詩『飛べない翼』

『飛べない翼』


 15才、不登校になった
 16才、落ちこぼれになった
 17才、自殺を失敗した

 18才、たまり場に行った
 19才、運命に出会った
 20才、運命に捨てられた

 何をやっても誉められた
 天才なんだと思ってた
 馬鹿にしていた大人になって
 軽蔑される立場になった

 大きな翼でこの世のすべて
 見下して生きると思ってた
 飛べない翼に気づいたけれど
 夜中にこっそり練習してる

 21才、人生を諦めた
 22才、小さな夢を見る
 23才、おばあちゃんが亡くなった

 24才、もういちど恋をした
 25才、平凡を受け入れる
 26才、家族遊戯をやってみる

 閉じてた翼を自分で切った
 必要ないって思ってた
 これが幸せなんだと信じ
 汚れてみにくいオバサンになる

 飛べない翼がムズムズしてる
 家族を捨ててもかまわない
 飛べない翼を羽ばたいてみる
 やっぱりわたしは、自分を生きる

 幾つになっても自分を生きる
 あなたが応援、それなら…いいな 




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