『自由を手にした朝』
ある夜
疲れて眠る
俺の息の根を
俺のこの手で止めた
躊躇い(ためらい)はなかった
だって
それは
俺の姿をした
俺とは別の俺だから
いつの間にか
俺は
周りに合わせ
俺じゃない俺に
支配されていた
色を失い
心を失い
我を失っていた
たった一度の
生であるにも関わらず
誰のために生きているのかって…
それに気付いたんだ
そして
もう終わりにしようって…
最期に俺は
俺と目が合ったけれど
俺は
抵抗するなく
おとなしく目を閉じて
おとなしく消えた
明けた朝
陽が眩しい
俺は自由だ
誰にも支配されない
今日を踏み出そう