無題
転がっている高校時代のノート
いつの間に馴染んでいる介護用の手すり
白濁色のお湯の中では胎児をおもう
これは帰ってきた家でのこと
海と時間を越えてきたヴィンテージのお洋服
青く光る丸い椅子も
甘過ぎないあんみつも
はぐれそうになる交差点
これは出向いた渋谷でのこと
ストイックにかきあつめた好きの源には
塊の好きがあって
くだらないと思えば思うだけ
くだらなくなくなっていく
いずれ手離すだろうが
これは嫌いな私の心のこと
単なる動物のくせして
混在するバラバラでザラザラなものに
運命だとか、繋がりだとか、出会いだとか
特別の名前をラベリングしたくなってしまう
それを愛おしいと思える日も
それを馬鹿らしいと思える日も
それすらも混在していて
マーブル模様は
かきまわされて、乱され続ける
真っ暗な夜を迎えられたら
その窓の向こう側の
一番遠い星の光を
少しだけ、混ぜこんでみたい
アイスを買います