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12:マイ・シングルファザー ・ストーリー父子家庭のウィークポイント

ご無沙汰しております。

シングルファザー 村上です。

今日は最近実体験した、父子家庭として、ひとり親家庭であれば誰もが胸の内で不安を抱えている点について、私の体験談を通して対処法も含めて書かせて‘頂きました。

①父子家庭のウィークポイント

それはズバリ!
「お父さんが倒れたら、代わりが居ないという事」だ。

当たり前だろう、そんなこと。。と思うかもしれない。
でも実際、身に迫ってみないと、この恐怖感やリスクの大きさは計り知れない。

まず
(1)収入が無くなる。
(2)家事労働が出来なくなる。
(3)人と関わる機会が失う。

健康体であった頃の当たり前が、当たり前でなくなった時
人間はどのような状態になるのか。

(1)気持ちが弱っていく
(2)意欲が低下していく
(3)マイナス思考におちいっていく

もう転がり落ちるように生活が一変してしまう。

1週間、1ヶ月、3ヶ月程度であり、全治の見込みがたっていれば救いようもある。
しかし、筆者は今回、全治の見込みが立たない病気にかかり実体験を通して心底思った。

「父子家庭で働きながら、子育てしながら、家事労働をしていくっていう事は本当につなわたりのような状態なのだな」と思い知らされた

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②俺には病気は関係ないものだと思っていた。

私が発病した病名は「うつ病」合わせて「注意欠落多動性障害」も見つかった。
要因はオーバーワークによる「過労」と「ストレス」だった。

私の場合、まず眠れなくなった。次に不安・緊張が尋常じゃない恐怖となって行った。
最終的には電車、バスに乗れない。そして会社に入れなくなってしまった。

実は症状としては半年前から何だか体の調子、意欲の低下は感じていた。
いつもならしないような有り得ない仕事上のミスをしたり、余裕が無いので子ども達への当たりもいつも以上に強くなって行った。

それを見兼ねたパートナーが私の通院先に同行してくれ、客観的に様子がおかしい事を話してくれた。では、どうすることがベストだったのか、この段階で早々に休職し体調を整える事であったと思う。

しかし、私とすると仕事の責任、収入面の問題等があり「会社に入れなくなる」状態までメンタルが悪化するまで、ギリギリまで頑張り続けてしまった。

結果、医師からの説得もあり会社を休職する事となってしまった。

「まさか、自分が病気になるなんて」
「それも鬱病?自分の性格上ありえない」

そう思っていたものだから収入保障の保険にも入っていなかったし、精神疾患まで対象とした保険にも入っていなかった。むしろ無駄な投資だと思っていたくらいだ。

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③社会保障制度のありがたさ、そして感じた恐怖

休職期間は初めは3ヶ月の予定だった。
しかし3ヶ月経過しても状態は悪化の一途を辿っていく。
6ヶ月経過しても、9ヶ月経過しても状態の改善の様子が感じられないのだった。

状態としたら、殆ど寝たきり状態、家事も何とか夕飯の準備をするのが精一杯。
そして脳内は絵に描いたような「死にたい・どうせ俺なんて・このまま心中しようか」などと危ない方向へ、放っておくと言ってしまう。

少しウトウト出来ても見るのは悪夢。
ホント最悪だ。

しかも、人との会話が無く自分ひとりで抱え込んでいたから余計に状態は悪くなる一方だった。

先が見えない、見通しが立たない。
また生活保護を受けて暮らすようになってしまうのだろうか。
折角、手に入れた中古マンションも売却しなくてはならないのだろうか。

そんな事ばかりを考えていた毎日だった。

そうした生活を支えてくれていたのが社会保障制度

つまり、国民健康保険における傷病手当だった。休職する前の月の給与の約7割を支給してもらえる。この制度には本当に助けられた。

後は会社で入っていた共済だった。
その中に収入保障保険が導入されており、就労していた時と同額に近い生活費を得る事が出来た。

金銭面の保証は本当に心を支えてくれたものだ。

しかし収入保証は1年間、傷病手当は1年6ヶ月と期間が決まっている。
つまり、それまで体調を整えて健康を取り戻し復職する事が目標だった。

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④私の場合の復職までの道

幸い。私はひとり親家庭支援以外にも、生活困窮者支援や障害福祉のケースワーカーとしての経験があった。

どうやって回復していけば良いのかを、困った時にどういう制度が使えるかを知っていた。

その為、生活面・就労については、自力で自立支援計画を立てた。

メンタルについては、症状と感情を区別して受け止め、毎月の通院時に正確な情報(睡眠状態、症状の文言化、困りごと)を伝える事で、医療者と上手くキャッチボールが出来た。

ストレスについては、「何もしない時間」を作る必要があった、つまりストレスから解放された実感を持てる時間という事で、私は自然に触れ合う為に釣りを始めたり、バイクで遠出をしたりした。

体調が悪い時は寝たきりでもできる、映画やドラマを視聴する事、後は庭の草むしりや家庭菜園を通し土に触れ太陽の元での活動をした。

後は最悪を想定して、役所の障害高齢課の保健師さんに相談したり、生活保護課の担当者に相談したり、最悪になる前の事前相談などをした。

そして「障がい者手帳・自立支援医療・障害年金・家事ヘルパー、その他の障害福祉サービス」等の制度活用を行った。

つい最近、会社と交渉し復職練習として短時間から、職場に慣らしていく計画を提案、医師からも了承を貰い、会社にも協力してもらった。

初めは6時間、7時間、8時間と慣れてきたら増やす、仕事中に体調が崩れたら小休憩を貰い、階段の踊り場で、音楽を聞いたり、ストレッチをしたり、タバコを吸ったり、外を散歩したりし、症状が落ち着いて来たら戻る等、トライ&エラーから、自身で自身を理解しコントロールする為の練習をした。

結果、発病からまる一年で復職する事が出来た。不安だったけど、良く一年で復職まで漕ぎ着けたなと正直、俺スゲエと思っている。

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⑤今まで受けてきた相談事例は他人事ではなかった

今回の病気を通して、私は更に支援が必要な人の立場に立ち、寄り添う支援が出来る人間に成長出来たのかな?と思っているし、そうありたいと思った。

そして、やはり「健常ひとり親家庭」と「障害ひとり親家庭」では「日常生活の困り度」に雲泥の差があることを再確認する事が出来た。

今まで、私のような経験真っ最中な方々からの相談を受けて来たが、彼等が藁をも掴む思いで相談してきた気持ちを推し量ると、胸が詰まる思いになる。

改めて今後も自分に出来ることは、私が体調を崩さない程度に相談対応や政策提言を行って行きたいと思った。

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⑥困った時に使える情報集

◽︎困った!家賃の事!お金の事!
▪️住宅支援給付制度
https://matome.naver.jp/m/odai/2141948834967242301

▪️傷病手当金
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139

▪️障害年金
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/shougainenkin/jukyu-yoken/20150401-01.html

▪️母子父子貸付金制度
http://www.city.sendai.jp/kate/kurashi/kenkotofukushi/kosodate/hitorioya/shiensedo/kashitsuke.html

■障害福祉サービス
・ヘルパー事業
・就労支援事業
・相談支援事業
・その他(手帳取得者へ対する優遇措置)

■ひとり親家庭支援の窓口
・ヘルパー事業
・子ども達と養育者の両方の支援計画を立てる仕組みが存在しています。

▪️相談したい!
・障害高齢課
・家庭健康課
・生活保護課
・生活困窮者相談支援事業
・地域包括支援センター
・障害相談支援事業所

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最後に・・

一緒に悩んでもらう、話を聞いてもらう。
そして日記のように記録をつけておく事が、とても大事なことです。

こうした公的機関の相談員を冷たい人と思われる方々は非常に多いと思うけれども、ようは苦手な同僚と付き合う中で、飲み会行ったら意外な一面もあるんだなぁなんていう、コミュニケーションを諦めず継続して取ることで相手も、親身になって同士になってくれる。

そういうものであると肝に命じて欲しいです。
福祉サービスの相談員はサービス業ではあるが、お客様は神様ではないのです。

最後に父子家庭で、生きていくことは自分のパワーを全開に使わないとやっていけません。でも、その中で「良い意味でのいい加減さ」「出来ないところは6割で諦める潔さ」「上手に人の力を借りる勇気」等を意識していかないと私のようにメンタル疾患にように一気に生活破綻の道に転がり落ちてしまいます。

実はそうした方は非常に多いんです。頑張りすぎる。

完璧を目指して自信を痛めつけるかのように生きる父子家庭のお父さん。

ねぇ。良い父親じゃなくて、一緒に笑ってる親父を目指しませんか?

どっかいい加減で、懐が深くて、寛容な余裕のある粋な父子家庭。

どうか共に目指して頂けたら幸いです。



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