『アナタハン』(1953)【この映画に注目!】
♪ケイちゃん おいでよ♪
♪ケイちゃん おいで♪
♪サアヨイヨイ!♪
♪ケイちゃん!ケイちゃん!♪
(←作詞:キリヤマ隊長)
太平洋戦争末期。南洋の孤島。
男多数の中に、女(ケイちゃん)が一人。
終戦を信じない男達が、女を巡って殺し合う。
実話を元にしたサバイバル譚。
墜落した飛行機の中から
二丁の拳銃が発見された事により、
“王様”の存在が出来る。
キリヤマ隊長と舞の海秀平が初代王として君臨し、
オラオラと幅を利かせるが…
「王は二人も要らねぇ!」
とばかり早速袂を分かつ、キリヤマvs舞の海!!
しかし、この王様ってのが実に短命で
コロコロ変わっていく。
一日と経たずマヌケに殺され、
拳銃を引き継いだ次の王様が“即位”するのだ。
死体を埋めて、十字架を立てて、
「パン!パン!」と手を打つ葬式。
…もはや何か“禁じられた遊び”の絵面だな。
月日を忘れたとか言いながら、新年を祝って
国旗と君が代、天皇陛下万歳三唱。
二度に渡り、終戦の知らせが放送やビラ等で
飛び込んで来るも、
「―――んな事より、ケイちゃん探せ!」
と、性欲を満たす事が優先。☆
まさしく狂気の世界だけど、『蠅の王』の様な
身の毛もよだつ恐ろしさは無く、
幾分滑稽に感じられる。
敢えてそういう作風にしてるんだろね。
(史実はもっとエグいらしい)
それが頂点に達したのが、幽霊となって
ゾンビの形相で日本の地を踏むキリヤマ!(笑)
あまりの素晴らしさに噴飯必至ですぞ。☆