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幸せになるための近道

慌てて動いていると、思考も体も硬くなる。

しかし、慌てずにゆっくりと動いていると、思考も体も緩んでいくため幸福感が湧いてくる。

人はゆっくりと動けば動くほど、意識を今に向けることが出来るようになる。

普段、歩いている道でも余裕を持って、あえてゆっくりと歩いていると、ふと空を見上げて雲を眺めたり、道沿いに咲いている小さな花に気が付くようになったりして、急いでいると見落としてしまいがちななことを見つけることが出来るようになる。

雲の動きひとつを見て取って心を動かすことが出来れば、それが気づきとなる。

たとえ、それが些細なことでも、そこで得た気づきは人の心を満たす。

道端の花の美しさに気づけば、小さいけれど幸福感を得ることできるだろう。

そうやって、少しづつでも心を満たしていけば、やがて心全体が満たされるようになって、じわじわと幸せを感じられるようになっていく。

人は、あたりを見回す余裕があれば、幸福を感じられるようになれる生き物だ。

あたりを見回す余裕とは、今、この瞬間に満ち足りているということであり、そういった余裕を持って過ごしていると、徐々に幸福感が湧き上がってくる。

その反対に、体を急いで動かせば、気持ちも急いていくものだし、焦って何かをすれば、急いでいる分、体の方でもミスが起こる。

ミスが起これば余計に気持ちが急いて空回りし、どんどん心に余裕がなくなっていく。

しかし、気持ちを落ち着かせ目の前のことを丁寧に行っていけば、思考も落ち着き身体的な誤作を起こすこともなくなっていく。

太極拳やヨガのよさは、敢えてゆっくりと体を動かすことで、意識を今に向けることが出来るようになるところ。

だから、太極拳やヨガを日々、行っていると気づきが生まれやすくなる。

気づきは、人の意識を覚醒させる。

小さな気づきでも、それを蓄積させれば大きな気づきとなる。

人は誰でも幸せになりたいと思って生きている。

しかし、幸せになりたいと思うあまり、急いで幸せになろうとすると、逆に幸せが逃げて行く。

急いでしまう心は、今足りていないという思いがあるからであり、それを満たしたいという思いが強すぎることで生まれてしまう。

急げば急ぐほど足りていないという思いに焦点を当ててしまうため、むしろ足りないという現象を引き寄せてしまう。

しかし、心に余裕を持って動いていれば、今この瞬間の「ある」に意識を向けることが出来るようになって、「足りている」という思いを引き寄せることが出来るようになる。

幸せになる近道は、急いてしまう気持ちをぐっと抑えて、あえてゆっくりと余裕を持って動くことなのだ。

幸せは、急いでいては得ることは出来ないが、急ぐことを辞めて意図して悠然と生きれば、確実的に幸せに近づいていけるようになる。

急いでいたり焦っていれば、幸せは遠ざかる。

人生は、矛盾に充ちている。

急いでいるときこそ、あえてゆっくり動く。

そうすれば気づきが生まれ、その気づきによって大きく前進できるようになる。

心に余裕を持って悠然と、今を歩んでいくことが幸せになるための近道となる。

心も体も柔らかくして悠然と今を感じて生きれば、この人生を優雅で豊なものにすることができるだろう。


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アキタロウ
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