【読書】ワセダ三畳青春記 / 高野秀行【おすすめ】
みなさん,こんにちはこんばんは。S.Kと申します。
今回は動画紹介ではなく、是非読んでほしい書籍を紹介いたします。ぼくの大好きな作家さんです。
ワセダ三畳青春記 / 高野秀行
高野秀行さんは多くはノンフィクション物を書いています。誰も行ったことない場所に行ってそれを面白おかしく書く。そんなモットーで今も執筆を続けてらっしゃいます。最近noteに連載始めてます。気になる方は以下のリンクをチェック!
さて、このワセダ三畳青春記(以下本書と呼ぶ)は、小説風自伝という少し変わった作品です。
では、さっそくネタバレにならない程度に紹介していきます。
登場人物が個性的
高野さんが大学時代に住んでいた野々村荘を舞台に、管理人のおばちゃんやそこに住む人々、大学の探検部の先輩・後輩との関わりを描きます。
まず、とにかく登場人物が個性的です。類は友を呼ぶ、とよくいいますけど、著者が変わり者だから周りにも変な(失礼)人たちが集まってくるんじゃないかと思うくらいに、変わってる人々が出てきます。
野々村荘で起こるちょっとした出来事
例えば「玄関にパックに入ったイワシが置いてあった」事件(笑)
大事件は起こりませんが、こういう謎な事件が起こり、一悶着が起こります。はたから見れば、どうでもいいことかもしれませんが、そこは高野さんの文章力でめちゃくちゃ(語彙力低下)面白く書かれています。
切ない後半、ラストが好き
終盤になると、住人たちもいつの間にかいなくなったりしており、高野さんも野々村荘中心の生活から徐々に変わっていくことになります。
後輩の結婚式あたりから、当時の高野さんが取り残されていることに、何か焦りが生じたのでしょう。周りから「高野君はそのままでいてよ」と言われて、それがうれしくもあり、反面、えも言われぬ気落ちを抱いたのかもしれません。
この辺りはすごく共感してしまいました。僕自身が結婚してないからでしょうけど、まわりが結婚して子供育てて・・・っていうのに自分は今のままでいいのか、と。今のままでいいとは思いますが、何か変わりたいともおもう心境です。
話は戻しますが、とあることをきっかけに野々村荘から出ていくことを決心。そして高野さんは野々村荘をあとにします。この辺りのくだりは、なんか寂しくもあり、今の高野さんを見てると、よかったんだろうなと思います。
あの頃の住人は今?
後日談とかはないのでわかりませんが、元気でいるといいなぁと思います。勝手な想像ですけど、個性豊かに生きている人たちだったので、面白い人生を歩んでるのではないかなぁと。いや、案外ふつーの人生を送ってるのかもしれないですが。
おわりに
青春を感じたい人、現状何か閉塞感を持っている人に読んで欲しい一冊です。最後の解放感を味わって欲しい。そして、心の底から笑って、明日からも活力が湧いてくるような、そんな一冊です。 おしまい。