詩『ひきこもり(呼吸)』
詩『ひきこもり(呼吸)』
息を吸う、息を吐く
肺をふくらます、お腹をふくらます
意識すると、ぎこちない
生きるため、呼吸する
なのにいい加減、ほったらかしていた
あたりまえは、無いのにさ
恋をして、旅もして
みんな働いて、未来にゆめを見る
バリリ破いて、捨てた過去
熱が出る、咳をする
そして気づくんだ、命のそのもろさ
ぎゅっと握る、この奇跡
息を吸う、息を吐く
鏡にゃあさましく、ブザマな死にそこない
だけど今日も、生きてたい
親の恩、他人(ひと)の恩
まるでハリネズミ、痛くてしょうがない
抱きたいのに、血だらけだ
息を吸う、息を吐く
思えば遠くへ、未来へ来たもんだ
失ったんだ、その時間
息を吸う、息を吐く
呼吸が速まり、死にぎわみたいだね
だけどゆめは、まだ見える
息を吸う、息を吐く
そんなあたりまえ なんだかいとしくて
繋がりたいんだ、窓の外…と、
遅すぎたけど、窓の外…と。