「あなたを待つ いくつもの部屋」by 角田光代
この本は、帝国ホテルの会報誌「IMPERIAL」に11年間に亘って掲載されたショートストーリーを本にまとめたもの。小説の舞台を東京、大阪、上高地の帝国ホテルとして、様々なストーリーを展開している。全部で42編の小説となっている。
1つ1つのストーリーは、さすが角田さんの実力通りすばらしく、1編が5ページ足らずながら、それぞれ感動的な物語を作り出すことに改めて有名作家の力を感じた。
ストーリーにバライティはあるが、夫婦そろって帝国ホテルに泊まるという設定は少なくて、どちらか一人、特に妻だけが泊まって、今は亡き夫の思い出などを思い出すという設定が多かった印象がある。やはり、夫婦仲良く普通に泊まるというのはなかなか感動的なストーリーが創作できないのかもしれないと勝手に思った。
いずれにしてもこころがなんとなく暖かくなるような物語がいっぱい詰まった短編小説集だと思った。本の評価は、5/5です。
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