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写真を特別な紙で印刷する

あなたは和紙についてどのくらい知っていますか?諸説ありますが、その歴史は深く1400年前に伝わったとされています。

今や様々な木が原料となる紙パルプから機械的に大量に作られていますが、昔はコウゾから原料を作り、1枚1枚漉いて紙の形にしていました。

紙は生活の必需品ですので、昔は多くの工房がありました。現在では数は減りましたが、まだ全国に100以上の工房が残っています。

各地域によって原料や作り方が少しずつ異なっていて、話を深く聞いてみると地域や自然とのつながりを感じることができます。

出来上がった和紙は独特な質感を持っており、繊維感や透け感などは一般的なパルプ紙と比べても異なることがわかります。

この和紙の特徴は写真、特にフィルムの質感とマッチしていると私は感じています。

和紙を使う意義

私が和紙を使う理由としては大きく2つあります。

・フィルムの質感とマッチしていること
・日本の文化として伝えられること

フィルムの質感との相性

私が和紙を使い始めたきっかけは光沢紙、マット紙のつや感が苦手だったからです。いやおうにも反射してくる表面が許せず、他の方法を模索していました。

いろいろな印刷業者を見ていたところPHOTOPRIさんで、和紙印刷を取り扱っていることを知りました。

実際印刷してみると、自分の写真との相性は抜群で、和紙を使うことを決めました。

ただ、和紙を印刷する上で一点懸念だったのは、写真が綺麗に写るのかという点です。和紙は繊維が長く、インクジェットでは印刷が難しいものが多いです。

ジークレー印刷というインクを吹き付ける方法か活版印刷という版で押す方法が必要になります。

しかし、懸念したことが無意味なくらい、写真はばっちりと印刷されました。目では綺麗な色を感じ、触れると和紙の独特な質感を感じることができる良い形になりました。

日本の文化を伝える形

和紙を作るための紙漉きの技術は、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。世代を超えて受け継がれ、地域社会とのつながりを生んでいることを評価されているそうです。

私たちが海外の写真を見ると新鮮味があったり、すごくいいものに感じたりするように、海外の人にとっては日本の文化を感じられることは特別な体験になります。

私は海外の方に写真を見てもらい、日本の文化的な側面も感じてもらいたいと思い、海外の方が触れる場所に写真を展示するよう動いています。

日本国内にいると当たり前に感じることも海外の人にとっては特別で、貴重なものです。

和紙で印刷する方法

業者に発注する

プリント業者には和紙を取り扱っているところがあります。まずはそういった場所に依頼するのがおすすめです。

PHOTOPRI

作品用の印刷サービスで、展示などで使う場合はこちらに依頼することをおすすめします。

和紙を購入して印刷する

もう一方は好きな和紙を購入して、自分で印刷をする方法です。現在はインクジェット対応の和紙も販売されており、手軽に印刷することができます。

インクジェットに対応していないものについては、お近くの印刷業者に和紙を持ち込み、印刷を依頼する必要があります。

Awagami Factory

阿波紙を扱っており、インクジェット対応の紙を販売しています。

Amazonで購入

各種ECサイトでも和紙は販売されています。必要なサイズを購入して、印刷することができます。

民芸店等で購入

実際に触ってみて購入したい方が多いと思います。各和紙の生産地域に行くと工芸品を扱っている場所があるので、そちらで話を聞きながら買うのが1番安心です。
福岡は八女に手すき和紙資料館という場所があります。

最後に

和紙の魅力と印刷方法を簡単にご紹介しました。質感に限らず文化的な側面も見ると、より和紙を活用する魅力が伝わるのではないかと思います。
ぜひ一度手に取ってみてください。

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shoji | 写真家
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