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残留農薬の影響を知ろう! 多すぎると環境にも人体にも悪影響「硝酸態窒素」



以前お伝えした、
日本が実は世界トップクラスの農薬大国だというお話。

日本はこの高温多湿な気候もあり、
世界各国で禁止されている農薬や添加物が使用されています。

法律上、許可されているので仕方ない部分もありますが、
それでも一定数の農家さんでは有機野菜の育成に尽力されています。


「オーガニック」
なんてひと言で言っても、
実は添加物入りの肥料が使われている、
害虫駆除目的の薬が散布されている…
なんていう話も聞きます。

気にし始めたら何も買えなくなりそうなお話ですが、
今回は、そんな気になる残留農薬の中でも、
「硝酸態窒素」の成分に注目してお伝えしようと思います!




硝酸態窒素ってなに?


「窒素」自体は、元々空気中にも土中にも存在している成分です。

地球の地表付近の大気の主な成分は、窒素と酸素がほとんどで
窒素が約80%、酸素が約20%、他に微小なアルゴンと二酸化炭素です。

窒素はアミノ酸・タンパク質・DNAやクロロフィル(葉緑素)の元になり、
カリウムやリン酸と並んで植物を構成する重要な存在です。

そして一般的に肥料として広く施用されているそうです。

作物は、窒素が不足すると生育不良を引き起こします。
その為、肥料として土壌に巻き、根から吸収させるそうです。

そんな窒素の中でも、硝酸態窒素
植物が栄養素として取り込める形態に変化した窒素成分なんだそう。

窒素のそのままの状態では、植物が直接吸収することができません
土壌中の窒素は、微生物による分解や変化の過程を経て次第に酸化し、
アンモニア態窒素や硝酸態窒素になっていくそうです。

植物は、窒素がこの状態になってやっと根から吸収し、
蓄えることができるようになります。

窒素自体は既に存在する成分ではありますが、
より手っ取り早く植物に吸収させやすくしたのが
硝酸態窒素の肥料ということになります。

ただ、この硝酸態窒素には、
土壌に吸着しにくく雨水などで溶け出してしまうという性質があるそう。

その為、農家では窒素の不足を防ぐために追肥を行うそうです。

そしてこれが問題になってくるのです。
肥料を過剰に与えてしまうと、作物が必要以上に吸収してしまい、
収穫後の作物の中に硝酸態窒素が残留してしまいます。

また、雨水などで流れ出た肥料が地下水や河川水への流入し、
環境を汚染する事も懸念されているのです。



硝酸態窒素の人体への影響


硝酸態窒素は、硝酸塩という食品添加物としても使用が認められており、
使用基準を守れば人体に有害ではないと定義されています。

しかし、人の体内で還元されて亜硝酸態窒素に変わると、
メトヘモグロビン血症を発症する原因となったり、
ニトロソ化合物という発がん性物質に変化したりする可能性が
一部の医師などによって指摘されています。

特に胃酸の分泌が少ない乳幼児は、還元反応が進みやすく、
また乳児は、メトヘモグロビンをヘモグロビンへ還元する
還元酵素の活性が大人より低い
ため、
メトロヘモグロビン血症に罹患しやすいと言われています。

日本では、野菜類に残留する硝酸態窒素を
食品添加物としての硝酸塩(硝酸態窒素)の摂取基準と比較したり、
それに準じた上限値を設けたりすることは適切でない
とされています。

もちろん、日本独自で検査・検証をしたり、
法律上も問題ない基準で制定されています。

ただ、日本以外の国では禁止している国もあるもの。
そして人体に不要なものであるのは間違いありません

硝酸態窒素そのものは通常量では特に害になりませんが、
体内で化学反応を起こした場合、
様々な病気を引き起こす
とされています。

野菜類に残留する硝酸態窒素含有量を減らして
より安心・安全を確保することが求められています。

硝酸態窒素の過剰な施肥は、野菜類などに残留するだけでなく、
硝酸態窒素が溶け出して地下水や河川水への流入にも繋がります。

それにより近隣の池や沼などの硝酸窒素含有量が増え、
生態系に影響を及ぼす可能性もあります。




見直されるべき国の基準


大前提のお話ですが、窒素自体は自然界に存在し
無機・有機を問わずあらゆる肥料にも含まれ、
最終的に硝酸態窒素となって作物に取り込まれます

ただ、それが過剰になってしまうと
人や環境に悪影響を及ぼしてしまうのです。

農家さんでは、しっかりと土壌診断を行い、
過剰となっている肥料成分があれば、
地域が定める減肥基準に基づいて施肥設計の見直しを
行っている農家さんもあります。

生育スピードや見た目の良さではなく、
有機栽培で育成する事に尽力している農家さんもいます。

問題は、その地域の自治体が制定している基準や
国の法律自体が、他の国々の基準よりゆるいということ。

農薬だけでなく、「添加物」に関しても、
国で許可される添加物が、ヨーロッパ諸国は2桁なのに対し
日本はなんと351品目

アメリカも133品目なのに対し、驚異的な多さです。

国の基準、自治体の基準が見直されれば、
個々の農家での農薬や肥料の使い方、
食品を扱う企業での添加物の使用料も見直されるはずです。

農薬を含めた添加物全てにおいて
そろそろ基準を見直す時期に来ているのかもしれません。



日本の農薬や添加物の基準が変わってほしいですが
私たち消費者側の意識も変える必要があると思います。

残留農薬や添加物を許してゆくゆく病気になる道ではなく、
なるべく健全な食材を選んで健康寿命を延ばす

私たちの今の購買行動で、10年後の自分たち、
未来の子供たちの健康が変わるかもしれません。




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