『ハラキリ』(1919)【海外映画の中の“日本”】
『メトロポリス』のフリッツ・ラング監督初期作品。
ドイツ版『蝶々夫人』。
19世紀後半から続いてきたジャポニズムの、一つの到達点。
大名の娘
↓
尼僧(巫女)
↓
吉原の茶屋娘
↓
外国人の現地妻
とローリングストーンしてゆくヒロイン、
オタケサンの数奇な運命。
海軍士官の火遊びから放置された後、
高貴な身分の男性から求婚されたり、
国元の正妻にまでも情けを掛けてもらいながら、
「恥辱に生きるより名誉の死」
と、父同様ハラキリを選ぶ。
正妻がとても理解ある優しい女性で、
浮気相手であるオタケさんの立場と心情を察し、
アホな亭主に替わって、子供を引き取るとまで
申し出てくれる。普通、無いよねぇ。
あまりに出来すぎてて、意図的な何かを感じる。☆
民俗博物館から日本の衣装や小道具を借りて、
ベルリンで撮影したとか。
ラング監督が日本大好きだって事は良く解った。
『スピオーネ』でも日本人にハラキリさせてるし。☆
【その他の特筆点】
▼呼び出し合図はドラ
▼外交大名の父の土産はトランク入りのテディベア
▼大僧正の石造寺院(神殿?)
▼イカツイ顔の大仏
▼実は長崎にあった吉原
▼子供の手が容易に届く所へ置かれているハラキリ刀