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「新古事記⑦」オオクニヌシの愛(神の化身)

「新古事記」あらすじ

前回のお話はこちら


新古事記⑦ オオクニヌシの愛(神の化身)


オオナムヂ(オオクニヌシ)には、
多くの兄弟がいました

兄弟達は稲羽(因幡国)の
ヤガミヒメを妻にしたいと思い

ある日、求婚のために稲羽に向かいました。
そしてオオナムヂに
袋を持たせて同行させました

その途中、海辺に皮を剥がれた
裸のウサギが倒れていたんです


兄弟たちは、そのウサギに気付くと

「お前がそれを治したければ
 この海の水を浴びて、
 風に吹かれて寝ていなさい」

と言いました

そこで、ウサギは言われた通りに寝ていると
海の水が乾いて、身体がヒリヒリと痛んで
痛みに耐えれずに、涙が出てきました

そこに、
オオナムヂが通りかかって
ウサギに話しかけました


「どうして、泣いているんだい?」

とウサギに聞くと、ウサギは

「私は、島からこちらの土地に渡りたくて
 でも海があって渡れなかったので


 海のワニザメを騙して

「私達ウサギとあなた達と、
 どちらの人数が多いか
 比べてみませんか?

 一族をできる限り連れてきて、島から
 向こうの陸まで並んでいてください。
 私はその上を跳んで走りながら
 数を数えて渡るので、
 そうすればどちらが多いかわかります」


そう言ったら、ワニザメ達は騙されて
一列に並んだので、
その上を跳んでこちらまで渡ってきました



でもまさに陸に降りる寸前に、うっかり
「あなた達は私に騙されたのだ」と言ってしまい


怒ったワニザメが私を捕まえて、
私の皮を剥いでしまったのです

「それで、泣き悲しんでいると
 先ほど通られたあなた様の兄弟が
 海の水を浴びて、
 風に吹かれて寝ていなさいと言うので
 その通りにしたら痛くて泣いているのです」

それを聞いてオオナムヂは、

「それなら早く川に行って、
 清水で身体をよく洗い流して
 そこに生えているガマの花の粉を取って
 地面に敷いて、
 その上で転がれば身体は元に戻るだろう」

 と言いました


そして、ウサギはその通りにしたところ
身体は元の通りに戻ったのです


このウサギは、実は神の化身

だったのです

そしてウサギは、
オオナムヂに言いました。

「あなたの兄弟はヤガミヒメを
 妻にすることはできないでしょう」と言いました

そして、その予言通りヤガミヒメは兄弟に、
「私はあなた、オオナムヂ様に嫁ぎたい」
と言ったのです


私たちの本質は愛です。
他を思いやり
困っている存在を助け
他を生かしていくことが
神としての姿です

私は自然や動物、
人に姿を変えて
あなたの前に現れます

そして私は、あなたが神の使いに
どういう行動をするかを見ています


私は、この世界で
行ったことが返ってくるという
法則を作りました

他に対しての優しさと愛は
必ず返ってくるものです

この世界で大きなことをすることが
あなたの目的ではありません
誰かを愛し、思いやり
優しさを行えるかなのです

その相手から戻ってこなくても
必ず宇宙を巡り、時間をおいて、
その与えた愛は返ってくるものなのです

忘れないでください。
すべての万物に私は存在して
あなたの成長を見守っています。


「第8話 オオクニヌシの挑戦」
 につづく




イラスト:potoreさん


☆新古事記のコンセプト映像☆




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