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低学年の道徳で感動した話


はじめに

「道徳って難しい・・・」
この言葉は高学年を指すことが多いんじゃないかな。

「そんなこと聞いてもわかりきっている」
ってことが多いかもしれません。

例えば、子どもたちは
「命は大事」って知っているし
「友達とは仲良くなりたい」って思っているもんなんですよ。

じゃあ、道徳って何で勉強するのっていう話になると思いますが、
この辺りのことはまたそのうち語るとして・・・

今日は低学年の道徳の話をしたいと思います。

低学年だといって侮ることなかれ

むしろ低学年の方が難しいってこともありませんか?

低学年特有の難しさ

低学年で授業をするときには何が難しいのでしょうか。
以下、私が考える難しさです。

  1. 教材を理解するのが難しい

  2. 発問を理解するのが難しい

  3. 深い思考へと導くのが難しい

1に関して
道徳で話し合おうとするときには、教材を理解していないことには
話し合いが始まりません。

教科書の教材は、話の中身がわかりやすいものがほとんどですが、
時々難しいことがあります。

そこで、話をわかりやすくするために

  • 教材をスライドなどで示す

  • 読む前に「あらすじ」を紹介する

  • ペープサートを使う

などの方法があります。他にも知りたい方は画像をご確認ください。

拙著『おもしろすぎて授業したくなる道徳図解』より


2に関して
発問を理解していないということも多々あります。

というか、答え方がわからないのかもしれません。

例えば、
T:「食べ物では、何が好きだからですか?」
C:「りんごです」
T:「どうしてですか?」
C:「りんごだからです」

こういったやりとりが行われることは日常茶飯事です(汗

そこで、発問ではなるべく「具体的に」問うことを意識します。
△「この場面を見てどう思うかな?」
○「この場面で王様が喜んでいるのはどうしてだと思う?」

上の言い方の「この場面を見てどう思う?」だと、
答えが拡散され過ぎてしまいます。
うまいことファシリテートする自信があるのならば、問題ないと思いますが、
そうではない方は下の言い方の方が答えやすくなるのでおすすめです。

3に関して
これは正直言って難しいです。

冒頭申した
「命は大切です」や「友達とは仲良く」が
出てきた時点で、低学年ならある程度いいのでは?
という気もします。

それ以上を狙うのなら、
避けて通れないのが「問い返し発問」になるでしょう。

これに関しては、実践を交えてお話しします。

1年生の実践

「どうしてかな」(日本文教出版 1年生)

1年生の実践紹介です。
若手のクラスを借りて実践しました。

導入では、「学校のきまり、どのようなものを知っていますか?」と問いました。

C:「廊下を走らない」
C:「名札をつける」
C:「遊具で押さない」

とまぁ、お決まりの答えが返ってきました。

そこから教材を読みました。
教材では、同じことをしても場所によって、褒められたり、叱られたりということが描かれていました。
例)校庭で走る→「元気だね」と褒められる
  廊下で走る→「危ない!」と叱られる

さて、これを普通に聞いていても面白くありません。
そこで、秘密兵器登場です。

おさるの「もん太」

このお話し。実は登場人物が動物で表現されています。
そして、主人公は「おさるのもん太」でした。

ということで、パペットを「もん太」として登場させました。

T(パペット)「う〜ん・・・ぼくしかられちゃった。走ってただけなのに、どうしてかなぁ・・・」

こんな感じでパペットにしゃべってもらいます。
(この時点で、パペットの喋りが発問になっていることに注目してください)

C:「人にぶつかったら危ないからだよ!」
C:「相手がけがする」
C:「自分もけがするかも・・・」

子どもたちは言いたくて言いたくて仕方ない様子でした。
というか、「おさるさんに教えてあげたい」という気持ちが強く働くようです。

さて、場面ごとの「どうしてかな」を考えた後は一般化していきます。(黒板左下)

T(パペット):「みんなの言っていることはわかってきただけど、どうしてきまりを守らないといけないのかな・・・楽しくないよ」

またもやパペットに喋ってもらいます。

すると、
C:「命にかかわる」
C:「勉強できなくなる」
C:「自分も友達も怪我をする」
という意見が出ていました。
ここまでくると、もうひと押しです。

T(パペット):「じゃあ、きまりを守るといいことがあるの?」

C:「(守ると)いいことになる」
C:「ほめられる」
という意見が出てきました。

ここで終わってもいいんだけど、ちょっとばかし意地悪したくなりました

T:「ほほう。ということは、誰も見ていないところだと、きまりは守らなくてもいいってことか。だれも褒めてくれないもんなぁ」(ここがいわゆる問い返し発問に当たります。)

すると、子どもたちからは反論が。

C:「それは違うよ!『自分の心が自分のことを褒めてくれるんだよ』」
C:「そうそう!心が明るくなるってこと」

正直言うとこんな回答が返ってくるとは思ってもみませんでした。
だってね、1年生ですよ。

いやぁ、道徳っておもしろい。

おわりに

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

「道徳の授業難しい」とか「おもしろくない」とかいう声が聞こえてきたので、
少しずつこんな感じで、発信していきたいと思います。

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