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読書の秋 愛読書紹介「自省録」
こんにちは、あおしです。
今日は読書の秋ということで本を1冊紹介します。
マルクスアウレリウスの『自省録』です。
1 この本と出会ったきっかけ
一時期、うまく活字の本が読めない時期がありました。
本が読めなかったことで、漫画であったり、YouTubeで情報を得ることが多くなりました。
当時は散歩をしながら、YouTubeを聴く日々を送っておりました。
YouTubeで動画を閲覧する中で、かつて好きだった「哲学」の書籍を紹介する動画に出会いました。
哲学の紹介を流し聞きする中で、偶然出会った本。それが『自省録』です。
2 自省録について
この「自省録」は今から大体1900年ぐらい前に執筆された本です。
舞台はローマ帝国。この本を執筆したのは、ローマ帝国の五賢帝の最後の皇帝として知られる、マルクスアウレリウスです。
彼の語る哲学は「ストア派」として知られています。
彼の生い立ちや、生涯などの仔細な説明は避けようと思いますが、
この自省録は、彼が皇帝として多忙な日々を過ごす中で、自分のみが読めるように記された「日記」であるとされています。
彼の書く文章からは、本当は哲学者として生きていたかったが、皇帝として過ごしていることへの悩み。
自分の子どもを不運にも亡くし、諦めにも似た寛容さ。
自分にとってふさわしい行為をするのだという、精神を律する力強さ。
のようなものを感じます。
3 私について
ここで簡単ですが、私のことについて書きたいと思います。
私は、この「自省録」の解説動画を聞いた時、「自分を平常心で保つ大切さ」を説かれていると感じました。
私は、過去に仕事をする中で、怒りの感情、不安の感情に揺さぶられ、心がコントロールできない日々を送っていました。
そのような生活を送ると、様々なものが崩れていきます。
詳細は省きますが、自分をコントロールできないことによって、多くのものを失っていく。こんなのは懲り懲りだと思い知らされました。
アウレリウスと同じストア派の「セネカ」という哲学者は、「怒りの原因ではなく、怒りそのものによって多くのものを損なっていく」というような内容を語っています。
どうすれば、自分を律し、自分の良さを発揮し続けられるのか。
そのような願望を抱き、ストア哲学と並走する日々を臨むようになりました。
4 視覚優位と聴覚優位
少し、話が変わりますが、「視覚優位」と「聴覚優位」という言葉を聞いたことはありますか?
予め、断っておきたいのですが、学問的に正確か否かとなると、なかなか辛いものがあります。
そのため、僕が生きていてこう思ったよ、という感想文として読んでもらえると嬉しいです。
まず、人のものの捉え方には得意不得意があるとされています。
簡単に表現すると、
視覚優位とは、「目の方が情報を捉えるのが得意」ということで、
一方、聴覚優位とは、「耳の方が情報を捉えるのが得意」ということになります。
あとは嗅覚や肌の感じ、体全体でなんてのもあります。が、文章をわかりやすくするため、割愛します。
この視覚/聴覚優位という概念に初めて触れた際、「私はどちらなのだろうか?」と初めて疑問に思いました。
私は、視覚か聴覚かでいうと、自信を持って「視覚」だろうなと感じています。
視覚で情報を得ることにも、「言語」「イメージ」「図形」のように細分化できるかもしれません。
私は生きている中で、文字で物事を捉えるのが得意なんだなと感じるようになりました。
油断すると、常に頭で何かを考えている、考えるのが好きな人です。
一方、聴覚に関しては、情報を得る目的にしては、ダイレクトに受け取ってしまう印象があります。
他人の言葉が、やけに脳に残って反復してしまうことに困った時期もありました。
普段、歩く時はほとんどイヤホンをつけて、音楽を聞いています。
その音楽も歌詞があるものですと、聞き慣れたものでないと疲れてしまう印象があります。
クラシックやジャズであれば、全く気にならないのですが。
インプット量で優れているのは耳なのですが、取捨選択が意図的にしにくい分、得意なのは「目」なんだろうと思います。
5 頭の中の情報をコントロールする
私は、頭の中で「文字ベース」の思考が、反復するという思考の癖があることに気がつきました。
そして、その反復する内容は、自分が「聞いた内容」であることが多くを占めています。
そこで私は考えました。それであれば、意図的に自分にインプットする情報を選択することによって、思考内容をコントロールできるのではないかと。
「言葉のシャワーを浴びる」という表現があります。
良い言葉を日常的に聞き続ければ、思考に影響し、行動にまで至ります。
それは、悪い言葉でも同様です。
日常的に聞いている言葉というのが、その人の考える内容に関与しているという観点は、妥当のように思えます。
先ほども述べましたが、私は人の言葉を脳内で反復する傾向があるため、可能な限り「良い言葉を反復する習慣」を作り上げたいと考えました。
そこで私が活用したのが、「ストア哲学」でした。
6 ストア哲学と向き合って
この1年に渡り、「自省録」を始めとして、他のストア派の書籍を読み続ける日々を送りました。
私は読書に「自分の考えていたいことを考える、仕組みづくりの時間」という役割を求めています。
ストア哲学は、間違いなく私に大きな効果を実感させてくれました。
仕事上でプレッシャーのかかる場面。
長い時間を平常心で過ごさなければならない場面。
他人にイライラしている場面。
突然のトラブルにも、冷静に対処をしなくてはいけない場面。
どうにもならないことが執着してくる場面。
ストア哲学は、徹底的に現在に向き合うことで、特に困難な場面で大きな効果を発揮します。
私はマルクスアウレリウスの「自省録」を毎日持ち歩き、ふとした時に読んでいます。
「どんな時でも平常心を保ち、自分ができる行為を積み重ねていく」
そういうメッセージを感じます。
自分の心を落ち着かせ、自分自身に冷静に向き合いたい。
そんなことを思われた方は、手にとってみてはいかがでしょうか?
自分にとって、一番大切なものは、必ず自分の中にあります。