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【心の詩歌】別れに支えられる BUMP OF CHICKEN「ray」

別れの痛みを癒す詩歌、別れを切なく振り返る良い詩歌がたくさんありますが、今日は違った見方の歌詞を紹介します。
BUMP OF CHICKENの曲「ray」、藤原基央による作詞は、別れを悲しむのでも別れの痛みを癒すのでもない、独特の感覚で書かれた詞です。


大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない

痛みが消えないことが「大丈夫」とは珍しい捉え方です。

お別れしたのは何で 何のためだったんだろうな
悲しい光が僕の影を 前に長く伸ばしている

何のために別れたのかわからないし、いまだに悲しい。
しかしその別れは自分の影を前に伸ばす、後方にある光源だと言います。

この曲には、立ち直るための行動がいくつか描かれます。

悲しい光は封じ込めて 踵すり減らしたんだ

楽しい方がずっといいよ ごまかして笑っていくよ

あまり泣かなくなっても 靴を新しくしても

悲しみを封じ込める、かかとをすり減らしてひたすら行動する、誤魔化して笑う、泣かなくなる。
そうして人は立ち直るのですが、立ち直ることは同時に忘却でもあります。
忘れなければ苦しいのですが、捨ててしまうと、過去は自分につながらなくなってしまう。

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