自分との調和を図れば、生きるのが楽しくなる
これまでは、外と調和を図る時代だった。
外の世界と調和を図り上手くやっていく、そういったことができる人が重宝された時代だったといってもいいだろう。
これがいわゆる土の時代のあり方だった。
とはいえ、外の世界と自分を調和させることは、苦労を伴うことが多い。
なぜかといえば、自分の本音を脇に置き世間的な基準に自分を合わせていかなければならないからだ。
自分の考えと異なる行動を取るということは、不一致な状態を保つことになるため、何かしらの不具合が生まれるのは仕方のないことといっていいだろう。
しかし、こういった不一致な状態であっても、それが経済的な豊かさが担保さえるのであれば、まだ我慢できたに違いない。
昭和の経済成長からバブルが崩壊するまでは、外向きでもやっていける時代だった。
しかし、バブル崩壊後の低経済成長の時代になると、ご褒美がない分、ただただ疲弊を感じるだけとなっていく。
自己不一致な状態で生きていると、生きることそのものに楽しさを感じることができない。
このことが、心身的な疲弊が生まれる原因となる。
不一致の状態が続けば、これはおかしいと思うようになり生きることの意味を考えるのも自然な流れとなる。
そういった意味では、平成という時代の30年間は、土の時代といわれた外に合わせる生き方を考え直す時代だったように思う。
そして、令和を迎え徐々に精神性の重要性を多くの人が理解するようになり、いわゆる風の時代の特徴である自分と調和を図ることが主流となる時代を迎えるようになったといっていいだろう。
自分と調和を図り納得のできることをして生きるようになれば、心も体も疲弊することがなくなっていく。
また、自分が心から納得できることをしていると、自分の能力を最大限に発揮できるようになるため、無理をすることなく結果を導き出すことができるようになる。
個性という自らの能力をフルに使って生きることは、効率的で持続可能な生き方といっていいだろう。
自分と調和を図れば喜び感じられるようになり、生きることの価値を見出だすことができ健康的に生きていける。
そうやって、日々、喜びを感じて生きていれば自分に対して自信を持てるようになり、「私」という存在そのものを全肯定出来るようになる。
「私」という存在を全肯定するということは、この私には欠けている部分は何一つないということを実感することである。
こういった実感を常に持って生きていけば、意識のあり方が拡大していくのは自然な流れといっていいだろう。
意識が拡大していくということは、自我を超えた視点を持てるようになるということであり、いわば全体意識に焦点を合わせて生きるようになることである。
個を超えて全体に焦点を合わせて生きるということは、その中でこの自分をいかに役立てて生きるかという視点に立つということでもある。
自我があまりにも強くなると苦しさが生まれるものである。
しかし、全体の中で自分の役目を果たしていけるようになると、自我性が薄まっていき心地よさが生まれてくる。
つまり、全体に焦点を合わせて生きられるようになると、それまでの自我性の強い生き方の苦しみから解放され、全体の中で楽しみながら役目を果たし調和を取ることができるようになる。
現代の我々は、外側に合わせることで生まれた苦しみの時代と、内側と調和を図ることで得られる楽しさを感じて生きるという二つの時代を体現できているといっていいだろう。
これからは、自分と調和を図り、この「私」は唯一無二で完璧な存在であると自覚している人が中心となって新しい時代を創り出していく。
唯一無二というのは得意不得意を認めた上で、自分という存在のすべてを受け入れ、その個性を能力として活かしていけるということだ。
こういった完璧さを使って「私」が持つ個性を最大限に活かし、生きることに喜びを感じながら自身の可能性を拡大していく姿を、世の中に反映させていくことができるようになる。
こういった生き方が、まさに「風の時代の生き方」となる。
この「風の時代」を謳歌するには、「自分と調和を図ること」がすべての出発点となる。
自分と調和を図るには、自分の個性を理解し、それをどうすれば最大限に活かしていけるかを見出していくことが欠かせないといっていいだろう。
これさえできれば、あとは淡々と自分を生きていけばよくなっていく。
人は、自分自身に納得して生きることができれば、それだけで自身の能力を発揮できるようになるのだ。
自分と調和を図ることは誰でもできることであり、このことはいつでも始めることができる。
自分自身を楽しみながら最大限に出来ることで調和を図り、その喜びを表現していけば、それだけで全体の調和に寄与することができるようになる。
これから先、自分と調和を保てる人が益々増えていけば、世の中が瞬く間に変化していく。
我々は、そういった変化していく瞬間を目の当たりにすることだろう。
自分との調和を図れば、生きるのが楽しくなる。
これからのダイナミックに変化していく時代を、自分を主人公として生きていく。
自分の気持ちに素直になり心から自分を楽しんでいくだけで、誰でもが全体のために役立って生きていけるようになる。
自分を楽しんで生きる、それが生きる意味といっていいだろう。
そんな時代を我々が生み出していく。