東京に出てきて、いろいろ無理をして東京での生活に馴染もうとするが、結局うまくいかない

          「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」by 麻布競馬場

          「流浪の月」by 凪良ゆう

          2020年の本屋大賞受賞作で、文庫本になった際、家族がその文庫本を買って読んだ後、自分に「読んだら」とくれたのが2022年だった。何回か読もうとしたが、その文字の小ささにこれは年寄りには無理なレベルだと諦めていたが、やっぱり読んでおきたくて、改めてKindle版を購入し、字を大きくして読んだ。 正直なかなか重たいテーマの小説で、全体として苦しい気持ちで読んだが、それでも最後は明るい展開があるのではないかという希望を持ちながら読み進むことができた。 性被害、ロリコン、性器障

          「流浪の月」by 凪良ゆう

          「ニッチで稼ぐコンサルの教科書」by 林田佳代

          著者が本の序章で、この本は「仕事も、家庭も、趣味も、楽しみながら人生を謳歌できる、ニッチな部分で稼ぐコンサルタントになる方法」を書いていると言っている。ネットでこの本の記事を見たとき、自分の強みを活かし、チョコっとコンサルをするための本かなあと思っていたが、少し違っていた。 書いている内容はかなりオーソドックスで、中小企業診断士の資格を取得した人が、副業又は独立するためにはどうしなければならないかという内容が書かれているレベルだと思った(著者は中小企業診断士用とは全く言って

          「ニッチで稼ぐコンサルの教科書」by 林田佳代

          「アキラとあきら」by 池井戸潤

          池井戸さんの本はかなり読んでいて、この本もかなり前に買ったものの、なぜか積読状態で放置されていた。どうしてこれまで読んでいなかったのか理由はわからないが、今回ようやく読み終えた。 メインの舞台設定はメガバンクであるが、そこで働くまでの主人公2人の生い立ちを詳しく記述することで、物語に厚みを与えている。そして主人公2人が大きな危機に協力して立ち向かうストーリーをドラマチックに書いており、まさしく池井戸ワールドの展開を見せている。銀行における業務内容は作者の得意とするもので、併

          「アキラとあきら」by 池井戸潤

          「傲慢と善良」by 辻村深月

          自分が買ったこの文庫本の帯には累計67万部突破と書かれているが、今のものは上記の通り累計100万部突破と出ている。いずれにしてもベストセラーというのは間違いない。これまで辻村さんの作品はあまり読んだことがなかったが、最近直木賞の選考委員に選ばれたことからも実力派の一人であることは明白だと思う。 この本は、30代男女の婚活が一つのテーマだと思うが、それは飽くまで設定の1つであって、真のテーマは今の若い男女の生き方や考え方について考察していることではないかと感じた。主人公の男性

          「傲慢と善良」by 辻村深月

          「あなたを待つ いくつもの部屋」by 角田光代

          この本は、帝国ホテルの会報誌「IMPERIAL」に11年間に亘って掲載されたショートストーリーを本にまとめたもの。小説の舞台を東京、大阪、上高地の帝国ホテルとして、様々なストーリーを展開している。全部で42編の小説となっている。 1つ1つのストーリーは、さすが角田さんの実力通りすばらしく、1編が5ページ足らずながら、それぞれ感動的な物語を作り出すことに改めて有名作家の力を感じた。 ストーリーにバライティはあるが、夫婦そろって帝国ホテルに泊まるという設定は少なくて、どちらか

          「あなたを待つ いくつもの部屋」by 角田光代