法人向けITプロダクトのプロダクトマネージャーになるには?
プロダクトマネージャーなんたるとは過去の記事で書きましたが、どうすればプロダクトマネージャーになれるのでしょうか?
大学生が新卒採用(就職活動)において、プロダクトマネージャーの募集を目にすることはほぼないでしょう。下手をしたら人事部や面接官がプロダクトマネージャーという職種そのものを知らないかもしれません。
「プロジェクトマネージャーのこと? それはね、PG→SE→PMっていうステップアップが・・・」みたいな会話になるかもしれないですね。別にバカにしているわけではなく、それくらい世間の認知度が低い仕事だということです。
自社プロダクトを持っている会社に入る
当たり前ですが、これが第一歩です。自社製品=プロダクトを持っていないIT企業では、プロダクトもプロダクトマネージャーも存在しません。実はこの時点でとても多くのIT企業がフィルタリングされます。日本のIT企業のほとんどはプロダクトを持っておらず、システムインテグレーションを生業としています。一言で言えば他社が作った製品を代理販売するか、業務を受託する請負です。
プロダクトマネージャーになりたければ、自分たちでプロダクトを開発して、顧客サポートして、営業して、開発者にフィードバックしてよりよいものを作っている「メーカー」に入社しましょう。まずはそこからです。
2.技術的に顧客と関わる仕事を経験する
プリセールスやテクニカルサポートがオススメです。プロダクトマネージャーとなるにあたり、多くの顧客とコミュニケーションした経験は何事にも代え難いアドバンテージです。
そもそもプロダクトを作るのは開発者なのに、わざわざプロダクトマネージャーが介在して開発者にああしてくれこうしてくれとお願いするのは、開発者だけでは顧客にとって適切な仕様で設計することが難しいからです。ビジネス要件=ユーザーストーリーと技術要件をまとめるにはそれなりの知見が必要です。
個人的にはテクニカルサポート(アフターサポート)がベストだと思います。メーカーのサポートは既存顧客から多くの改善要望を受けて開発者とネゴって極力顧客の期待に応えないといけないポジションです(そうしないとクレームを受けたり解約されちゃったりする)。それはプロダクトマネージャーの仕事にかなり近いものがあります。個人の姿勢と適正には寄りますが、むしろテクニカルサポートしてればプロダクトマネージャーの仕事の何割かは経験できるとも言えそうです。
ある程度技術に明るいとか世の中の技術的トレンドを追うのが好きな人であれば営業でもいいのですが、残念ながらIT営業というのは技術知識に乏しい人が多いです。
ちなみには私は営業出身ですが、「メーカーの営業たるものSEに頼らず案件をクローズできないといけない」という当時のCTOが作った掟により数々のトラブルや政府系・金融案件を一人で取り組まないといけなかったこと、海外営業担当していた当時は英語話せるSEが全然いなくて自分一人で事前打ち合わせからインストールまでやらないといけなかったことから、かなり技術に強くなり今に至ります。
「営業の延長で、なかなかの何でも屋である」系の人は営業出身でもいけると思います。むしろ顧客に製品を売るプロセスを経験しているというのは大きな強みであり、開発者と技術的な会話をできるレベルまで辿り着けばとてもよいプロダクトマネージャーになれる可能性があります。
「こうだったらいいのに」と日頃からイメージを働かせ、言語化して周りの人に話す
「ウチの会社はあれがダメだ」「あのプロダクトがこれがダメだ」と口にしたことがない人はいないでしょう。特に意味不明な仕様や不具合でトラブルに巻き込まれたサポートとか、コンペで負けた営業とかですね。
その際に「あれがこうだったらいいのに」となるべく具体的にイメージ・言語化できる人はプロダクトマネージャーに向いています。技術的にこうであるべきというだけでなく、ユーザーのこんな課題をザックリこんな感じで解決できるものであるとよいのにとか使っている人のことをイメージできるとすごく良いです。
そして、そういう自分のアイデアを社内の色んな人に話してみましょう。そうしていると「あいつ想像力ある」「いいアイデア持ってる」「面白いやつ」と思ってもらえるかもしれません。
今の部署で実績を積む
プロダクトマネージャーはプロダクトという事業の中核を担うポジションと見なされます。実際プロダクトマネージャーがどこまで成功に貢献できるかは担当者の手腕次第ですが、ともかく一般的に期待値は高いです。自分の希望を通すために物を言うのは実績なのです。
プロダクトマネージャーは営業・サポート・開発など多くの部署と多面的に関わります。彼ら彼女らと良好な人間関係を築き信頼を得るには、一緒に仕事をして、実績を積み上げていくことは必須です。
大雑把に言ってしまえば「この人ならできるよね」と思ってもらわないといけません。顧客トラブル一つ解決できないとか、すぐに厄介事を別部門に放り投げるとか、全然技術的な会話についていけないとか(ついていけないとしても学ぶ姿勢が感じられない)、そういう人では信頼されないのです。
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