メインメニュー
今日の夕飯は何にしようかな。
夕方の悩みはそんなところから始まる。
我が家は父親が仕事帰りのついでにスーパーに寄り夕飯の具材を買ってくる。
そして、私が材料を見ながら夕飯のメニューを決め調理をしている。
割引されている魚や肉を買ってくるので、毎日アバウトな材料は買ってこない。
そもそも父親が買ってくるので言ってしまえば父親の好みでその日の夕飯のメインが決まるのだ。
冷蔵庫を開ける度に今日は何かなと、考えるのは存外楽しいが、メニューを決め調理するのと、冷蔵庫を開け材料を当てる楽しみはまた別なのだ。
魚だったら煮魚ばかりになって家族から
「えーまたー」
なんて文句を言われるし、
肉であるなら醤油とみりんとの味付けでまたも
「えーまたー」「昨日も食べた」
などとこちらも文句を言われる。
単純に料理のレパートリーが少ないのだ。
同じようなメニューは食べる側もそうだが、作る側も飽きてくる。かといって手の込んだものを作るとなるとそれだけで作るのに時間がかかり何だか食べてもいないのにお腹いっぱい食べた気分になってしまう。
それに今の時期はとにかくキッチンが暑い!!
これに尽きる。
冬場は暖を取るのに火を扱うキッチンは特別な温かさがあるし、なんなら温まる料理を考えるという冬場特有の楽しさがある。
どうしたものかと悩んだ末に本日のメインメニューを親子丼に決めた。
決まったはいいものの私の中では親子丼はメインに入っていいのか悩ましいところがある。
うなぎや、鉄火丼のようにボリュームや特別感のある丼飯はメインとして私の中でランクインをしている。
けれど、親子丼は肉を卵で包んでご飯に乗せたもの。これがメインだと言われると、
「微妙だよな」
どうにも腑に落ちない。
それにお店で親子丼とメニューで書かれていてもわざわざお店で食べるものかと、つい考えてしまう。
とはいいつつ親子丼が好みではないかと言われるとそうでもなく、食べれば美味しい。味付けはシンプルで調理の手間も少ない。実に簡単で美味しいメニューだ。
似たような肉を卵で包んだ丼飯だとカツ丼なんかもそうだが、カツ丼の特別感は計り知れない。
カツのあの重量感と輝く卵にグリーンピース。
3種の食材が見事にマッチしている。
美味しいよな。
なぜ肉を揚げてあるかそうでないかでこうも違うのか。
そもそも鶏肉と豚肉でなぜこうも違うのか。
親子丼が私の中でメインとして輝かく日が今後来るのだろうか。
親子丼と私の相容れない戦いはまだまだ続く。
終わり
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