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「世界の食卓から社会が見える」by 岡根谷実里

世界のいろいろな国の一般家庭での食事を体験するなかで、その食料そのものだったり、食事の作り方だったり、様々な切り口から国際環境や社会事情を考察するという内容である。

我々の日常生活の大きな部分を占めている食事については、その原材料の価格状況を考えただけでも現在の国際情勢と直結していることも多い。

また、食事スタイルをみるとその国の労働事情も垣間見える。例えば、自分が駐在したシンガポールでは、平日の夜、家族はフードコートで食事をすることが一般的であった。これは、夫婦共稼ぎで、女性も男性と同じ地位についているため、女性が働きながら家で料理をする時間的な余裕がないためである。日本においても、共稼ぎの家庭が多いため、冷凍食品の充実や中食と呼ばれるできあいの料理も質量共に発展している。

この本は、食事から様々な社会現象や問題を学習でき、面白い内容だった。

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