去年の秋に書いた、詩みたいなものの「詰め合わせ」
なんでもいいから書いてみたいなーと思って、ちょうど去年の今頃からスマートフォンに詩みたいなものを書き始めた。
行く当てもない空虚なへんてこりんたちを、noteという座布団に座らせてみよう。
ちょいと長いですが、なんせへんてこしかおらんもんで、
そうめん啜るように、さーーっとスクロールしながらお付き合いください。
1.2021年9月 書き始め
朝
0655を観て家を出る
母の知り合いの犬が散歩している
55番の置き場に自転車を止める
電車に乗っていく
ぼくはちいさな旅をする
想像たちよ
ちょっとだけでいい
手をつないでくれないか
あたまが真っ白で
このままでは丸腰になってしまうよ
ちょっとだけでいい
手をつないでくれないか
じぶん
どこまでも知れて
どこまでも知っている
それでいて
どこまでも知らないのは
じぶんなんだよ
ごごごじ
ねむけ
いたみ
もやもや
いたみ
おでこの内側
詰まり詰まる
つまっていても
ぐるぐる
ぐるぐる
まわるまわるよ
こめかみ
ずきずきするまで
2.2021年10月 ちょっと多め
雨
おそとが雨の日に睡ると心地いい
全身が雨音に包まれて
浅く沈んでいく
荒雨でも
嫌じゃない
人間の音たちより
ずっと
澄んでいる
雨は温かい子守唄
いつまでも
いつまでも
機械になりたい
生き延びるために
ぼくがやるべきこと
毎日どんどん増えていく
早いうちに
すべてを丁寧に
片付け終えて
涼しい顔をしているひとたち
熱く頑張っているひとたち
ぼくはそんな超人にはなれやしない
ただ摩滅した気力の屑を
厚手の軍手で摘んで落として
繰り返ししているだけだ
約束のために
無題
これから暑くなることも
これから寒くなることも
しらないもんだな
黒猫
朝、駅の横の茂みに
真黒い猫さんがいた
眼は若い銀杏の子実みたいな
淡い黄緑がくるりと並んでた
きょろきょろ
きょろきょろ
通りゆく人間たちを
見ている
誰か探しているのか
誰も探していないのか
誰のことも見ていないのか
わからないけれど
たぶん福猫
しょーもな
おやゆびと ひとさしゆびで
♡をつくる
とっさに唱える
萌です
んっ?そこは“きゅんです”じゃないの?
そーだわ。とほほ
寝る前に繰り広げられた
わたしなかのつぶやきたち
無題
エジプトの石像か何かに
あたまは人で
あとの身体は
スカラベになっちゃったのがあった
よく彼の顔をみたら、
本人がそれがいいならそれでいいんだな。
と思った
そう思わせる顔だった
もす
空も葉も
ヘドロとなりし
わが身も知らずに
舞い踊る羽衣よりも
うつくしき
幾重にヒカル
わが寝袋よ
夢でさえ
62点と48点
どちらも成績はA
わたしは48点のほうだった
隣のあの子が62点だった
そうか。わたしは48点なんだな。
ほんとにわたしもAなんだろうか
無題
雨があまりに強すぎる日は
いっそのこと
いっぱいの雨粒を
全身に浴びてしまいたい
裸ん坊になって
雨の中を泳ぐんだ
その儘
歌って踊るんだ
搾取の小言をきく頃の
そんなにわたしに訴えても
わたしは閻魔さまじゃないんだよ
どうすることもできないよ
空氣者
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
己の弱さ
今、猛烈に引きこもりたい
超人の世界ではぼくははみ子
白衣
まじでキュンがすぎる。。。
てか、おなか痛い
このタイミングでの連絡に妙なキュンやし、
おなかは耐えずギュンやし、
せわしない
白衣のまま脱走する気でいる
こんのやろう
空いてる日を伝えた途端、
もう会いたくない。
腹の痛みも治まった
チャイムが鳴った
あっけけ
おいらみたいな
どうしようもない奴が
深刻になりだしたら
それこそ
どうしようもない
3.2021年11月 ちょっと少なめ
ぱらさいと
とっくに劣等感は死んでます
だけど毎日毎日
ヒトの皮かぶったロボットみたいなのに
囲まれて生きてます
生身の人間の僕はある種の小さなエイリアン
これじゃない
“これじゃない”なんて
言えるタチじゃないって
思ってる困ってる
やっぱ引きこもりたいし
どっか行くのも一人がいいし
そうにもいかないのがもどかしい
一日中天井を眺めてぼんやりしたいし
だけど、“こうしたい”
だなんてはっきり言えるタチでもないって
思ってる弱ってる
旧友と遊んだあとの
視界も脳も声も
ボロボロで ボヤボヤ
トカトントンが思いつく
つまらなかった
と言えば早いけれど
それじゃあ、つまるがあるのは一体何なんだ
結局俺が、人間の幸せやら喜びを
ちゃんと受け止めていないような
気がしてならない
トカトントンが思いつく
家に着く頃にはこのまま目が見えなくなってしまうのかなと、かなと、かなと、かなと、かなと、カナト、カナト、カナト、カナト、カナト
それでも車と人をするりと避けて
ただただ帰っていく
食パン
ぶ厚いの
しっとりなめらかの
耳が甘いの
バターの香りが立ち昇るの
もち肌の
ほんのり黄みがかった白の
時間をかけたの
できたての
ステンレスの蓋を開けよう
わる
毎日毎日、他人の価値観や、自分のしなきゃいけないこと、
人間のしなきゃいけないこと、
そういうものが、
絶え間なく耳に入ってくる、視界を埋め尽くす、僕を取囲む
どうか、ほっといてくれ
他人に触発されて僕は罪悪感を抱くんだ
罪悪感は自分自身から生まれるんだ
僕はとっくに極悪人だ
うたた
眠っている時が本当に一人になれるそんな気がしていた
ここまでみてくださってどうもありがとうございました。
どうぞ目を休めて、穏やかにお過ごせますように。
それでは、また