『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』(2015)【海外映画の中の“日本”】
―――ボケてたまるか!!☆
名探偵シャーロック・ホームズの、晩年93歳の物語。
コレはなかなか興味深いね。
そこに描かれてる彼の姿は、「老いてなお健在」
などという、颯爽としたものでは無い。
「ダメだ、思い出せん…!」
痴呆に抗い、失われつつある細い記憶を懸命に辿り、
自らの失敗が生んだ悲劇の真相を書き記し、
決着を付けるべく奔走する、老人ホームズ。
美化創作された虚像では無い、
弱さを持つ生身の人間として描かれている。
『シャーロック・ホームズ』の映画も観に行くし(笑)
ボケ防止の為に日本で入手した山椒を摂取し、
煎じて皮下注射しようとしてブッ倒れたりと、
悪戦苦闘が続く。
これを手助けしてくれるのが、同居している
家政婦の息子・ロジャー。何気に最重要人物。
自宅庭の養蜂場で、ミツバチの原因不明の
怪死が続くというサブストーリーが同時進行。
聡明なロジャー少年の洞察力に刺激を受ける事で
記憶の断片を徐々に蘇らせていくホームズ。
これは違った意味で、手に汗握るスリリングな展開だね。☆
頑張れホームズ!と応援せずにはいられない。♪
日本での真田広之とのシーンも印象深い。
1947年のヒロシマ。
ぶっちゃけ、日本である必要は無かったかもだけど…。
あと何と言っても、中盤登場の…
“悪魔の楽器”・アルモニカ!
劇中でも、これに魅せられた夫人が精神を病んで…
というくだりがあるんだが、コレがなかなか
怪しい響きで良い。♪
一回演奏してみたいな。いや、ホントに一回だけ…。☆