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第60回理学療法士国家試験 解剖・生理自律神経分野予想問題
今年も理学療法士の国家試験は近づいてきました。そこで、今回、未出題の予想問題を一つ作りました。時間がある方は解いて見てください。
問題は解剖・生理分野の自律神経に関する問題です。
問題を作成しようと思ったのは。59回の問題が超難問であったからです。59回も問題を見てみましょう。
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(62) 交感神経の節前線維で直接支配されるのはどれか。(59回午後62)
1.肝臓
2.心臓
3.気管支
4.唾液腺
5.副腎髄質
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答えは5でした。
解説は以下を参照してください。
交感神経・副交感神経に関する問題は毎年1問出題される傾向があります。しかし59回はかなり難問でした。正解率も低かったと思われます。このような場合、数年は難易度が低い(簡単な)問題が出る可能性が高いです。したがって、第60回は交感神経・副交感神経については、過去問をやっていれば正解できるような簡単な問題かもしれません。しかし、第60回でも、もう一問難問がでるかもしれないと思い今回記事にしました。
交感神経・副交感神経については、出題頻度が高いので、過去問でも、知識が出尽くした感があり、その意味では第59回の問題は意外だったです。ただ、第59回の問題について調べている過程で、私自身いままでしらなかった知識があることに気がつきました。これは以下のサイトの情報です。
このサイトで、第59回の問題の内容の答えが示されていました。下図の下から2段目です。そこには、交感神経の節前線維が直接支配する臓器は副腎髄質であると図入りで書かれていました。
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そしてこのサイトから、自分の知らなかった知識があったので、それを用いて、予想問題を作ってみました。
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交感神経節後線維の化学伝達物質がアセチルコリンであるものを選べ。
1. 心臓
2. 気管支
3. 小腸
4. 汗腺
5. 男性生殖器
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いかがでしょうか?
国試的には
交感神経の節前線維はアセチルコリン、節後線維はノルアドレナリン
副交感神経の節前線維はアセチルコリン、節後線維はアセチルコリン
と覚えます。
でも、問題では交感神経節後線維の化学伝達物質がアセチルコリンであるものを選べとなっています????
そんなの、聞いたことない!ですよね?
でも前述のサイトの図の3番目を見てください。
なんと、汗腺の場合、交感神経節後線維の化学伝達物質がアセチルコリンとなっています。
したがって、予想問題の答えは4.汗腺です。国試では、このような例外的な知識が問われる事が多いです。
汗腺は、特殊な存在で、以下の表のように、副交感では作用しません。併せて覚えておいてください。皮膚(血管・汗腺・立毛筋)に副交感神経作用がない事も併せて覚えてください。
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