キリンジ『3』RYMユーザーのコメント欄【英語の勉強📖】
Rate Your Musicというサイトです
RYMでキリンジの『3』に寄せられた「comments」を見ていきます。RYMってどんなサイトか気になる人向けに説明を引用↓
英語のサイトなので、読んでると結構疲れる。
割りとユーザーが多めなので、「キリンジ rym」みたいな手抜き検索で普通にヒットする。キリンジ『3』のページはこちらへ。
なお当方、平均的な英語苦手型日本人なので、英語の勉強だと思ってダラダラ読解を頑張っていきます。よって、よくある海外の反応系まとめサイトのペースとはかけ離れたものになります。
今現在のコメント総数は24。そのうち23は取り上げた(ひとつはどうしても意味がわからず、大した内容でもなさそうだったのでスキップ)。
コメント1(スタイル的な話)
1番古いコメントは2020年2月。
plesant...心地よい、楽しい、など
long-winded... 以下のweblio英和和英辞典を参照
2つ目の「長たらしい、くどい」という意味が、逆説が続く文脈に合ってそう。
・af...「as fuck」というスラング、強調の意となる。
というわけで、訳してみると、こんな感じか。
5分未満なのは、インストの7(Shurrasco Ver. 3)と、9(君の胸に抱かれたい)、10(あの世で罰を受けるほど)の3つだけなので、まあ妥当な感想ではある。
スタイル的にすごく似ているというのは、主に曲構成やサウンド面の話だと思うが、それもまあ否めないか。
その話かは分からないけど、このアルバムや、それに続く『fine』、『For Beautiful Human Life』を聴いていると、歌終わり、後奏がやたら長い曲が多い気がする。「イカロスの末裔」のようなAメロの進行をなぞっていくエンディングとか、「悪玉」のそれとか。僕は、少なくともこれらの曲において、それが悪いとは全然思わないけども。
5分と少しある「アルカディア」なんかも、歌唱自体は3分台で終わるので、そのあたりでスパッと終わるなら、2分弱ほど節約できる。そんなこと考えるのはサブスク脳すぎて好きじゃないが(この曲の後奏の盛り上がり最高だし)。
海外でもそういう、短い歌がウケやすい傾向はやはり強くなっているのだろうか。てか海外の人気曲は元から比較的短いの多いか。
コメント2-5(エイリアンズ論争)
RYMではユーザープロフィールページみたいなのがあるが、こちらのユーザーは唯一日本在住の方で、どおりで分かりやすい文章だなあと思った。ありがたい。
はたまた、逆に、エイリアンズ懐疑派もいる。
文頭の「man」は大した意味はない系のヤツだとは分かるが、一応調べると詳しげなサイトがあったんで載せておく。要は「oh boy, 」(ビートルズの「A Day In the Life」で出てくるヤツ)みたいなのと似ていて、間投詞ということらしい。
「I love kirinji more than most」ってのは、ハチャメチャな強調表現かとも思ったが、調べてみると「more than most (people)」という意で使われているようで…(知恵袋では僕と似た思考回路の回答者がソレっぽいアンサーをしてしまっているが)。ムズい。「そんじょそこらの奴らより」的な感じか。
「biggest song」という形容は何となく分かるものの、バシッとくる和訳は思いつかず、これも「big」で調べてみた。
文脈次第でやはり「人気がある」みたいな訳し方も存在するようだ。あるいは、引用の二つ目の例文のように「有名だ」というような意も含んでいるのかも。言わずもがな、エイリアンズはキリンジで1番YouTube再生回数が多い曲だ。
「it's just decent」は文脈からして、あまり褒めてない内容なのは分かる。
「decent」自体は「きちんとした」みたいな良い意味が辞典の前半に多いが、ネイティヴ的にはそうでもないという情報アリ。
「まあまあだった」、日本語で考えてみても、時と場合によっては最悪に近い表現だ。
最悪だ。
また、weblioに「a decent person 感じのいい人」という例文があり、これが今回の文意に近いかなと思った。「ただ感じがいいだけだよ、整ってるだけだよ」てなもんかな。暗に「まぁまぁだ」とも言ってる感じ。
「now '車と女' is a REAL hit B)」の頭の「now」は単に「今」という意味だけなのか、接続詞としての役割(さて、ところで、では、など)なのか。後者を意識してみる。
「hit」は何となくいい意味には違わず、「大当たり」なんて訳もあるが、まあ直前との対比もあわせて、「最高」って感じでいいかな。
文末の「 B)」はおそらく顔文字。英語圏の顔文字は横向きに見ないといけないらしい。頑張って意識すれば「B」が目、「 )」がほころんだ笑顔の唇に見える。
というわけで訳してみる。
「車と女」、確かに👍
はたまた、4つ目のコメントに、単にエイリアンズアンチも連なる。
ファッキン2回も言ってる。
スラング多めなんで正確に訳すのは辛いけども、「エイリアンズにはマジ耐えられないクソすぎる」みたいなことを言っていると思われる。
続く5つめのコメントは、すぐ上のコメントへのリアクションだと思われるが、英語じゃないのでサッパリ。普通にブラウザ翻訳を使う。ポルトガル語と表示された。
「好きになるまで何回か聴かなければならない」ってのは音楽好きなら結構体験することである。個人的にはいわゆる「シティポップ」がそうだったが、人によって色々あるだろう。
僕はエイリアンズに衝撃的にハマったけど、そうじゃない人も多いのはよくわかる。地味っちゃ地味だし。ましてや言語の壁などで、キリンジの言葉の良さがスッと入ってこないと、また違った聴こえ方になるのかもしれない。
コメント6-10(シンプルな感想)
わかる。
「世界で最高の音楽」のライブ版↓
わかる。
「こいつら汗だくだな」って感じか。わかる。みんな思うヤツ。実際は撮影用に何か塗っただけだとは思うが。
3枚目のアルバムだから『3』、「正確なタイトル」。はい。メジャーデビューして3年目でもあった。
わかる。
コメント11(笑)
「Shurrasco」はこのアルバムの7曲目(正確には『Shurrasco Ver. 3』)のことだろう。
ブラウザ翻訳も機能せず、意味不明だったが、ポルトガル語と仮定して検索すると少しわかった。
「vei」は英語の「bro」とか「dude」みたいなものらしい。大して意味はないヤツか。
「kkkkkk」と6つもkが重なっているが、これは日本で「wwwwwww」と笑いを表現するようなもので、「カッカッカッ」的な笑い表現らしい。下の回答ページでは「jajajaja みたいなもの」というのもあって、色々バリエーションあるなあと思った。
というわけで、なんかしらんけどウケちゃってる変なコメントにみえるのだが、ちゃんと仮説は考えられる。
「Shurrasco」でブラウザ検索してみると、キリンジのこの曲に関するページばかりヒットして、あの肉料理に関するものが全然出てこない。そして、「もしかして : churrasco」というヒントが出てくる。
シュラスコの正しいスペルはCで始まるようで、キリンジのタイトルの方は誤ったスペルとなっているようだ。ワザとだったりする?
ともかく上のコメントは、「Shurrascoてミススペルじゃんおいおいwwwwww」という、もっともなコメントのようだ。こちらのユーザーはブラジル在住らしいので、シュラスコに身近だろうと思われる(weblio「churrasco」によると、「ブラジルの肉料理」らしい)。余計に気になって仕方なかったのだろう。
コメント12-16(RYM内での隆盛)
2022年8月の時点で、ついにRYMのオールタイムのチャートに表示されるようになったようだ。それでもベスト10000に入ったに過ぎないらしい。まあ音楽はもはや無尽蔵に存在する。
続いて10月、12月のコメント。
「bolded」は、ここでは「太字にされた」という意味で、RYMのシステムの話だ。
アーティストのページを一瞥すると、例えばアルバムのリストの中で一部、そのタイトルが太字で表記されたものがある。それが正確にどういう基準で決められるのかは調べてもはっきり分からなかったが(気になる人はこちらのRYM内のスレッドなどが役立つかも)、一定の評価が得られた内容だということを示すものではあるようだ。
今の時点ではキリンジの作品の中では、このアルバムだけが太字になっている。
例えばビートルズでは、下のスクリーンショットの通り、『Help!』(1965)以前は太字にはなっておらず、ここからのオリジナルアルバムはすべて太字になっている。
wtf...what the fuckの略で、「なんてこった」的なヤツ。
2022年8月から2023年1月(約4ヶ月)の間に9000位台から4000位台へと随分順位が上がったようだ。この間に何があったのやら。
おそらく英米のアルバムで名の知れたものは順位変動が起きづらく、そういう急激な変動というのは珍しいのだろう。それこそ、fishmansがいきなりRYMで高評価を増やしたみたいなことはレアケースだったはずだ。
キリンジの『3』は今現在は4800位台に位置している。レビュー数は約450ほど。
この「Now」も間投詞的なやつか。weblioに良さげなヤツあった。
この場合は、命令文に勢いをつけた感じか。
あと、「the rest」は「残り」という意味。というわけで、
こんな訳だろう。
続く17個目のコメント、ちょい長い。
文頭の「Damn」も間投詞みたいなもんで、大した意味はないと思うが、訳すなら「マジかよ」くらいのもんだろう。
「the first bolded album I've listened to in forever」という部分の「in forever」が引っかかった。
色々調べてると、「for the first time in forever」という表現についての質問があった。この表現の省略なのかもしれない。
回答によると、「めっちゃ久しぶり」みたいな意味らしい。「初めて」とまではいかないのか(まあそうだったらin foreverってわざわざ加えなくていいか)。
ほんで、よく考えると本文中に「the first bolded album I've listened to in forever」というふうに、分割されて一応ある程度存在している。なので、このイディオムが使われていると考えてよさそう。
というわけで、訳は、
てな具合でどうだろう。ちなみにブラウザ翻訳版だと、
という具合にわけわからんのである。「bolded」の概念が共有されていないこと、英語特有の「一つの文章がいちいち長い」現象が起きていることが影響している。
コメント18、19(キリンジの知名度)
続くコメント。
「キリンジがここで本当にあまり知られていないのは驚きです」というようなことを言っている。このユーザーは韓国在住らしいが、この人がそう思うということは、日本贔屓ではなく本当にそうなんだろう。
続くコメント。
この方は、上で「エイリアンズは好きになるまで何回か聴かなければならない類の音楽...少なくとも私もそうだった」というコメントをポルトガル語で残していたユーザーと同一人物だ。
第二言語として学んだからなのか、全体的にわかりやすい英語を書いてくれる人である。
文末の「tbh」は、「To Be Honest」の略で、「正直に言って」。よりフランクには「ぶっちゃけ」とか「まあ」くらいのものらしい。
「contemporary」はそのままコンテンポラリーでも構わなかったが、横文字の羅列があんまり気に入らなかったので漢字に起こしてみた。
2023年5月のコメントなので、「最新の3枚」というのは、『愛をあるだけ、すべて』(2018)と『cherish』(2019)、『crepuscular』(2021)のことを指している。
YouTubeに上がってる「時間がない」あたりのコメント欄はやたらに日本語以外のコメントが多いので納得。
コメント20(陰謀論者への怪訝な眼差し)
流し見している時は「フロリダ州、日本」みたいな意味で、ジャケ写の雰囲気なのかサウンドなのかを冗談めかして形容しているのかと思ったが("日本州アメリカ"みたいなジョーク)、全然違った。ちなみにフロリダ州は「State of Florida」だ。
「Flouride stare」で調べるとその名の通りのミームがヒットした。
要は、そういうミームにそっくりのジャケ写だなというコメントだった(1番代表的っぽいイラストには何故かトムヨークらしき人が紛れている。他にも有名人がいるかも?)。
上のは「Know Your Meme」という、いろんなミームを説明するサイトであるが、わかりにくかったので、シンプルに語釈が記述された別のサイトを引用する。ブラウザ翻訳もそのまま載せる。
要は「陰謀論者に向けられる冷ややかな眼差し」というイラストのミームらしい。語源は実際にあったフッ素絡みの陰謀論。
「無表情でありながらわずかに怒った」表情、ジャケ写の左の泰行の方は当てはまるかも。兄高樹は視線外してどっか見てるけど、陰謀論者の話が馬鹿馬鹿しくて呆れた瞬間だったのかもしれない。
というのはさておき、ちなみに、実際のところはこのジャケ写は10ccの『Deceptive Bends』(1977)の裏ジャケのパロディーなんだとか。片方が視線を外してるのも忠実だった。
最近このアルバム初めて聴いたけど、一曲目の「Good Morning Judge」からカッコ良すぎてビビったし、本編ラストの9曲目の「Feel the Benefit」までの流れがスムーズ。
また余談だが、『Crepuscular』の「ただの風邪」には、10ccのこのアルバムに入ってる「The Things We Do For Love」という曲みたいなことをやりたくなって、ということが影響したらしい。
コメント21、22(エンジョイ勢と、「raw」について)
「Is there」と「?」がないが、「アルカディアエンジョイ勢いない?」的なことを言っていると思われる。
「これまでで最もrawなアルバムカバー」と言っているわけだが、「raw」、とは?
よく使うのは、肉が生焼けだったり、完全に生だったりするのを形容する使い方だ。あとは、「未加工」とか「手が加えられていない」みたいな広い意味もある。
最後の「ありのままの」という訳はいいかもしれない。
別の例は、こんな感じ。
「洗練されていない」という訳も悪くない。汗まみれな奴らが洗練された音楽作ってるって思わないもんな。洗練されてたら、涼しげなシースルーとか、肩に掛けるだけのちゃっちい謎の服とか羽織ってそうだもんな。
またはこんな例も。
「露骨」や「粗野」も悪くない。「下品」は勘弁してほしいが。
あとはこの例。
「むき出しの」という訳例はかっこいい。1番しっくりくる。
また、別の例文にあった、「生々しい」という訳の例も、汗まみれの表現に合っていると思う。
あと、「in the raw」という成句がある。
この成句では「ありのまま」または「裸」という意味に絞られるようだ。
最後に、スラングのrawというのも存在するらしい。
ゴムがどうのこうのは置いておくとして、単純な褒め言葉としての表現があるようだ。
まとめると、ここでの「raw」は、「ありのままで、洗練されていなくて、あからさまで、露骨で、粗野で、むき出しで、生々しくて、クールで、かっこいい」といった複合概念ということにしておく。まとまってないけど。まあ、結果的にジャケ写についてのなかなか的確なレビューになった。
コメント23(ラストコメント)
最後の、最新のレビューは7月20日のこちら。
スペルミスいじり勢だった。