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人事として産業保健に関わる~人的資本の価値向上に向けて~

初めましての方も、既にお会いした方も、日々お世話になっている方も、
皆さまこんにちは!SKと申します。

何でSKかと言うと、何の捻りもなく、イニシャルです(笑)。
あだ名はあると言えばありますが、旧Twitterのアカウントを作る時にあれこれ考えるのが面倒でイニシャルにしたら、リポストやスペース、そしてリアルでお会いした際に、そう呼ばれるようになってました(そりゃそうだ)。

なので(?)まずは、Xフォローしてない方はぜひフォローしてください(笑)!

今の会社に転職して間もなく2年ですが、その間、学会やセミナーのみならず、X上の「産業保健界隈」の皆さまと交流する中で、様々発信されているのに刺激を受け、自分も何か発信できればと、実はnoteのアカウントだけは2年前から持っていましたが放置していました(笑)。

ですが、この「産業保健アドベントカレンダー」を見て「今しかない!」と思い、遂にnoteに初投稿に至りました!米つん(@komekometun3578)さん、今回の素敵な企画に加え、私がnoteを書く機会を与えてくださったことに心から感謝しています!

では改めて自己紹介~キャリア変遷と共に~

Xの自己紹介にも書いてますが、普段は人事として、企業の健康経営推進を担当しています。また当然、それに関係する産業保健やメンタルヘルス,コラボヘルスも担っています。それ以外に、持株会社の人事として、グループ全体の健康経営推進に向けた各社との連携や、人的資本開示に向けた対応な対応も行ってきました。

今の会社は3社目でして、大学卒業後は保険会社系の健康支援会社に新卒で入社し、営業担当として、企業向けのEAP(Employee Assistance Program)サービスの営業活動とメンタルヘルス支援に従事。その後、医療に関する様々なコンサルティングを行うコンサル会社に転職し、コンサルタントとして、企業向けの産業保健や健康経営推進の支援に従事した後、現在に至る、という具合です。

また学会にも所属し、日本産業ストレス学会で2つと日本産業保健法学会で1つ、それぞれ委員も務めています。特に日本産業ストレス学会は、つい先日に名古屋で開催された32回大会では、シンポジウムでの演者と一般演題の座長と、登壇する機会をいただき、本当に充実した時間となりました!

医療職でない立場から展望すること

このように、「メンタルヘルス/営業」→「産業保健/コンサル」→「健康経営/人事」と、所属や役割、領域はその時々で変わっても、大学卒業以降、一貫して企業の健康づくりに従事してまいりました。我ながら変わったキャリアと思いますが、医療職でない立場から関わってきたことで、見えた世界観や感じたこともあるように思いました。

正直それだけで、noteが何本も書ける勢いですが(いや、書きたくても実際その時間がない笑)、今回は一つだけ、

人的資本経営

について簡単に取り上げたいと思います。人的資本経営とは、

人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方

経済産業省「人的資本経営~人材の価値を最大限に引き出す~」

とされています。「健康経営」をご存じの方であれば、超ざっくり言えば、健康経営を健康に限定しないのが人的資本経営とご理解ください(笑)。
(健康経営の詳細はコチラ:経産省HP

これ、人事として聞かない日は無いほど、人事界隈史上最大のバズワードと言えると思います。これまでは人件費という言い方をして「コスト」と捉えていたのを「資本」と捉え、また決まったルールのもとに粛々とオペレーション(運用)するのが人事の業務であったものが、企業価値の向上に向け、人に関する「戦略」として位置付けるという点などは、これまでの人事の世界観から劇的に変わりつつあると言えます。

人材版伊藤レポート(2020年9月)
「変革の方向性」より

なぜここまで劇的に変わりつつあるのかと言うと、「そうしないと企業が生き残れないから」「そのためには『人』が不可欠だから」です。

以下にある「グローバル化」「デジタル化」「少子高齢化」は日本社会全体の課題であり、特に企業において、これらに正面から取り組むとなると、「人」を避けては通れません。そうした際に、新卒一括採用や終身雇用、年功序列など旧来の慣行のままでは、それに適応できる人だけしか取り込むことができず、売上や事業規模など、様々な面で会社を大きくすることが難しいのは目に見えています。実際に中小企業の倒産理由は、業績悪化よりも「人手不足」が上回っているという調査結果もあるほどです。

人材版伊藤レポート(2020年9月)
「経営課題と人材戦略上の課題は直結」より

上記はいずれも、一橋大学CFO教育研究センター長伊藤邦雄氏を座長とする研究会により取りまとめられた「人材版伊藤レポート」からの抜粋です。
人的資本経営に必要な視点や要素、具体例が多数記載されていますので、ご興味のある方はぜひご一読ください!

産業保健は人的資本経営の土台そのもの!

ここまでお読みいただいて、産業保健の文脈では聞き慣れない言葉も多く、個人や職場の健康とあまり関係が無さそうに感じたかもしれません。

しかしながら、私がこれまで外部から様々な企業の健康づくりに携わり、現在は内部の人事部として現在進行形で取り組む立場として、「産業保健なくして人的資本経営は成立しない」と確信しています。

例えば先の人材版伊藤レポート2.0にも、「社員エンゲージメントを高めるための取組」の例の一つに、「健康経営への投資と Well-being の視点の取り込み」として紹介され、職場の健康づくりの意義が、ようやく「産業保健界隈」から「人事界隈」にも波及し始めたことを感じます。

また、私の現職でも人的資本経営の推進に取組んでいますが、健康経営はその推進における「4つの課題」の一つに組み込まれ、DEI(Diversity,Equity&Inclusion)と並んで「土台」と位置付けられています。つまり、どんなに「攻め」の施策に取り組んだとしても、その「土台」がしっかりしていなければ十分な成果が出せず、職場の「多様性」そして「安全/健康」は、その出発点として不可欠と考え取組んでいます。

この他にも、ここでは詳しい解説は省きますが、職場や働く人の安全や健康は、「サステナビリティ」(=持続可能性。「環境」「社会」「経済」の側面を全体的に考慮した持続可能な発展を目指す考え方)や"ESG"(E:環境、S:社会、G:ガバナンスに配慮する考え方で、企業が社会的責任を果たすための具体的な基準や指標)など、企業経営における様々な考えや指標に広まっていることも実感しています。

健診事後措置やメンタル不調者対応など、日々の産業保健活動はとても泥臭く、これらを日々なかなか実感できるわけでもないですが、目の前の社員や職場のみならず、会社が成長し、社会に貢献する「土台」を私たちが作っているという「誇り」を胸に、これからも産業保健を取り組んでいきたいと、書きながら思った次第でした。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

(追伸)
冒頭のヘッダーは我が家のあかくん(9歳♂)です!

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