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【連作】あかつきに

ムーミンは眉間に皺を寄せながら白夜に溶ける暁を見る

誰よりも柵の近くで手を振った乗りたいバスを見送りながら

海を越え花の都のぎゃるピース(渋谷の風がよぎったような?)

薄荷色のニューバランスの靴底につくはずのない泥のまぼろし

ここからの言葉は遠い もう五分続く霞んだ酸素濃度は

隙間から熱い粘土が溢れだしそうにビブスを握る拳よ

四年後の歳を数える流星のごとく誰かの夢も運んで

この星のそこここに散り向かい合うまた次にまみえるあかつきに


パリ五輪での男子バスケットボールを追いながら作った短歌です

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