短歌 #14
お祭りの屋台で見かけた時にだけ特別そうに買うじゃがバター
シャボン玉産み出すみたいに息を吐く お祈りみたいに生きる明日も
看板も立ててあるけどこの先は地図も見ないで歩いていいの
青よりも藍寄りの色の青春を並べてみればきみが愛です
棺桶に横たえるなら清潔な花に沈めて灰、薫り滓
耳元で「はつこいでした」と鳴るほどに忘れられなくなるのはなんで
簡単に吹いて飛ばせる綿毛でもそれぞれにいのち ごめんなさい
散り落ちる薄桃色をゆるく食み終わりっていつも少し苦い
僕にしか解せない修羅をたおやかに抱いて眠るよ 春、暁
微笑んだあなたの綺麗な横顔に僕は僕の卑しさを見る
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何にも無いし、何にも成れないし、別になにもしたくないよねって心