持ち込みでのゲーム製品化依頼への返信
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この投稿は、ゲームのプロトタイプを作られた方が「それを商品化して欲しい」と弊社に問合せしてきた時の返信です。
(個人が特定できないように、また他の事例でも参考になるような部分だけ残しております。)
時々、お問合せ頂くので書いてみました。ご参考になれば幸いです。
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この度はご連絡ありがとうございます。
ゲームにて問題を解決したいという思い、業界にいる者の1人として嬉しいです。
さっそくですが結論から申し上げると、このゲームを弊社にて製品化するのは難しいです。
弊社ではすでに実績にあるものしかゲームに出来ません。
事例としては下記のような形です。
1.自主制作し、販売し、売れた。(ぷよぷよを開発した米光教授ですら、今もそうやっています。)
2.国際学会などで発表されている査読済みの論文があり、特殊なノウハウを持っている。
3.TVで活躍されている。著作がある。結果を残しているなどの著名人。
なぜなのかは2つ理由がございます。
理由1:持続可能にするため、掛けたお金以上に儲けたい
弊社が実際にゲームを作るとなれば300万円程度の投資になります。
それを回収する(=売れる)だけの根拠がなければ作ることは怖いです。
なので、上記のようなレベルの実績が不可欠なのです。
「私のゲームを製品化して欲しい」
=「私のゲームは300万円以上の利益を出せる」
でないと、ビジネスとして商品開発は行えません。
製品化して欲しいという人は、製品になりさえすれば満足かもしれません。しかし、それを販売する立場からすると”いかに売りやすいか?”が大事になります。
理由2:コンテンツビジネスの構造的な問題
日本では年間少なくとも1000の新作ゲームが発売されています。
正確な数字は不明ですが、その多くが赤字です。(7割以上とも)
購入者の少なさ、単価の安さ、競合の多さなど色々理由がありますが、基本的にこうしたコンテンツ商売は、1000に1つ大当たりが出ればよいというビジネスモデルです。
大当たりが莫大な利益をもたらし、他の赤字や黒赤トントンを全て解消してくれます。
出版(書籍)や、映画がそうした形になります。
となると、
1.資本力を持っているところがひたすら多数の商品を作るか、
2.実績のあるレベルの高い商品を少数作るか
どちらかになります。
弊社は2をしています。(大手企業などは1が出来ます。)
こちらの理由からも、
・実績がある
・飛び抜けた商品力
・既に抱えているお客がいる
・初期費用を負担する
という状態でなければ弊社としては取り扱うことが難しいです。
弊社に限らず、上記のようなビジネスモデルであれば、他の会社も似たようなものだと思います。
飛び抜けた商品力とは?
我々のようなビジネスゲームの販売において、商品力はあまり意味がありません。
というのも、体験してみないと
・良いものかどうか?
・体験の質がどうなのか?
がわからないからです。
また、体験するには時間も、お金(人件費)も、手間も、かかります。
5つ以上のゲームを体験した上で、選ぶということはあまりありません。(一つ30分かかるとしても、2.5時間もかかります。
物によっては体験に1日がかりのゲームもあります。)
1.わからない
2.確認するのに手間暇かかる
この2つの理由から、ゲームのクオリティが高さが販売に繋がるわけではないのです。
だからと言って、弊社がクオリティ低いゲームを作っているわけではありません。
どちらかというと、私も商品力を高めがちでそちらを武器にして売ろうとしていました。しかし何年もそれでやった結果、かなり難しいという事がわかってきました。
商品力よりも、営業や販売、ラインナップのほうがよっぽど大事だったりします。
※こぼれ話。
商品力の高さを販売につなげるには、一工夫必要です。
例えば、それをわかる人達なら買う意味を見出して頂くことが出来ます。
研修講師や研修会社、学校の先生など、日々日々を育成をしている人達は、弊社の商品の良さを説明だけでご理解いただける方が多いです。
ですので、弊社はそうした方々をメインターゲットにしています。
それでもゲームを製品化したい人に
おすすめは「自主制作をして売ること」です。
自分で製品化し、実際に販売実績を積むのが良いと思います。
口コミや販売実績があれば、取り扱うところは出てきます。
今は個人でもそれが出来る時代です。
それらが売れたら、ぜひ弊社だけでなく各社に取り扱いをお願いしてみてください。
今よりもっと良い条件になると思います。
ただし日本では少なくとも1000個以上の新作ゲームが毎年出て販売されています。その多くが赤字です。
多くの方々がしのぎを削っているので、ぜひ頑張ってください。
それらの多くがゲームマーケットで販売されています。
こちらへの出展は必須と言えますし、おすすめします。
相談に乗って欲しいという方は、そうしたゲームづくりのコンサルティングを有償にて行います。(1回5万円/2時間)
必要あればご利用ください。
皆様のゲームが広がることを祈っております。
広瀬眞之介
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