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自分の考え方のクセを知る

こんにちは。しんしん心理研究所の心理師Shingo(しんしん)です。
私たちは日々、さまざまなことを考えながら生活しています。しかし、その考え方には無意識のうちに「クセ」がついていることがあります。この考え方のクセが、時には私たちの行動や感情に大きな影響を与え、ストレスや悩みを生み出してしまうこともあります。

考え方のクセは、多くの場合、幼少期の経験や環境、教育によって形成されます。家族や学校の先生の影響を受け、無意識のうちに特定の思考パターンを身につけることがあります。たとえば、完璧主義の家庭で育った人は、失敗を恐れるようになったり、他人の評価を過度に気にしたりすることがあります。一方で、自由な環境で育った人は、柔軟な思考を持ちやすく、変化に適応しやすい傾向が見られます。

また、社会的な要因も考え方のクセに影響を与えます。たとえば、日本の文化では「謙虚であること」や「周囲との調和を大切にすること」が求められるため、自分の意見を控えめにしたり、他人を優先したりする思考が強くなりがちです。これはポジティブな側面もありますが、自分の意見を押し殺してしまうとストレスにつながることもあります。

今回の記事では、自分の考え方のクセを知ることの重要性と、どのようにクセを見つけ、どのように改善していけばよいのかについて解説していきます。また、考え方のクセが私たちの日常生活や対人関係にどのような影響を与えるのかについても掘り下げて考えていきましょう。

考え方のクセとは?

考え方のクセとは、ある状況に対して特定の思考パターンを繰り返すことを指します。これは、私たちの過去の経験や環境、性格によって形成されるものであり、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあります。

たとえば、「ミスをすると自分はダメな人間だと思ってしまう」「人に迷惑をかけたくないと思いすぎて、いつも自分を後回しにしてしまう」といった考え方は、知らず知らずのうちに自分を苦しめてしまうものです。

心理学では、このような考え方のクセを「認知の歪み」と呼び、いくつかの代表的なパターンがあることが知られています。

認知のクセが形成される背景には、幼少期の家庭環境や教育、社会的な影響などが関係しています。たとえば、完璧を求められる環境で育った人は、知らず知らずのうちに「白黒思考」を持つようになります。また、過去の失敗経験が強く影響し、「自分はダメだ」と思い込んでしまうこともあります。

認知の歪みの代表例

1. 白黒思考(全か無か思考)

「すべてが完璧でなければ意味がない」といった極端な考え方をする傾向です。たとえば、「試験で90点を取ったが、100点でなかったから失敗だ」と考える人は、この思考パターンに当てはまります。

2. 過度の一般化

一度の失敗を「いつも」「絶対に」と拡大解釈してしまうクセです。「一回プレゼンでミスしたから、私はプレゼンが苦手だ」と思ってしまうのが典型的な例です。

3. 自己関連づけ

何でも自分のせいだと考えてしまう思考パターンです。「同僚が機嫌が悪いのは、私が何か悪いことをしたからに違いない」と考える人は、この傾向が強いかもしれません。

4. 心のフィルター

ネガティブな情報だけを選んでしまい、ポジティブな面を見落としてしまう傾向です。「今日は上司に褒められたけど、たった一度ミスをしたから台無しだ」と考えてしまうケースが該当します。

5. べき思考

「○○すべき」「○○しなければならない」といった思考が強すぎると、プレッシャーが増し、ストレスを感じやすくなります。「私は常に頑張らなければならない」と思う人は、この考え方のクセを持っているかもしれません。

自分の考え方のクセを知る方法

自分の考え方のクセを知ることは、自己理解を深める第一歩です。以下の方法を試してみましょう。

1. 日記や思考記録をつける

日々の出来事やそれに対する自分の考えを記録することで、パターンが見えてきます。特に、ネガティブな感情が生じたときに「何を考えたのか?」を振り返ることが重要です。

2. 友人や家族にフィードバックをもらう

信頼できる人に「私の考え方のクセって何かある?」と聞いてみると、自分では気づかない視点を教えてもらえるかもしれません。

3. 認知行動療法(CBT)のワークを試す

認知行動療法(CBT)では、自分の考え方のクセを特定し、バランスの取れた考え方へと修正するためのエクササイズが用意されています。書籍やオンラインのツールを活用するのもおすすめです。

また、マインドフルネスを取り入れることで、思考のクセに気づき、客観的に捉えられるようになります。リラックスしながら、自分の思考に気づく時間を作るのもよい方法です。

考え方のクセを改善するための方法

考え方のクセを改善するためには、以下のようなアプローチが効果的です。

1. 事実に基づいた思考をする

「この考え方は事実に基づいているか?」と問いかけてみましょう。例えば、「私はプレゼンが苦手だ」と思っている場合、本当に全てのプレゼンが失敗だったのか振り返ると、成功した経験もあることに気づくかもしれません。

2. 別の視点で考える

「他の人ならこの状況をどう考えるだろう?」と想像してみるのも有効です。例えば、「友人が同じ状況だったら、自分は何と言って励ますか?」と考えることで、より客観的な視点を持つことができます。

3. ポジティブな側面に目を向ける

ネガティブなことばかりに意識が向いてしまうときは、意識的にポジティブな側面を探してみましょう。

まとめ

考え方のクセは誰にでもありますが、それが自分のストレスや悩みの原因になっている場合は、意識して修正していくことが大切です。自分の思考パターンを知ることから始め、少しずつ柔軟な考え方を取り入れることで、より生きやすくなります。

また、考え方のクセは完全に無くすことはできなくても、意識するだけで状況は変わります。たとえば、「完璧でなくても大丈夫」「失敗しても次に活かせばいい」といった考え方を少しずつ取り入れるだけで、ストレスの軽減につながるでしょう。

さらに、定期的に振り返ることも重要です。日記をつけたり、考え方のクセに関するチェックリストを作成して、定期的に見直すことで、徐々に柔軟な思考へとシフトできます。人は習慣の生き物であり、一度身についた考え方のクセを修正するには時間がかかることもありますが、焦らず少しずつ取り組んでいきましょう。

「自分の考え方を変えたい」と思ったときは、無理にすぐに変えようとせず、少しずつトライしていくことがポイントです。ぜひ、今日から自分の思考のクセに気づく習慣をつけてみてください。そして、気づいたら自分を責めるのではなく、「変えようと努力している自分」を褒めることも忘れずにしましょう。
しんしん心理研究所では認知行動療法を使って、あなたの考え方のクセを知り、少しずつ修正していくサポートしています。いつでも相談してください。

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