短歌 #16
たおやかな日々に祈りと微笑みを鼻白んでも明日は来るし
誰も僕を知らない場所へ帰るよ、それが正しいことだと思う
うららかな予定調和に絆されるはじまる前に終わりを思う
少しずつなんでもなくなる もう使われない歯ブラシで掃除する
重ねても長さの違う生命線 あなたのいない世界はさみしい
ゆっくりと閉じ込めたまま死んでいく 思い出、酸素、ずっと前から好きでした
日の落ちるあなたのための水平線宛てがなくても旅していいよ
この街を発つ私にも同様に配られる明日以降のクーポン
またねって祈る小ささこの後は分かり合えなくなるだけなのに
丁寧な暮らしによって昨夜未明、意外性が亡くなりました
靴下で走って転ける体育館夢に向かって羽ばたくとか嘘
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ツイッターで書いた気がするけど、私の文章や短歌に出てくる「あなた」とか「きみ」に固有性は無いです。そんなにロマンティックに生きてないので…。 頻度はかなり落ちたけど好きに詠めるようになってきてうれしい。